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酸化物に関して(高校化学)
酸性酸化物、塩基性酸化物、両性酸化物というのを習いました。 酸性酸化物は水に入れると水素イオンを放出し、 塩基性酸化物は水に入れると水酸化物イオンを放出するそうですが、 どうしてでしょうか? 酸素の電気陰性度が大きいのとは関連性はあるのですか? また、両性酸化物が強塩基にしか反応しないと習ったのですが、 弱塩基だとどうしてダメなんですか? よろしくお願いしますm(__)m
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よく知られている酸、塩基がどの様な元素で出来ているか考えてみて下さい。中心となる元素の周期表上での位置に決まりがあるのがわかると思います。 酸は分子性物質、塩基は金属の水酸化物です。分子性の塩基はアンモニアとその仲間だけです。分子性物質は非金属元素で出来ています。金属元素と非金属元素とは周期表でハッキリと領域が別れています。境界線に近いところにある金属元素Al,Zn,・・・は両性元素と呼ばれています。 非金属元素の酸化物SO2,SO3,NO2,CO2,P2O5,・・・はそれぞれH2SO3,H2SO4,・・・と対応するのがわかると思います。水に入れて酸性を示すということはこの様な酸と同じ働きをするということです。酸であると言ってもかまいません。ラボアジェの時代では「酸」と呼んでいました。 金属の酸化物と水酸化物の対応も習っていると思います。 CaO+H2O→Ca(OH)2 はどの教科書にも載っているはずです。 CaOもCa(OH)2も塩基なのです。 #1でichitsubo様が書かれているように 塩基性酸化物だからOH-イオンを出すではなくてOH-イオンを出すから塩基性酸化物なんです。 ただ金属の酸化物、水酸化物は水に溶けにくいものが多いです。でも酸とはたいてい反応します。 ここからはおまけです。 酸化物という言葉はoxideの翻訳です。 ラボアジェが作った言葉だと言われています。 でもラボアジェはoxideという言葉を金属の酸化物に対してだけ使っています。ox-という言葉は「酸」を表しています。-ideは「似ているが異なる」という意味を表す接尾語です。 非金属元素が空気中の支燃性物質と反応した場合は酸を作るのに金属の場合はそうならない。同じような反応のはずなのに出来た物質の性質が異なるということで”oxide”と名付けました。 彼はさらにある種の金属元素では反応の程度を上げると酸の性質を示すようになるというのも書いています。これは両性酸化物に対応しますね。MnO,MnO2,MnO4-のシリーズで考えるとといいかもしれません。(代表的な両性元素であるアルミニウムは当時まだ発見されていませんでした。) 金属の酸化物だけを意味していたoxideが酸素との化合物一般に対して使われるようになってから酸性酸化物、塩基性酸化物の区別がされるようになったのだと思います。 さらにおまけです。 -ideという語尾についてです。 周期表の下の方にランタノイド、アクチノイドというグループがあります。古い本を見るとランタニド、アクチニドと書いてあるのも見かけます。本来の使い方で言うとランタニドlanthanidesと言うとランタンに似たものでランタンを含まないグループです。ランタノイドlanthanoidsと言うとランタンに似たものでランタンを含みます。用語が混乱していたのですが1971年に-oidsに統一されました。 ”oxide” が「酸(非金属酸化物)に似ているが異なる」という意味であったというのが伝わらなくなったというのも同じような理由があったのかもしれません。
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- DexMachina
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> 酸素の電気陰性度が大きいのとは関連性はあるのですか? あると思います。 ・電気陰性度の差が小さい →その原子と酸素の結合は、共有結合性が強い →水中でも、その原子と酸素の結合が切れにくい →「酸素-水素」の結合が、相対的に切れやすい =水素イオンを放出しやすい ⇒酸性酸化物 ・電気陰性度の差が大きい →その原子と酸素の結合は、イオン結合性が強い →水中で、その原子と酸素の結合が切れやすい (イオンとして電離しやすい) =水酸化物イオンを放出しやすい ⇒塩基性酸化物 両性酸化物ではこの中間になるため、「水素イオン・水酸化物イオンの 放出のしやすさの差が小さい」一方で、「酸性酸化物よりは水素イオン を放出しにくく、塩基性酸化物よりは水酸化物イオンを放出しにくい」 ことになります。 そのため、弱塩基とは反応しにくい、ということだと思います。 (一方、両性といっても水素イオンと水酸化物イオンの放出のしやすさが 全く同じわけではなく、やや水酸化物イオンの放出のしやすさの方が 勝っているため、弱酸とは(ある程度)反応できる、と)
- Ichitsubo
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>酸性酸化物は水に入れると水素イオンを放出し、 >塩基性酸化物は水に入れると水酸化物イオンを放出するそうですが、 大まかに言うと正しいのですが、厳密には説明が異なります。 その大まかな話をするとして、 >どうしてでしょうか? どうしてと言われても、質問者さんの名前がなぜkuma-さんなのでしょうかというのと同じです。そう名付けたからです。 (厳密に言うと違うけれど) 水と反応して水素イオンを放出する酸化物を酸性酸化物、 水と反応して水酸化物イオンを放出する酸化物を塩基性水酸化物と名付けたのです。 両性酸化物は、それ自身が弱い塩基だからです。これを超える強力な塩基とは酸性酸化物として反応しますが、弱い相手では取るに足らないため反応しません。(これも大雑把な説明です)
補足
質問の仕方が悪かったのかもしれないです。 私は高校化学の範囲で、酸化物だけ こういう反応が特筆して語られているのは、 酸化物がこういう反応をしやすいからだと思ってます。 だから、なぜ酸化物が酸、塩基のような振る舞いをしやすいのか 知りたいということです。
お礼
質問の答えだけでなく、 すばらしいおまけまで、ありがとうございます。