• ベストアンサー

化学(高校) 両性元素の反応について

確認させて下さい。 両性元素の反応で、 1.両性金属 2.両性酸化物 3.両性水酸化物 のいずれも、「酸」と「強塩基」と反応するとあります。 質問したいのは、 ①弱塩基と反応しない理由 ②この「酸」は強酸・弱酸ともに反応するのか 以上の2点です。 いろいろと調べたのですが、またいろいろな回答があり、しっくりきていません。 宜しくお願い致します。

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • nious
  • ベストアンサー率60% (372/610)
回答No.1

先ず 2 と 3 ですが、次のような平衡が成り立っているために、 同じ物質として考えても大きな違いは生じません。 また 便宜上、金属 M の酸化数は 2 とします。 MO(固) + H2O ⇔ M(OH)2(固) (1) 1 は一度 水酸化物 として沈澱し、 1~3 は最終的には全て 過剰量の強塩基に対して、 OH^- 錯体を生じて難溶な水酸化物が溶けます。 NH3 のような弱塩基では 過剰量を加えても pH は高々 12程度 迄しか増加しません。凡そ [OH^-]≦0.01 (M) です。(濃NH3水) 難溶な水酸化物を溶かすには最低でも [OH^-]>1 (M) 程度は必要です。 M(OH)2(固) + 2OH^- ⇔ [M(OH)4]^2- M(OH)2(固) の溶解度積を Ksp=[M^2+][OH^-]^2 M^2+ の OH^- 錯体の全安定度定数を β4=[M(OH)4^2-]/[M^2+][OH^-]^4 とすれば 前述した反応の平衡定数 K=Ksp*β4 で表せます。 一例として M^2+ が Zn^2+ のとき Ksp=10^(-17)、β4=10^15.5 K=Ksp*β4=10^(-1.5)=0.03<1 Zn(OH)2(固) + 2OH^- ⇔ [Zn(OH)4]^2- 平衡が左に偏っているので、過剰量の強塩基を加えて平衡を右に移動させて溶かす必要が生じます。 これが弱塩基と反応しない理由です。 (2) 再び M^2+ が Zn^2+ のとき、 中和反応:Zn(OH)2(固) + 2H^+ ⇔ Zn^2+ + 2H2O 強酸のとき K=Ksp/Kw^2=10^11>>1 酢酸 (pKa=4.76) のとき K=Ksp*(Ka/Kw)^2=10^1.48=30 強酸では ほぼ100%中和しますが、 酢酸では ほぼ100%中和するとは云えない値です。 M^2+ の 水酸化物 の溶解度積 Ksp にも依存しますが、酢酸程度の強さの弱酸には、一般にほぼ100%中和するとは云えないようです。 高校で習う 両性金属 Al, Zn,Sn, Pb はどれも強酸に一応溶けますが、 弱酸 HA には溶け難い。 この理由は 理論的には 弱酸は強酸よりも弱い酸化剤になるからです。 酸化剤としての強酸:2H^+ + 2e^- ⇔ H2(g) :E°=0.00 (V) 酸化剤としての弱酸:2HA + 2e^- ⇔ H2(g) + 2A^- :E°=(RT/F)*ln(Ka) 電極電位:E=(RT/F)*ln(Ka)ー(RT/2F)*ln(pH2*[A^-]^2/[HA]^2) (弱酸の標準電位)=(RT/F)*ln(Ka)<0.00 (V)=(強酸の標準電位) ※ 説明は一部、高校化学の範囲を逸脱しています。

kunkunken
質問者

お礼

nious さん ご回答頂きありがとうございます。 大変参考になりました。