正しい条件付確率は
P(Y2=y2,Y3=y3|Y1=y1)=(ny2+ny3)!/(ny2)!(ny3)!*{p2/(p2+p3)}^(ny2)*{p3/(p2+p3)}^(ny3)δ_{n-ny1,ny2+ny3}
= (m)!/(ny2)!(ny3)! (q2^{ny2})(q3^{ny3}) δ_{m,ny2+ny3}
とまとめて書くとわかりやすいですね.ここで,
m= n-ny1
q2= p2/(p2+p3)
q3= p3/(p2+p3)
としました(q2,q3≧0,q2+q3=1なので,これは確率分布になってます).また,y2,y3は0,1/n,2/n,…n/nを動きますが,δ_{m,ny2+ny3}があるために(Y1=y1という条件があるために),y2もy3も,m=n-ny1より大きな値では確率は0になることに注意してください(後で和を取る際に,y2,y3の和がm/nまでになっているのはそのためです).
Y1=y1という条件の下,Y2に関する期待値を求めるには
E(Y2 | Y1=y1) = Σ_{y2,y3=0,1/n,…,m/n} y2 P(Y2=y2,Y3=y3|Y1=y1)
を計算すればよいです.
これは2項分布の期待値の計算ですので,計算できます.
実際やると
E(Y2 | Y1=y1)
= Σ_{y2,y3=0,1/n,…,m/n} y2 (m)!/(ny2)!(ny3)! (q2^{ny2}) (q3^{ny3})δ_{m,ny2+ny3}
= Σ_{x2=1,…,m},Σ_{x3=0,1,…,m-1} x2/n (m)!/(x2)!(x3)! q2^x2 q3^x3 δ_{m,x2+x3} (∵ (a) )
= Σ_{x2=1,…,m},Σ_{x3=0,1,…,m-1} 1/n (m)!/(x2-1)!(x3)! q2^x2 q3^x3 δ_{m,x2+x3}
= mq2/n Σ_{x2'=0,…,m-1},Σ_{x3=0,1,…,m-1} (m-1)!/(x2')!(x3)!*{q2}^{x2'} * {q3}^x3 δ_{m-1,x2'+x3} (∵ (b) )
= mq2/n (q2+q3)^{m-1} (∵ (c))
= mq2/n
= (n-ny1)/n * p2/(p2+p3)
(a) x2=ny2,x3=ny3の変数変換をした.また,x2の和は0からでなく1からとしてよい.なぜならば和の中身がx2に比例しているので,0のときは消えるから.また,x3の和はmまででなく,m-1までとしてよい.なぜならば,x2が1以上の和となっているため,δ_{m,x2+x3}のおかけで,x3=mのときは0になることがわかるから.
(b) x2' = x2-1という変数変換をした.
(c) 一般に (a+b)^m = Σ_{r,s=1,…,m}n!/r!s! a^n b^s δ_{m,r+s}
Y3の期待値も同様に求められますね.
さらに,分散(標準偏差)も求めるとよいと思います.