>おっしゃる通り結果から見て最大吸収波長は530nm付近に近付きつつあります。吸光度の変化は一日おきに0.01~0.02くらいの変化です。
>粒径に関しては波長形の変化が見られなくて全体的に吸光度の高いほうにシフトしている感じなので変化してはいないと思われます。
例えば、Kamatが示している(Photophysical, Photochemical and Photocatalytic Aspects of Metal Nanoparticles, J. Phys. Chem. B, 106 (32), 7729 -7744, 2002.)ように波長が変化している、ということは粒径が変化しているということだと思います。
>確かに何度かクエン酸還元によりナノ粒子の作製を試みているのですが同じ分量で調整してもなかなか一定の結果が得られなくて溶液の色にもバラつきがあります。
見た目にも変化がある、ということはかなり大きなブレなのでしょう。したがって、実験条件が一定でないことが原因ではないかと思います。
金コロイドの作製は無電解めっきと同様なので、原因は
(1)還元剤の強さ(クエン酸ソーダを使い続けているのであればその濃度)
(2)作製時の水溶液温度(塩化金酸は後から入れるのでしょうからクエン酸ソーダ水溶液の温度)
に起因するものと推察されます。特にめっきにおいて温度はかなり重要なファクターなので、ここが一定でないのではないでしょうか?
参考URLは金コロイドではありませんが、同様の結果が示されています。これによると、0.01~0.02くらいは増加しているように見えます(タイムスケールは違いますが)。たぶん、吸光度の増加に関しては凝集した後、沈降もしくはガラスなどへの吸着を伴なって低下するのではないでしょうか?
お礼
詳しいご意見ありがとうございます。 この数日間でいろいろ調べてみたのですが、試薬を同じ分量だけ使用し反応させているのになぜ結果が一定にならないかについては、どうやら今回はクエン酸ナトリウムとMPAの加え方にあったようなのです。今まで実験は文献に従い行ってきたのですが、その文献には沸騰した蒸留水中に塩化金酸を加えさらに沸騰させた後還元剤と保護剤を同時に加えると書いてありました。しかしこの方法には問題があったようなのです。というのは、先にチオール基をもつ保護剤を加えてしまった場合は先に金にチオールがくっついてしまい塩化金酸が十分に還元されないといった現象がおこるようなのです。なので今後は還元剤を先に加えてそれから保護剤を加えて実験を進めていくつもりです。