- ベストアンサー
染色体分配がうまくいかなっかたとき…
ヒトの細胞は、22組の常染色体と1組の性染色体を持っているが、このうち一本の染色体で複製後染色体分配に間違いが起きたとしても、相同染色体があるため、いずれの場合も少なくとも1セットのゲノム情報を持つことになるが、そのような細胞はほとんど正常に増殖できない…って聞いたのですがなぜですか?分かる方教えてください。
- みんなの回答 (1)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
正常な遺伝子が1コピーあれば十分な遺伝子もたくさんありますが、2コピーなければ不十分な遺伝子も少なくありません(haploinsufficientといいます)。まして、染色体がまるまる一本ない状態では、複数のhaploinsufficient遺伝子がハプロイドになりますし、単独ではハプロイドでも大丈夫な遺伝子でも、複数同時にハプロイドになってしまうと重篤な障害が出る場合もあるでしょう。加えて、ほ乳類では「インプリンティング」によって、母方由来のコピーしか働かない遺伝子、父方由来のコピーしか働かない遺伝子があります。こういう遺伝子は、たとえば、母方の染色体が失われたといっても父方のコピーでカバーできません。最も小さい染色体でも一方が失われると生存不能になるわけです。 一方、不分離によってある染色体が3倍性になった場合、ほとんどの染色体でやはり生存不能になります。遺伝子量の均衡がとれないためと考えていいでしょう。ごく小さい染色体の場合、3倍性になっても生存可能な場合もありますが、障害を生じます(たとえばダウン症)。
お礼
ご説明ありがとうございます。よく分かりました。