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平家物語の「祇園精舎の鐘の声」はなぜ「声」?
素朴な質問ですが、平家物語の冒頭の一節「祇園精舎の鐘の声・・・」で始まるところの、一文ですが、なぜ、「鐘の音」ではなく、「鐘の声」なのでしょうか?気になってしようがありません。どなたかおしえてください。お願いします。
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大和言葉の「こゑ」は 1.人や動物が発する音 2.物の音 3.発音、ことば[訛りなどについていう] 4.漢字の音(おん) 5.アクセント の用法があります。ご質問の場合は2に相当しますが、これは漢字「声(セイ・ショウ)」の用法をうけたもので、平安時代以降によく使われるようになります。 漢字の「声」には、「人の発する声」・「動物の鳴き声」の意味と同時に、「物の発するひびき」の意味があります。声の基本字である「聲」の成り立ちがすでに、古代の楽器「殸(ケイ)」に耳を組み合わせた文字です。殸は金属製の楽器でたたくと高い音を発する。それが耳に聞こえるところから聲(声)という字が生まれました。 そのような意味がある「声」が日本では「こゑ」と訓じられ、こゑにも「物の発するひびき」・「物の音」という意味が派生的に生まれました。 「鐘の声」という表現は、日本と大陸の言語文化が融合した表現ともいえるでしょうね。 参照 『古語辞典』項目「こゑ」(岩波書店) 『大漢語林』項目「声・聲」(大修舘書店)
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- yuhkoh
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ケイが文字化けしました。 「声殳」という組み合わせです
- syuuthu1
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擬人法ですね。ものを人にたとえる際に使います。そのほうが親しみ易いですし情景も想像しやすいですよね。
お礼
冒頭からの擬人化表現で、引き込まれそうになりますね。 ありがとうございます。
- ringouri
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「聲」(声の旧字・正字)は、人間の話す「こえ」だけを意味するものではなく、「耳で聞く音」を意味します。「物の音で、人間に何かを感じさせるもの」(新明解国語辞典)も「声」です。 別に、鐘の擬人化と考える必要はありません。
お礼
旧字体のほうが、意味を表しているのですね。 参考になります。 ありがとうございます。
- Samantabha
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「鐘の声」は、仏典などには多く見られる表現です。 その場合、人間や動物の声とは全く関係がなく、単に「音」という意味です。 『広辞苑』には、「声」の意味として、 こえ【声】 1.人や動物が発声器官から出す音。音声。 (2.は略) 3.物の振動から発する音。ひびき。「鐘の―」「白波の―」 (以下略) とあり、「鐘の声」の「声」は、この3.の意味に当たります。 漢和辞典を引いていただいても、「声」には 「おと」「ひびき」という意味があると思います。
お礼
漢和辞典見てみました。 確かに解説されていました。 ありがとうございました。
- luune21
- ベストアンサー率45% (747/1633)
夜半鐘声到客船 声の本来の字は、声+殳(るまた=役の右側部分)+耳です。 声+殳の部分は、ケイという楽器を打ち鳴らすという意味。そこから+耳で耳に入る音が声なのです。 耳に入る音、つまり、人の声、動物の鳴き声、物音、音楽における音などすべての「音」が「声」だというわけです。
お礼
なるほど。古語辞典をみても解らなかったのですが・・・・。 漢字の意味からの意味で考えればいいのですね。 分かりやすいご説明ありがとうございます。
- BakaBombbb
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鐘を人にたとえているからです。
お礼
冒頭からの擬人化表現で、引き込まれそうになりますね。 ありがとうございます。
お礼
詳細にご教示いただきありがとうございました。 おかげさまでよくわかりました。 こえ では無く、「こゑ」だったのですね。