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量子統計
量子統計では状態数を求めるとき、プランク定数の自由度乗したもので割ります。これは不確定性原理から最低不確定状態の揺らぎの積がプランク定数のオーダーだと説明されていますが、それなら別にプランク定数の定数倍ならなんでも満たすので一意性がありません。これはどういうことなのでしょうか。 本質的に量子状態の状態数は定められないということなのですか。解説お願いします。
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moumougooさんの補足になりますが、 この不定の定数は本質的な要素にはなりません。 状態数が W(E) = X(E)/(ah)^N となっていたとしましょう。 このとき常にa=1となっているのか?というのが問いでした。 ここからエントロピーを求めると S(E)/kB = ln W(E) = ln X(E) - N ln a - N ln h となります。 つまりエントロピーの値自体はaに依存しますが、平均温度は T = (∂S(E)/∂E)^{-1} = X(E)/(kB X'(E)) とX(E)だけに依存します。 物理量にはエントロピーの絶対的な値ではなく、相対的な差だけで決まると言うわけです。その意味でaは本質的ではありません。
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- nomercy
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>熱力学第3法則からaの値は決まらないのでしょうか 確かに第三法則から決まるような気もします。 ただし、 1.ミクロカノニカルなので温度が揺らいでいるという状況から 「絶対零度でエントロピーが零」 という条件をどのように課すか。 2.純粋に古典論だけ用いて、h^N(プランク定数)という量子論を特徴付ける定数が出てくるのか? 3.そもそも第三法則は絶対的か? という疑問もあります。
お礼
解説ありがとうございます。第3法則から一意に決まりそうな気がしますが、 この場合は条件(1)が特に難しそうですね。物理学的には系の状態数が一意に定まらないのは何か不思議な感じがします。
- moumougoo
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統計力学(ミクロカノニカル)では(エルゴード仮説から)全状態分の1の確率である状態が実現されると考えます。 量子力学では状態数を適当な境界条件を仮定して全て量子化して数を数えればよいわけです。 一方、古典力学では状態数という概念がでてきません。最小単位(位相空間中の体積)を考えてその中にある確率なら議論ができます。そこでその最小単位をΔpΔq=hとしているということではないでしょうか? 以上のような感じで本題にもどりますが、量子統計というときは、量子数とカウントするかと思いますが物理量(エネルギーや運動量)にhが含まれていて、量子数だけをだしたいのでhで割ったりするだけで、本質は状態数を数えるということかと思いますがいかがでしょうか?
お礼
解答ありがとうございます。ミクロカノニカル分布では状態数が一意に定まらず、量子統計では定まる。そしてミクロカノニカル分布ではその最小単位を量子統計と一致するように仮定した、ということですね。
- nomercy
- ベストアンサー率66% (12/18)
不定の定数を決める一つの方法として、量子論において古典極限(h→0)をとったときに古典論の結果に一致するように選ぶというものが考えられます。 適当な簡単な模型(自由粒子系とか調和振動子とか)でこれを実行すればh^Nという定数が出てくると思います。 この定数が模型に依存しない定数だと考えればこれで話が済みます。
お礼
解答ありがとうございます。確かに調和震動子では一致します。ではそれ以外の全ての系についてh→0の極限で量子論と古典論が一致することが証明されているのですか?
- nomercy
- ベストアンサー率66% (12/18)
よく質問を把握できないんですが、 何を プランク定数を自由度乗したもので割ったもの が状態数になる と言っているのでしょうか? つまり一次元N粒子系でエネルギーEの状態数をW(E)としたとき W(E) = X/h^N のXは何ですか?
補足
すみません、量子統計ではなくてミクロカロニカル分布においてです。量子統計は単純に離散化されたのを足し上げますよね。ミクロカロニカル分布でE-Hの階段関数を状態を表すパラメータで積分したものがXに相当します。
お礼
解答ありがとうございます。ということは、ミクロカノニカル分布ではエントロピーaに依存するのですね。この場合たしかにマクロな物理量はaの値に依存しませんね。この場合熱力学第3法則からaの値は決まらないのでしょうか。