- 締切済み
開放端電圧の低下原因
現在、水素と酸素を反応させて電気を取り出す燃料電池に関しての勉強をしています。 しかし、様々な文献を読み漁ったにも関わらずイマイチ理解ができていません。 燃料電池は理論的に最大1.23Vの電圧まで取り出すことが可能なようです。 しかし実際にはこれだけの電圧を取り出すことができず、0.9V~1.0V程度の電圧が示されます。 このとき流れる電流は0Aとなるように調整されています。 いわゆる開放端電圧というものです。 電流が流れているならば各種抵抗によってRIの電圧降下が表れることは理解しています。 また、電流が大きくなるにつれて濃度や活性化エネルギーに由来する過電圧が発生することもなんとなく理解しました。 しかし、電流がゼロのとき電圧が理論値と比較してこれほど低下する原因がわかりません。 お分かりになる方がいらっしゃったら、ご教授お願いします。
- みんなの回答 (3)
- 専門家の回答
みんなの回答
- inara
- ベストアンサー率72% (293/404)
>開放端は電流が流れないというのは私の誤解でしょうか。 電池の外には確かに電流は流れません。でも、電池内部に回路ができていて、そこで電流が消費されてしまうのです。 >電圧が生じているのに電流が0[A]ってことはないですよね。 ありますよ。電流負荷装置というのは、電流がある値になるように、そこで発生させる電圧を調整するもの(定電流源)です。したがって、電流負荷装置の設定電流をゼロにすれば、乾電池の開放端電圧と同じ電圧電圧となるように出力電圧を調整するので電流は流れません(電圧差がなければ電流は流れない)。 その電流負荷装置に何もつなげないで実験すれば分かりますが、電流ゼロの設定でも、ある電圧(リミット電圧)が発生しているはずです。電流がゼロなのに電圧が発生するのはおかしくないです。普通の乾電池も何もつないでなければ、電圧は発生しても電流は流れません。
- inara
- ベストアンサー率72% (293/404)
燃料電池のことは詳しくないですが、以下のような等価回路になっているのなら、開放端でも電圧降下は起きます。 i1 → V1 i2 → ┌─ R1 ─┬─ R2 ── V2 V0 │ │ ━━━ R3 ↓ i1 - i2 0V ■■ │ └─ R1 ─┴─ R2 ── V3 ← i1 V4 ← i2 V0 を燃料電池の起電力、R1とR2は内部抵抗、R3を自己放電抵抗とすれば、各部の電流は i1 = ( V0 - V1 )/R1 = V4/R1 i2 = ( V1 - V2 )/R2 = ( V3 - V4 )/R2 i1 - i2 = ( V1 - V4 )/R3 となります。 開放端の場合( i2 = 0 )、 V2 - V3 = R3/( 2*R1 + R3 )*V0 出力短絡の場合( V2 = V3 )、i2 = V0/{ 2*R1 + 1/( 1/R3 + 2/R2 ) } ですから、開放端電圧をVopen、短絡電流を ishort とすれば R1/R3 = ( V0 - Vopen )/(2*Vopen) --- [1] R2 = Vopen/(2*ishort) - R3*( V0 - Vopen )/(2*V0) --- [2] となります。 R1~R3の絶対値は開放端電圧と短絡電流からは分かりませんが、自己放電によって開放端電圧が下がってくるのを観測すれば絶対値が分かります。 例えば、開放端電圧が時間変化するとして V(t) とおけば、R3 に流れる電流は i = V(t)/R3 ですが、この電流は R1 にも流れるので、燃料電池全体が消費する電力 [W] は P(t) = i^2*(2*R2 + R3) = V(t)^2*( 2*R2 + R3 )/R3^2 。電力の時間積分はエネルギーなので、燃料電池がもともともっている持つエネルギーを E [J] とすれば、E = ∫[t=0→放電時間] V(t)^2*( 2*R2 + R3 )/R3^2 dt =( 2*R2 + R3 )/R3^2∫[t=0→放電時間] V(t)^2 dt ですので、これからR2とR3の関係が出ます。この結果と式[1] [2] から、R1~R3の絶対値が求められると思います。電圧の単位は[V]、電流の単位は[A]、抵抗の単位は[Ω]、時間の単位は[sec」として計算してください。
補足
回答ありがとうございます。 残念ながら長時間のデータを取ることができなかったので、内部抵抗がどの程度になるかを割り出すことができません。お手数をおかけして申し訳ないです。 確かに電池がもつ内部抵抗は原因の一つになると思います。 開放端は電流が流れないというのは私の誤解でしょうか。 本をよく読むと開放端は電流負荷装置に繋がっていて、「負荷電流」が0[A]ということになっています。 電圧が生じているのに電流が0[A]ってことはないですよね。
- skybluez
- ベストアンサー率20% (90/441)
エネルギー保存の法則があります。 理論的にはそうであっても化学反応によるエネルギーが100%電気エネルギーに変わるわけではないからです。 必ず損失が伴い(熱の放出)、仮に100%変換利用出来るとすれば永久機関が可能になり、昔の人が考えた貯水槽から落下した水で水車を回し、その動力で水を貯水槽へ汲み上げれば永久に動くといったことになってしまいます。 当然ここには重力や摩擦によるエネルギー損失があり不可能ですが・・・ 物質は変化すると必ず熱が発生して外部に放出されます。
お礼
回答ありがとうございます。 化学反応の過程で熱が発生するということですね。 基本的な部分を考えていなかったようです。 化学は苦手な分野なので助かりました。
お礼
回答ありがとうございます。 なるほど。かなり納得できました。 装置の仕組みを全く理解できておらず反省しています。 高校物理では回路図の電源の隣に内部抵抗rIうにょうにょとつけ加えるだけだったので、電池内部に別の回路ができているなんて考えもしませんでした。だから使用していない乾電池でも時間が経てば消耗してしまうのですね。