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敬語の使い方
「○○させていただく」という言葉遣いを良く耳にします。 これは、敬語の使用例として正しいですか?
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- COZY_OKWEB
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「させていただく」は文法的には立派な謙譲語です。 ただし、その使い方ですが、自分の行為が他人に負担をかけてしまうような場合に使うべきものです。 したがって、そんなに使えるケースは多くありません。 以下にいくつか例を挙げてみます。 ・今日は会社を休ませていただきます →自分が休むことで誰かに負担がかかってしまう可能性があるので、この使い方は○。 ・私がこの仕事を担当させていただきます →「私」が担当するすることで誰かに負担をかけるわけではないので、この使い方は×。 「私がこの仕事を担当いたします」で、十分に敬意も表現できています。 ただ、「私」が新人で、それを相手も知っていて、しかも同じ社内であるという状況であれば、こういう使い方も許されると思います。 ・協力させていただきます →協力することで相手に負担をかけるのなら、そういう人は協力してはいけないわけで、こういう使い方は×。 そもそも「協力いたします」で十分です。 なお、これは上記の使い方の習得するための1つの参考資料として読んでいただきたいのですが、司馬遼太郎さんの『街道をゆく』によれば「させていただく」という言葉は浄土真宗の教義上から出たもので、何事も阿弥陀如来によって生かしていただいているという、絶対他力の観念が基本になっているそうです。 早い話、「させていただく」という表現は、他力本願思想の表れだということになりますね。 実生活においては「させていただく」を一切使わない位でちょうど良いのではないかと思います。
- Ishiwara
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正しい敬語ですが、多用は禁物。連発されると、事務的な感じになります。言葉は生きものですね。
- kyouzaiya-k
- ベストアンサー率66% (199/301)
次は、以前、ご回答申し上げたものです。余分なところもありますが、ご質問に関係したところもあるので貼っておきます。御参考になれば幸いです。 以下、>>~●●は、先日(二月二日)に文化審議会から答申された「敬語の指針」からの引用です(多少、改行しました。)。文化庁HPからのコピーです。全文は参考URLでご覧ください。 「敬語の指針」では、二重敬語について、次のように定義しています。 >>「二重敬語」とその適否 一つの語について,同じ種類の敬語を二重に使ったものを「二重敬語」という。 例えば,「お読みになられる」は,「読む」を「お読みになる」と尊敬語にした上で,更に尊敬語の「……れる」を加えたもので,二重敬語である。 「二重敬語」は,一般に適切ではないとされている。ただし,語によっては,習慣として定着しているものもある。 【習慣として定着している二重敬語の例】 ・(尊敬語) お召し上がりになる,お見えになる ・(謙譲語I)お伺いする,お伺いいたす,お伺い申し上げる●● 要するに、普通の言い方(敬語にする前の言い方)に直した(戻した)とき、一つの語になるものは二重敬語、ということです。上の例でいえば、「読む」という一語に「お~になる」と「れる」という二つの尊敬語が用いられている(=「お読みになられる」は「聞く」一語に還元される)ので、二重敬語なのです。(「~ますです。」は、丁寧語の二重敬語ですが、さすがにこれを使う人はいない(少ない)でしょう。) それに対し、「ご案内させていただき(ます)」は、「案内させて」「もらう」の二語からなっており、それぞれが「案内させて→ご案内させて」「もらう→いただく」というように、謙譲語になっています。また「いたしております」は、「して」と「いる」の謙譲語化ですね。これらは二重敬語ではありません。 多くの一般の方は、その辺りを全く理解なさっていないのですが、質問者の方は、基本的なところをしっかりおさえていらっしゃいます。 さて、先を急ぎましょう。このような使い方を、「敬語の指針」では「敬語連結」と呼んでいます。以下をどうぞ。 >>「敬語連結」とその適否 二つ(以上)の語をそれぞれ敬語にして,接続助詞「て」でつなげたものは,上で言う「二重敬語」ではない。このようなものを,ここでは「敬語連結」と呼ぶことにする。 例えば,「お読みになっていらっしゃる」は,「読んでいる」の「読む」を「お読みになる」に,「いる」を「いらっしゃる」にしてつなげたものである。つまり,「読む」「いる」という二つの語をそれぞれ別々に敬語(この場合は尊敬語)にしてつなげたものなので,「二重敬語」には当たらず,「敬語連結」に当たる。 「敬語連結」は,多少の冗長感が生じる場合もあるが,個々の敬語の使い方が適切であり,かつ敬語同士の結び付きに意味的な不合理がない限りは,基本的に許容されるものである。 【許容される敬語連結の例】 ・お読みになっていらっしゃる (上述。「読んでいる」の「読む」「いる」をそれぞれ別々に尊敬語にしたもの。) ・お読みになってくださる (「読んでくれる」の「読む」「くれる」をそれぞれ別々に尊敬語にしたもの。) ・お読みになっていただく (「読んでもらう」の「読む」を尊敬語に,「もらう」を謙譲語Iにしたもの。尊敬語と謙譲語Iの連結であるが,立てる対象が一致しているので,意味的に不合理はなく,許容される。)●● また、「敬語の指針」では、「させていただく」について、次のように述べています。つまり、専門家は、「させていただく」 >>】「させていただく」を余り使わない方が良いと聞いたが,実際には,見聞きすることが多い。また,自分でも「それでは,発表させていただきます。」などと言ってしまうが,どう考えれば良いのだろうか。 【解説1】「(お・ご)……(さ)せていただく」といった敬語の形式は,基本的には,自分側が行うことを, ア)相手側又は第三者の許可を受けて行い, イ)そのことで恩恵を受ける という事実や気持ちのある場合に使われる。したがって,ア),イ)の条件をどの程度満たすかによって,「発表させていただく」など,「…(さ)せていただく」を用いた表現には,適切な場合と,余り適切だとは言えない場合とがある。 【解説2】次の(1)~(5)の例では,適切だと感じられる程度(許容度)が異なる。 (1)相手が所有している本をコピーするため,許可を求めるときの表現 「コピーを取らせていただけますか。」 (2)研究発表会などにおける冒頭の表現 「それでは,発表させていただきます。」 (3)店の休業を張り紙などで告知するときの表現 「本日,休業させていただきます。」 (4)結婚式における祝辞の表現 「私は,新郎と3年間同じクラスで勉強させていただいた者です。」 (5)自己紹介の表現 「私は,○○高校を卒業させていただきました。」 上記の例(1)の場合は,ア),イ)の条件を満たしていると考えられるため,基本的な用法に合致していると判断できる。(2)の例も同様だが,ア)の条件がない場合には,やや冗長な言い方になるため,「発表いたします。」の方が簡潔に感じられるようである。(3)の例は,条件を満たしていると判断すれば適切だが,(2)と同様に,ア)の条件がない場合には「休業いたします。」の方が良いと言えるだろう。(4)の例は,ア)とイ)の両方の条件を満たしていないと感じる場合には,不適切だと判断される。(5)の例も,同様である。ただし,(4)については,結婚式が新郎や新婦を最大限に立てるべき場面であることを考え合わせれば許容されるという考え方もあり得る。(5)については,「私は,卒業するのが困難だったところ,先生方の格別な御配慮によって何とか卒業させていただきました。ありがとうございました。」などという文脈であれば,必ずしも不適切だとは言えなくなる。 なお,ア),イ)の条件を実際には満たしていなくても,満たしているかのように見立てて使う用法があり,それが「…(さ)せていただく」の使用域を広げている。上記の(2)~(5)についても,このような用法の具体例としてとらえることもできる。その見立てをどの程度自然なものとして受け入れるかということが,その個人にとっての「…(さ)せていただく」に対する「許容度」を決めているのだと考えられる。●● 以上を踏まえて、何かございましたらまたご質問ください。 「ご案内する」のような「ご(お)~する」という形が謙譲語の一般形であることはご説明の必要はありませんよね。もし、疑問点がおありでしたら、下記URLにも詳しい説明が載っています。
お礼
kyouzaiya-k さま 精密かつ分かりやすい回答を頂戴し、 二重敬語・敬語連結の違いが良く分かりました。 そして、許容される連結敬語の具体例や解説1・2の判断根拠等 大いに役立ちました。 言葉の専門家でいらっしゃるのでしょうか? 又、何かありましたらご教示の程よろしくお願い申し上げます。 どうもありがとうございました。
- dainipponn
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ただしいのですが,「(あんたのために)させていただく」というふうに,多少押しつけがましい言い方だと感ずる人もいるようですから注意すべきでしょうね。
お礼
dainipponn さま 分かりました注意致します。どうも有り難うございました。
- ANASTASIAK
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oshiete1.goo.ne.jp/qa2760200.html blog.livedoor.jp/kanzawa69/archives/50828991.html
お礼
ishiwara様 早速のご回答ありがとうございました。 「言葉は生きもの」というご指摘、本当にそうだと思います。