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~してやる、という言葉遣い
先日後輩からのメールで、「資料を作りましたので見てやってください」とありました。私は違和感があったのですが、よくよく考えると「見てあげてください」、ではないので正しいのかな、とも思います。 しかしそもそも、「作成した資料を見てください」、でいいところではないかとも思うのです。 ・見てやる、見る ・食べてやる、食べる ・面倒見てやる、面倒見る ・してやる、する なんとなく、「やる」という言葉に高慢な響きがあるので、へりくだるにしてもおかしい気がするのですが、言葉遣い上どうなんでしょうか?
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「やって」は、使い間違い。これは第三者のためにしてください、という意味です。 「ください」が失礼かどうかは、お二人の関係(距離感・親密度)によります。敬語という観点からは落第です。
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- kyouzaiya-k
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あなたの後輩は、あながち間違った言い方をしたとは思いません。 次は、以前、「やる」と「あげる」について執筆した文章に加筆、訂正したものです。参考になさってください。 本来、他者に「物事を与える」という意味の動詞は「やる」が一般形でした。 それに対し「あげる」は、「差し上げる」と同様謙譲語1(※注)の働きをする語で、与える相手に対する敬意を表しました。 しかし、最近謙譲語1としての働きが薄れ、美化語(物事をきれいに表現する語)として用いられるようになってきました。 ※注「謙譲語1」・・・下記の文化審議会答申「敬語の指針」で、従来の謙譲語は次の1・2に分けられました。また、以下に出てくる「美化語」も、「敬語の指針」によって丁寧語から分離独立させられた敬語の種類です。詳しくは下記URL内の14~19,26~29ページをご覧ください。 ●謙譲語1・・・動作が相手に及び、その対象に当たる人物を立てる謙譲語。 例「先生にお話しする。」・・「お話しする」は、話す対象である「先生」を立てる(敬う)謙譲語。 ●謙譲語2・・・話の相手を立てる敬語。 例「先生に話を申しました。」・・「申し」は、その場の会話の相手に対する配慮を表した謙譲語。 「先生」に対する敬意を「申し」(というより、この文全体)は表していない。 本来の用法からすれば、「息子にせびられ、小遣いをあげた。」「ペットにえさをあげた。」という言い方は間違いです。「息子」は身内の人物であり、ペットはそもそも敬語の対象としてはそぐわない、というのが敬語使用の基本原則ですから。 しかし現在では、「あげる」は以上のような言い方もされるようになってきており、前にも述べたように美化語として通用するようになってきています。(動植物に対して用いることには抵抗のある人も少なくありませんが。) 同じようなことは、「うまい」と「おいしい」、「食う」と「食べる」に関しても言えます。 本来、一般的な語は「うまい」「食う」で、「おいしい」は女房言葉、「食べる」は謙譲語でしたが、今では「おいしい」「食べる」が普通の語、「うまい」「食う」が卑俗な語というイメージでとらえられています。 私は仕事で長年国語関係の文章を書いてきました(参考書・問題集・模擬テスト・文法書など)が、書き言葉では仕事上、美化語の「あげる」を使わず、専ら「やる」を使ってきました(もちろん謙譲語の「あげる」は使います)。 今後、この二つの言葉の使い方はどんどん変わっていくことでしょう。ただ、本来は「やる」が基本で「あげる」はその謙譲語だった、ということは覚えておいてもいいと思います。 つまり、後輩は、「あなたが後輩(当人)のためにする」行為を「やる」と表現したわけで、正しい用法です。これを「~してあげて」とると、あなたが後輩に対して謙譲の意を表すことになり、完全な間違いです。ただ、上にも述べたように、今では「やる」を卑俗な言い方ととらえる傾向が強くなってきている(高慢な響きがあるとは思えませんが)ので、ほかの回答者の方も仰るように、「御覧いただけますか」「ご覧くださいますか」を使った方がいいのは確かです。 先日(2月2日)国(文化庁)から発表された、数十年ぶりに敬語に関する公的な規範・見解を まとめた文書「敬語の指針」答申(文化審議会国語分科会敬語部会)を下に貼っておきます。 その8~9ページに、上で私が述べたことがまとめられています。参考になさってください。 http://www.bunka.go.jp/1kokugo/pdf/keigo_tousin.pdf
お礼
回答ありがとうございます。 痒いところに手が届いた、というか、「やる」という言葉に高慢な響き、という疑問への回答として非常にわかりやすい回答でありがとうございます。 TV番組の誰かの発言で、『「やる」は、「殺る」とか「強姦する」的な使い方をするので、本来低俗で下品な言葉だ』というのがありましたが、それはなんだか言葉狩り的な論理なんだな、と今気付きました。
- higuchiba
- ベストアンサー率28% (55/194)
「見てください」=「見て欲しい」というニュアンスならば、 「ご覧下さい」が正しいでしょう。 「見てあげてください」では、別の第三者の面倒を「見てください」と いったニュアンスになり、意味が変わってしまいます。 「見てやってください」と表現した後輩の方は、 「恐縮ですが見ることに時間を割いてもらえればありがたい」という ニュアンスを伝えたかったのだと思います。 「見てやる」というのは、先輩である質問者様の行為ですよね。 目上の者が目下の者に「~してやる」、ということを後輩は表現したのですから明らかにヘリクダッっており、資料をみる側への配慮がうかがえます。
お礼
回答ありがとうございます。 表現手法は様々ですから、私なんかはあまり使わない、特に書き言葉としてはめったに使わない用法でしたから違和感が大きかったです。 確かに、自分でしたら「ご一読ください」とか、「ご覧いただけますでしょうか」ですね。身内では逆によそよそしすぎるかもしれませんけど。 でも、業者との取引に「見てやってください」はなんとなくNGだと思います。口頭で、「この資料の方も、みちゃってください(=見てやって)」などはセーフかと。
- pottakun
- ベストアンサー率9% (3/31)
あなたの立場に立つと「後輩の資料をみてやる」ですよね。 もちろん「作成した資料を見てください」でもOKなんですが、あなたの後輩はあなたの立場に立ってあなたに話しかける。 つまりその後輩に対する答えとしては「じゃあ、あなたの資料をみてやります」という風な感じですかね。 決して傲慢な態度からそういう言葉づかいが出てきたのではないと思いますよ。
お礼
回答ありがとうございます。 「見てやってください」に対して、「見てやりました」と返事しようとして、ああ、「拝見しました」と書き直しました。 なんか、東京言葉にカチンと来る大阪人、見たいな雰囲気ですが。 後輩が無礼でも無知でもないことは十分承知しております。私も非常に勉強になりました。
- pack1129
- ベストアンサー率29% (26/87)
altosax2001はじめまして。 「~してやってください。」ですか。 敬語として間違ってるのは確かですが・・・。 多分入れるとすれば謙譲語の部類に入ると思うですけどねー。 「うちの息子を叱ってやってください」 「勉強を教えてやってください」 第3者に対しては上から目線だけど、相手に対しては尊敬語ってことですかね? 本来は第3者が必要な言い回しなんですよね、多分。 それを自分に対して使ってるって感じでしょうか。 “自分に対して高慢”ってことで、大丈夫なんじゃないでしょうか? すいません、よく分からない回答で・・・
お礼
回答ありがとうございます。 皆様が回答されているように謙譲語のようですが、最近謙譲語に触れる機会がないもので、ものすごく違和感を感じました。でも、自分でも使っているときがある事に気付き、要は、謙譲語で語られる間柄にあるかどうか、ということも重要な気がします。 正直言って、その後輩から謙譲語が出るとは思いもしなかったという気持ちなのです。
- debukuro
- ベストアンサー率19% (3634/18947)
謙譲語としてよく使われています 面倒を見てやってください 助けたってえな(お助けください)
お礼
回答ありがとうございます。 そうですね、「これつこうちゃってください(=つかってやって)」とかですね。方言レベルでは普通にしゃべってましたわ。 納得。
- junkoyokkon
- ベストアンサー率43% (370/856)
私もおかしい気がします。「作成した資料を見てください」で十分です。 例えば、後輩さんの「そのまた後輩」さんなど後輩さんより目下の者に資料を作ってもらったとして、質問者様に「(そのまた後輩に)資料を作らせましたので見てやってください」なんていうのはアリかなと思ったのですが、そういう仲立ちがないのなら後輩さん自身が作った資料でへりくだっているつもりならへりくだり方がおかしいと思います。
お礼
回答ありがとうございます。 私も、直感的にはへりくだりすぎ、と思ったのですが、見てください、に比べて「見てやってください」の方が念押しで丁寧かな、とも思えてきます。 よろしくお願いします。 < 何卒ひとつ、よろしくお願いします。 みたいな感じですかねえ。 やはり、最近敬語とかが簡略化しているようなので、謙譲語でも過剰な謙譲に聞こえる状況もあるのかな、と思いました。
- rinring
- ベストアンサー率18% (822/4396)
見てやってくださいとなると、自分が作ったものというより、誰か他の人(例えば自分より下の人間)が作ったものを見て欲しいというような感じに取ります。
お礼
回答ありがとうございます。 確かに、言われてみると私が感じた違和感は、動詞の連続により、見るのとやるの対象が、別になったりすることの迷い、なのかも知れません。
- ANASTASIAK
- ベストアンサー率19% (658/3306)
>なんとなく、「やる」という言葉に高慢な響きがあるので 自分からいうとそうです。 しかし、「~してください」と置換できる依頼の表現では、 かなり気を遣った言い回しかと。 意味としては「こんな者の作った資料ですが、お時間とご都合が よければ、見てやってください」ということですね。 あなたに高慢なものの言い方をさせることで、逆に自分をおとし めて謙譲の意味に使っているわけです。
お礼
回答ありがとうございます。 なるほど、やれ=見ろ、という意味ではないですね。 自分もお客さんとかに「使ってやってください」とか言う事がありますから。でも、「あれ、使ってみてください、かな?」とか、迷ったりします。 謙譲語であるという認識はできました。ありがとうございました。
お礼
回答ありがとうございます。 ANo.9さんだけお礼を遅らせましたが、この回答が一番ズバッと的を得たような気がして、しばらく後にもう一度見てみようと思ったからです。 やはり、「してやって」は第三者向けの言葉遣いのようですね。そして、「手伝ってやる」とか「食べてやる」といった上のものが下のものに話す言葉としてはありと思いますが、下のものが上のものに、自分に対して「してやってください」は、やはり違和感があり、話し言葉としては許容されるものの、書き言葉としてはそぐわないような気がします。 でも「手伝ってやる」とか「食べてやる」といった言葉遣いは親などから「手伝おうか」「食べようか」という言葉遣いで教えられたような気がしますので、口語でもやはり使わないですむなら使わないほうがいいのかもしれません。 ~してやって、も、「面倒見てやって」が変化し、「物を使ってやって」「書類を見てやって」などと使われていったのかもしれません。「このお店、使ってやって」「今度の個展、見てやって」はおかしくないような気がします。 最後に持論で締めてすみませんが、結局のところ、敬語など言葉遣いがしっくり行くかどうかは、二人の関係、間柄が大きく影響すると思います。親子でも敬語があるところないところありますし。 ポイントは甲乙付けがたいのですが、独断と偏見で決めさせてもらいました。どうも皆様御回答ありがとうございました。