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透明導電膜について

ITOなどの透明導電膜について質問なのですが、 一般的に透明というのは絶縁体であるということが参考書でかかれていたのですが、透明導電膜に関しては透明でかつ導電性をもっていることの理由がいまいち分かりません。 知っている方がいましたら、ぜひ教えてください。

質問者が選んだベストアンサー

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  • leo-ultra
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回答No.3

「金属」の定義にもよりますが、 ITOは#1さんのおっしゃってる「金属」よりも どちらかといえば#2さんのおっしゃる意味での 「半導体」に近いと思います。 たぶん#2さんの回答でほぼ正解だと思いますが、 それだとITOじゃなくてIO(In2O3)でもOKとなってしまいます。T(錫)がドーピングされていることも 重要だと思います。 つまり、「高濃度ドープされたワイドギャップ半導体」であることが本質では? まず「透明⇒絶縁体」の意味は、可視光域で透明という ことはバンドギャップが3eV以上のワイドギャップ半導体か絶縁体ということです。 この場合、真性の半導体ならば、電気を伝えるキャリアの量はとても少数です。 T(錫)が多量にドープされているので、これが伝導帯の中に金属的な電子を作っており、これが金属的な電気伝導を担うわけです。 さらにTの濃度が高すぎないために、キャリヤによる光吸収が赤外域にとどまるため、透明を維持できるわけです。

dutchdog
質問者

お礼

<透明⇒絶縁体」の意味は、可視光域で透明という <ことはバンドギャップが3eV以上のワイドギャップ半導体か絶縁体というこ<とです。 この箇所が非常に分かりやすかったです。 ありがとうございました。

その他の回答 (4)

  • astra0641
  • ベストアンサー率64% (34/53)
回答No.5

金属伝導のもとになっているのは自由電子です。自由電子があると、外部からの電磁波に対して自由電子が集団で応答して、その結果として金属に特有の光沢が生じ、光は反射され不透明になります。ところがが、プラズマ周波数と呼ばれる特定の振動数(波長)より大きな振動数(短波長)の光に対しては、自由電子は応答できずに、その結果、金属も光沢を失って光を透過するようになります。 通常の金属ではプラズマ周波数は紫外領域の深いところにありますので、可視領域では光沢を持ち、不透明です。ただ、アルカリ金属は紫外の浅いところにあるので、紫外のある波長より短波の光は透過することが知られています。 さて、ITOですが、この物質が透明であるのには2つの理由があります。1番目は今までの方が述べられているように、自由電子の応答以外の吸収が可視域に無いことです。そして、今までの方が述べられていませんが、2番目の条件はプラズマ周波数が赤外の領域にあるように、自由電子の数を調整していることです。ですから、ITOも赤外のある波長より長波長では反射率が高くなり、もはや透明では無くなります。ちなみに、この現象を利用したものに、自動車の窓などで使われている熱線反射ガラスがあります。 プラズマ周波数は自由に動ける電荷があれば成立する話ですので、地球を取り巻く電離層にも適用できます。通常の中波のラジオが放送局を直視でいない山間部でも聞こえるのは電離層で反射して戻ってくるからで、それより短波長のTVの電波は電離層では反射しないので、放送局のアンテナを直視できないような山間部では放送を受信できなくなります。

dutchdog
質問者

お礼

勉強になりました。ご回答ありがとうございますした。

  • c80s3xxx
  • ベストアンサー率49% (1634/3294)
回答No.4

大枠はもう出ているのであれですけど. In2O3 も SnO2 も,可視ではほぼ透明です.その程度にはどちらもバンドギャップは広い.実際,SnO2 は太陽電池用の透明電極に使われています (ITO に比べて加工性が低いが,高温処理しても特性の劣化が少ないので,使い分けられる). 電気伝導性を十分に得るには,いずれも何かしらのドーピングは必要です. SnO2 は Fドープが主流ですが,Sb ドープや酸素空孔ドーピングという手もあります.In2O3 も酸素空孔ドープしても透明導電膜になります.ただ,それはどの程度の電導性=キャリア密度を求めるか,という条件との相談にはなるわけで,現実的には In2O3 に対しては Sn を,SnO2 に対しては Fをドープするのが,まあ妥当な性能が得られるということになるのでしょう. で,In2O3 や SnO2 が導電性を示せるのは,そもそも伝導帯のバンド構造的に移動度が大きくなるようなものだから,というのも重要です.だからこそ高濃度キャリアが有効に効くのです.

dutchdog
質問者

お礼

<In2O3 や SnO2 が導電性を示せるのは,そもそも伝導帯のバンド構造的に移動度が大きくなるようなものだから この点が少し納得できないですが、ご回答ありがとうございます。

noname#204885
noname#204885
回答No.2

「透明=絶縁性が高い」と言う考え方は基本的には正しいです。 結局間を取って半導体(そこそこ透明でそこそこ導電性もある)が使われるわけですが、ITOのようなワイドギャップ半導体は吸光域が紫外光側にシフトしてますので、可視光域は比較的透明度が高いため良く用いられます。 それ以外にマクロ構造的な部分もあり、ITOの粒径を大きくすると粒と粒の接触率が高まり導電性は高まりますが、今度は散乱損失が発生してきます。いかに小さな粒径で効率よく接触率を上げて導電性を高めるかがITOを使った透明導電膜の性能を決めるポイントとなります。将来的にはナノ粒子を用いた網目構造的な構造体(鉄網が埋め込まれた窓ガラスのナノ版みたいなものです)ができれば飛躍的に性能が高まっていくと思います。

dutchdog
質問者

お礼

<ITOの粒径を大きくすると粒と粒の接触率が高まり導電性は高まりますが、今度は散乱損失が発生してきます。いかに小さな粒径で効率よく接触率を上げて導電性を高めるかがITOを使った透明導電膜の性能を決めるポイントとなります。 この点は非常に参考になりました。 ご回答ありがとうございました。

noname#160321
noname#160321
回答No.1

どんな金属も非常に薄くすれば光を通しますので、参考書の記述は「マス」ベースの話だと考えて下さい。 ご存知のように現在酸化インジウムが透明電極として使われていますが、これからも良い電極材料が開発されてくると思います。

dutchdog
質問者

お礼

ご回答ありがとうございました。m(_ _)m

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