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フェルミ準位について
禁制帯とは、電子が存在しない範囲と習ったのですが、、、 フェルミ準位は、禁制帯中に存在しかつ電子の存在確立が二分の一であるとも習いました。 これは矛盾しているように感じるのですが。 なので、どなたかなぜ禁制帯中にフェルミ準位があるのか教えていただけませんか? よろしくお願いします!
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結論から申し上げると矛盾はありません。 kuniuniさんも説明されているように、「状態密度」と「分布関数」は別のものだからです。おそらくtttkkkさんはこの両者の区別がよくついていない段階で「存在確率が1/2」と教わったために混乱されているのだと思います。「存在確率1/2」はこの「分布関数」に関してのお話です。 状態密度とは「そのエネルギーで、電子が取りうる状態がどのくらいあるか」を示す関数(エネルギーEについての関数)です。実際にその状態をどの程度電子が占めているかには関係しません。 分布関数は「そのエネルギーで、電子が占める状態の割合はどれくらいか」を示す関数(エネルギーEについての関数)です。実際にそのエネルギーに許される準位があるかどうかには関係しません。 これは下の図で考えると良いと思います。 (A)用意されている状態の数 (状態密度関数Z(E)) □□ □ □□□□ □□ □□□□ □□ □□□□□□ □□□ □□□□□□□□□□ ↑ →エネルギー (B)占有確率 (分布関数f(E)) ***** 1 ****** ******* ******** ********** 0 ↑ →エネルギー (C)実際に電子が占める状態の数 (Z(E)×f(E)) ■ ■ ■■ ■■ ■■ ■■ ■■■ ■■■ ■■■■■■■■ ↑ →エネルギー 最終的に電子が占めている状態の数は、各エネルギー準位ごとに(B)と(C)のかけ算、Z(E)×f(E)として得られます。 図中で↑で示した部分は、分布関数f(E)はほとんど1であるにも関わらず、もともとの状態の数Z(E)がないために、最終的に占めている電子の状態の数は非常に少なくなっています。 もうお分かりかと思いますが、禁制帯とは(A)で、(許される)状態がまったくないエネルギー領域のことです(その区間でZ(E)=0)。従って分布関数が1/2になろうと1になろうと、電子が実際にその状態を占めることはないわけです。「仮想的にそこに許される状態があったなら占有確率が1/2になるエネルギーがFermi準位」と考えてもよいです。 本サイトでも過去にいくつかFermi準位に関する議論があります。必要に応じ「フェルミ準位」などのキーワードで検索してみると参考になると思います。
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- kuniuni
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固体中の電子は、フェルミ-ディラック統計に従います。個々の電子は区別できないこと、電子の波動性、パウリの排他原理を考えると、熱平衡にあるエネルギーにまたがる電子の分布は、フェルミ-ディラック分布(関数)(教科書など参照)で表されます。つまり、フェルミ-ディラック分布(関数)の意味は、ある温度で、あるエネルギー準位が電子1個で占められる確率を与えています。特に、1/2の確率で占められるエネルギー準位をフェルミ準位といい、基準点として利用されています。 半導体のキャリアの数はフェルミ-ディラック分布(関数)とよく一致します。 半導体にフェルミ-ディラック分布関数を適用する時大事なことは、フェルミ-ディラック分布は、あるエネルギーにある「利用できる状態の占有確率」であるということです。だから、あるEに「利用できるような状態が」なかったら、つまりバンドギャップ中であれば、そこに利用できる状態はないので、電子をみつけることはできません。 繰り返しになりますが、分布関数はどのエネルギーでも値を持ちますが、利用できるエネルギー状態がないと、電子はその準位を占有することはできないのです。
お礼
大変分かりやすい文章でした。 これを参考に勉強しなおしてみたいと思います。 ありがとうございました.
- children
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フェルミ準位は電子の存在確立が二分の一となるエネルギー準位のことなのです。 これは電子のエネルギーの平均値ということができます。だからそこに電子が存在しなくとも何ら問題はないのです。
お礼
ありがとうございまいた。 参考にしたいと思います。
お礼
大変分かりやすく質問に答えていただきありがとうございます. 半導体に関する基礎のことを今現在勉強中のものなのこれを参考に頑張っていきたいと思います。 ありがとうございました。