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「ご報告する」って正しい使い方?
ビジネス文書でたまに見かける疑問に思う丁寧語。 その中で、「~についてご報告申し上げます」で始まる文を見かける事があるのですが、これは自分に丁寧語を使っている感じがするので、間違いではないかと思うのですが、いかがでしょうか?
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補足のご質問にお答えします。 「連絡」も「報告」も、「ご」がついて謙譲語になります。 理由は、既に御説明したとおり、「連絡」「報告」といった行為が相手に及ぶからです。 例えば「理解」と比べてみてください。これも「○○さんを理解する」というように、対象を持つ言葉ですが、「理解」はあくまでも当人(話者)の心(というか頭というか)の中の問題であり、それをしたからといって対象となる人物は何の影響も受けません。(他人に理解されたらうれしい、ということはあるでしょうが、それは相手(話者)が自分(対象)を理解しているということを「知る」あるいは「聞く」などの行為があって初めて起こることです。単に話者が「理解」しただけでは相手(対象)にそのことは伝わりません。) それに対して、「報告」や「連絡」は、その行為が行われれば、その行為の一方の当事者(行為の受け手)に、必然的に相手の人物(対象)がなることになります。つまり、前出の「敬語の指針」の説明をあえて繰り返しますが、 >自分側から相手側(敬意の対象)へ直接かかわる動作であり、謙譲語Iにあたるので、「お」を付けて「ご報告します」としても何ら問題ないということになります。 ということです。 ただ、たまたま相手の人間(得意先や上司など)が敬語に関して無知で、「ご」などつけるとはけしからん、と怒ることがあるかもしれません。しかし、それは正しい敬語とは何か、という問題とは別な次元での話しです。もしかして、立場上相手の言い分を飲まなければならないことがあるかもしれません。それでも、「謙譲語に『お/ご』をつけることもあるのだ。」という事実を知っていてそれを受け止めるのと、何も知らずに受け入れるのとでは、だいぶ異なると思います。 少なくとも最も避けるべきなのは、相手が正しい敬語を使っているのに対し、それは間違いだと声を荒げることです。事実を知ってさえいれば、その最悪のパターンだけは避けられます。 ただ、難しいのは、敬語には例外や別則が非常に多いということです。話がややこしくなりますが、質問者の方は大人でいらっしゃるので(私は普段子供(小中校生)向けに国語の学習書やテストなどを書いていますが、そのときは、あえて難しいことは書きません。)、自説に不利なことも書きます。 例えば「賛成する」あるいは「賛成」という語ですが、これは相手方に直接かかわることもある言葉ですが、「ご賛成します。」などとは用いません。その理由は、「賛成したからといって、必ずしも賛意が相手に伝わるとは限らないから。」ということもできますが、文脈上、確かに相手側に向かって「賛意を表している」場合であっても、「ご賛成~」を使えないのはなぜか、という問いに答えるのは非常に難しい。一方で「賛成申し上げる」とは言えるので、「賛成」には絶対謙譲語を使えないというわけでもないのです。 このように例外が多数あるのは、初めに規則がありそれに応じて実際の言葉が作られたわけではなく、ほかの方もおっしゃっていましたが、まず具体的な言葉があって、後付で敬語という概念を作り諸規則を作ったからです。したがって、ある意味、「絶対に正しい敬語」は存在しません。しかし、だからといって規範に意味がないとか、個人的な語感をもとに話せばいいのだということにはなりません。規則の限界を知った上で、それを上手に使いこなすことが大切なのだと思います。そのことは敬語に限らず文法、語彙など、言葉の使用全般についていえることだと考えます。 ちなみに、「~できる」を尊敬語に直す場合は、「~なれる」「おできになる」という形にするか、あるいは視点をかえて謙譲語を用い、「~いただける」を使うのが無難な方法です。そのどれが最適かは、文脈・場面によってかわってくるので一概には言えませんが・・・。 ご質問の文の場合は、 ><「○○万円までお預け入れできます。」 「特別価格でご購入できます」 というように、営業上(客相手の言葉)ですので、 ><「○○万円までお預け入れいただけます。」 「特別価格でご購入いただけます」 と、謙譲語を用いるのが丁寧でいいと思います。この場合は、「お預け入れ」「御購入」が尊敬語で、あとの「いただけ」が謙譲語です。この用法はいわゆる二重敬語ではなく、正当な敬語法ですので自信を持ってお使いくだい。(その点、NHKのアナウンサーが局のHP内に間違った内容のことを書いていました。そのうち訂正の申し入れをしたいと思います。) また、尊敬語だけを用いるなら、 ><「○○万円までお預け入れになれます。」 「特別価格でご購入になれます」 でも間違いではありません(規範文法的には)が、やや敬意が薄く感じられます。なお、この場合は「おできになる」を用いるとまだるっこしい言い方になるの(「~預け入れがおできになります」など)で、避けた方がいいように感じます。 以上、ケーススタディに関しては、正否というより私の個人的な意見が入っているので、その点はご理解ください。
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- -ROM
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いえ。だったら、「私はご質問を投稿します。」も正しいですね。 まだまったく、この問題には答えていません。
- maggoteating
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ANo.1、ANo.4、ANo.5 さんの回答の通り、 全く正しい謙譲語の使い方です。 私も間違いという回答があることに、 いささかびっくりしています。 なるほど敬語と謙譲語の使い方が同じで、 混乱し易いのは確かです。 しかしこれが長い歴史の中で育まれた日本語そのものである以上、 そのルールに従う他ありません。 間違いとか違和感があるというのは、 単なる無知、 非常識と捉えられるだけですので、 正しい日本語に習熟して下さい。
- OKAT
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お(ご)~する(いたす)は、謙譲語の定形中の定形の一つ。 お(ご)~になる(なさる)が、尊敬語の定形と言われている時に、 #2,#3のように、間違いだとおっしゃる方がいらっしゃるには、びっくりしました。 王朝時代のように、尊敬語(仕手尊敬)・謙譲語(受け手尊敬)・丁寧語(話し手【書き手】から聞き手【読み手】への敬意)と説明できた時代は、分かりにくいがすっきりしていたと思います。しかし、その背景には身分・階級の差が存在しました。 その差が無くなった現代には、確かに複雑で変化の激しい敬語が存在します。文化審議会・国語部会・敬語分科会の報告書(案)には現状追認の傾向が強いと思います。しかし、社会が会社内の階級や会社と顧客との関係を重視するのだから、やむを得ない状況は現実にあるのです。 しかし、主客が来るのを待っていた者が、「お待ちしておりました」と言い、老人に対して「その荷物、お持ちしましょう」と言うのは基本中の基本ではありませんか。
- garamond
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正しい謙譲語です。 「お/ご~になる/~なさる」は尊敬語 「お/ご~する/いたす/申し上げる」は謙譲語です。 前と後ろはセットになっています。 「お/ご~」だけを抜き出して、“自分の行為に尊敬語を使っている”、あるいは“この場合の「お/ご~」は丁寧語だ”と言うのは誤りです。 行為の対象が聞き手であったり、行為の結果・影響が聞き手に及ぶ際の用法です。 「係のものがご案内申し上げます。」 「○○様をお迎えすることができて光栄です。」 いずれも正しい謙譲表現です。 「筆記用具をご用意してください」が正しくないのは、尊敬表現が欠けているからではなく、 聞き手の行為に「ご用意する」という謙譲表現を用いているから失礼なのです。 「する」を「できる」に換えた場合も同じです。 「○○万円までお預け入れできます。」 「特別価格でご購入できます」 は顧客の行為に謙譲表現を使った、失礼な言葉遣いです。 「ご質問させていただきます。」は最近はやりの耳障りな言い回しですが、 これは相手の意向も聴かずに一方的に宣言しているからいけないのです。 (「質問させてほしい」と言われれば、「どうぞ」と言うつもりだが、頼みもしないで「させていただく」はないだろう。) 「この辺でお開きにさせていただきたいと存じますが、…」と意向を尋ねる手順をふんだうえで、「それでは、…」と言うならともかく、 「(あなたがたがどう思うかに関係なく、)これでお開きにさせてもらうよ。」 と宣言していると聞こえるような言い回しをするのがよくないのです。 「させていただく」の濫用が問題なのであり、これと質問の「ご報告申し上げます」とは全く関わりがありません。
補足
<「○○万円までお預け入れできます。」 「特別価格でご購入できます」 は顧客の行為に謙譲表現を使った、失礼な言葉遣いです。 上記の正しい言い回しは、どのようになるのでしょうか?
- -ROM
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「いかがでしょうか」とのことなので、個人的な考えでもよろしいのでしょうか。 No. 1 の方というより、その引用先も含めて、単に「すでに広まっているため」後付で正しいとしているようにしか思えません。教科書に正しいとあるなら、それも含めてです。 謙譲語であれ、丁寧語であれ、それならば、No. 2 の方のご指摘のように、「ご質問」も当然のごとく許容せねばならないことになります。 私には、「お持ちいたしております」も「お電話差し上げます」も「ごあいさつ申し上げます」も違和感があります。
- ANASTASIAK
- ベストアンサー率19% (658/3306)
専門家さんということですが、 >>1で取り上げている文化審議会国語分科会の指針の説明はまちがって いる、というかすべてを整合的に説明していない、と思う。 それならば、http://okwave.jp/qa2693587.html にあるような、 「このカテゴリでよいのかわかりませんが、ご質問させていただきます。」 という言い方はまったく問題ないわけだ。 「自分側から相手側(敬意の対象)へ直接かかわる動作」としてテメエ の質問に「ご」なんかつけてるわけだが、これは非常に違和感がある。 というか、日本語の敬語としは完全にまちがっている。
- kyouzaiya-k
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間違いではありません。 「御(ご/お)」のついた謙譲語もあるのです。 先年出された「敬語の指針(報告案)」(平成18年11月8日 文化審議会国語分科会)の37ページに、Q&A形式で、次のようにあります。以下、【 】内引用で、( )内は原文通り、〔 〕内は私の付けた補注です。「敬語の指針(報告案)」は、下記URLにあります。 【自分のことに「お」や「御」を付けてはいけないと習ったような気がするが、「お待ちいたしています」や「御説明をしたいのですが」などと言うときに、自分の動作なのに「お」や「ご」を付けるのは、おかしくないのだろうか。これは、どう考えたら良いのだろうか。 解説 自分側の動作やものごとなどにも、「お」や「御」を付けることはある。自分の動作やものごとでも、それが<向かう先>を立てる場合であれば、謙譲語I〔動作が向かう相手を立てる謙譲語。聞き手(読み手)に対する敬意を表す謙譲語IIに対する用語〕として、「(先生を)お待ちする。」「(山田さんに)御説明をしたい。」など、「お」や「御」を付けることには全く問題がない。また、「私のお帽子」など、美化語〔丁寧語から分離した概念。敬意の向かう対象に対する敬語ではなく、物事や動作を丁寧に美化して表す敬語〕として用いることもある。 「お」や「御」を自分のことに付けてはいけないのは、例えば、「私のお考え」「私の御理解」など、自分側の動作やものごとが相手側や第三者に直接かかわらない場合で、自分側の動作やものごとを立ててしまう場合である。この場合は、結果として、自分側に尊敬語を用いてしまう誤用となる。】 ご質問の場合、「報告」は、自分側から相手側(敬意の対象)へ直接かかわる動作であり、謙譲語Iにあたるので、「お」を付けて「ご報告します」としても何ら問題ないということになります。 上記分科会のメンバーでもある菊地康人氏は、「敬語」(講談社学術文庫)の中で、謙譲語として認められる形として、次のように述べています。 「動詞の一般形としては、「お/ご~する」「お/ご~申し上げる」。単純に「お/ご」を付加した形としては、「先生にご案内/お手紙をさしあげる」あるいは「先生へのご案内/お手紙」という場合の「ご案内/お手紙」のように、動作の向かう先や物の受け取り手を高めるもの」。形容詞の例としては「おうらやましい・おなつかしい」 ちなみに謙譲語の一般形「お/ご~する」の形は、小中学校の国語の教科書にも載っている、敬語の基本中の基本です。 一応まとめておけば、「御(お・ご)」という接頭語は、尊敬語、謙譲語、丁寧語、美化語のすべてを作れる、ということになります。ただし、すべての動作やものごとに付けられるわけではなく、条件があるということは、上記引用部分に書かれているとおりです。 ご質問の「お電話」や「お手紙」は、同じ形で三つの敬語の種類になるので、注意しなければいけませんね。
補足
敬語って難しいですね... 間違って使うと品格が疑われるので注意します。 ところで、これもビジネスで使われる一般的な文章で、「取り急ぎ○○いたします」「取り急ぎ○○まで」の○○には「ご連絡」とか「ご報告」を使っても、特に問題はないのでしょうか?
補足
「ご報告する」「ご連絡する」は正しい使い方なんですね。 今までずっと疑問に思ってました。 でも本当に日本語って厄介ですね...。 子供の時国語で習いましたが、謙譲語の意味が全く分かりませんでした。 それは、「する」の謙譲語は何?とう風に、テスト形式で教えられたからかも知れません。 実際にその場面またはそういう文章を書く機会でもって、自然と身体で覚えて行くものだと思います。社会に出てからが一番その機会に遭遇することが多いと思います。 kyouzaiya-kも子供さんに教えているそうですが、この時期から正しい日本語の勉強をしていたら、今の若者(私も含めて)の変な日本語が蔓延することは近い将来は無いでしょうね! ご回答ありがとうございました。