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温度電圧Utとは?トランジスタのリーク電流式より
- トランジスタのゲート電圧がしきい値を超えない際に流れるサブスレッショルドリーク電流を求める式において、Utは温度電圧を表します。
- Utは温度電圧であり、トランジスタの特性を表す値です。
- Utは温度によって変化する電圧であり、サブスレッショルドリーク電流を算出するために使用されます。
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>単純にV=J/Cを変形した式と考えてよいのでしょうか? はい。T=300K(~27℃)のとき、kT/q=25.852e-3 [V]になります。 >熱エネルギー(k・T)を電子1個の電気量で割った場合、求められた電圧が何を意味するのか、さっぱりわかりません。 kT/qで考えるのでなく、kTとqVで考えて、kTが熱エネルギー[J]、qVが電子の運動エネルギー[J]で、その比を表していると考えたほうが良いと思います。たとえば、真空中の平行平板電極で電子1個を加速するとき、電極間の電圧をV [V]とすれば、電子の運動エネルギーはqV [J]となります。したがって電子を26mVで加速したときの電子の運動エネルギーは300Kの熱エネルギーと同等になるということです。 >温度電圧というものは「○○が○○であるときに必要な電圧」というような言い回しができできるのでしょうか? できます。今のリーク電流で言えば、それが急に増える境目の電圧という意味になります。もちろん指数関数なので、26mVを境に急に変わるわけではありませんが、指数関数的に増えたり減ったりする現象を表すときに、その境目を示す目安としてexp(-x/a)のaが使われることは実際に非常に多いです。放射能の半減期とか拡散距離、吸収率などはある量が半分とか1/eになるところを表しています。 Vthは1Vのオーダですのでexp(-1/0.026)=2×10^(-17)と非常に小さいですが、最近のLSIは電源電圧が下がってきているので、Vthも下がってリーク電流は増える傾向にあるのでしょう。さらに素子数も増えていますのでLSI全体でもリーク電流が増えます。消費電力が大きくなればLSIの温度が上がってTが大きくなりますが、これはVtを大きくするので、Vthとの比が小さくなってやはりリークが増えます。計算すれば分かりますが、温度が25℃から半導体の限界の125℃になったとき、リーク電流は12000倍も大きくなります。このときの温度電圧は34.5mVですが、Vthが34.5mV低くなってもリーク電流はたった4倍にしかなりません。
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- inara
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問題の式の出所はここ↓でしょうか?確かに出典が書いてないですね。 http://www.ssc.pe.titech.ac.jp/materials/IEICE_Vol.J87-CNo.11_2004.pdf 温度電圧とは、室温(または動作温度)の熱エネルギーに等しい電子エネルギーですね(Ut=kT/q、室温なら26mV)。参考URLにその温度電圧を説明した部分があります(20ページ)。
お礼
お早いご回答ありがとうございます。 お察しの通り、リーク電流と温度の公式をwebで探しており、上記のpdfを見つけた次第です。 参考になるpdfまで探して頂きまして、大変ありがたいです。 さて、Ut=kT/qとのことですが k:ボルツマン定数 1.38*10^-23 T:絶対温度 q:電気素量 1.60*10^-19 として、単純にV=J/Cを変形した式と考えてよいのでしょうか? そうした場合、Tが直接Utに比例するので温度上昇に対し電流量が増加する理由が納得いきます。 ですが、熱エネルギー(k・T)を電子1個の電気量で割った場合、求められた電圧が何を意味するのか、さっぱりわかりません。 この温度電圧というものは「○○が○○であるときに必要な電圧」というような言い回しができるのでしょうか? それとも温度電圧自体は、あまり意味のないものなのでしょうか?
お礼
>kTとqVで考えて、その比を表している >リーク電流で言えば、それが急に増える境目の電圧 なるほど、大変よくわかりました。 ご丁寧にお教え頂き、大変ありがたく存じます。 私にとって比較的身近なリークのお話をして頂いた事で、より理解が深まりました。 またの機会があれば、どうぞよろしくお願い致します。