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サークル脱退者の著作権について質問です
アマチュアのサークルでコンピューターゲームを制作・販売しているのですが、そのメンバーの一人(A氏とします)がサークルを抜けることになりました。 A氏脱退後の彼が関わった作品の扱いについてトラブルが起きているため、法律に詳しい方に助言いただきたいと思います。 A氏はグラフィックを担当していましたが、脱退の際に以下の三点を主張してきました: 1. 自分が制作したグラフィックが使われているゲームの配布を止めて欲しい 2. 1が認められない場合、今後もそれらのゲームの売り上げの分配を従来通りに送金して欲しい 3. 自分が制作したグラフィックを今後の制作物に使用しないで欲しい 私(サークル主催者)の主張としては: 1. - 1に該当するゲームには発表直後のものもあり、多くの人間が長期間かけて制作したものなので、認めるわけにいかない 2. - 発売後○ヶ月分の売り上げという形なら認めてもいいが、過去の作品の売り上げ増加を狙った活動も今後行うため、全面的には認められない 3. - 全く新しいゲームでは別としても、シリーズになっているゲームや、ポスター・WEB等過去作品のPRでは使いたい となっています。 A氏はそれぞれの主張について一歩も譲らず、法的な問題に発展する可能性も出て来たため、それぞれの主張の法的な妥当性を知りたいと思い質問しました。 どなたかよろしくご教授お願いします。 補足: A氏のサークル加入時に著作権や脱退後の扱いに関して特に契約は交わしておらず、売り上げに関して「山分け」と取り決めたのみです。 A氏脱退の理由は怠慢や長期間の音信不通、それに起因するトラブル等から私がサークル除名を言い渡した、という形です。 A氏の制作物には人物など単体で成り立つ絵もあれば、ウィンドウの枠などそうでないものもあります。 A氏の制作物は全て私の指示の下に描かせたものです。
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○サークルのグラフィックス担当として採用し報酬として売り上げを山分けで与えるという取り決めをした時点で一つの契約が交わされたと考えていましたが、そうはならないのでしょうか。 これは私の言い方が分かりにくかったですね。「そのグラフィックを利用したいなら、何らかの手当て(お金の支払いなど)が必要です。」というのは、Aさんの2番目の要求のように、すでに合意していた分のお金(今回で言えば「山分け」分)は支払わなければならない、ということです。上記のような契約が(契約書はなくとも)締結されたというのはそのとおりです。ただし、「グラフィックを使用して、かつ一度合意したお金を支払わない」ということはできない、ということです。 そして、1は契約違反だ、と言っていますがこれがまさに複製・公表に関してどんな契約があったか、という部分によって決まる部分です。「グラフィックの使用については以後文句を言わず、ずっと使用を許可する」という契約が(黙示にでも)事前になされていれば、今になって販売に異議を唱えれば契約違反となりますが、そこまでの合意があったと認められるか、というのが問題です。質問分の限りでは厳しいように思えます。 そして、脱退したからといって、支払いをその後何ヵ月後かに限定する、というのは、一方的な契約条件の変更といえ、これこそ契約違反になってしまいます。 もっとも、脱退に伴いA氏と再度取り決めをし、支払いを何ヶ月かに限定するということで合意できれば、その新しい合意が効力を持ちますので、3の今後の使用の点も含め、A氏となんとか協議するしかないですね。 なお、職務著作として認められるか、という点については、個人的には懐疑的です。権能なき社団として認められる要件は、(1)団体としての組織をそなえていること、(2)多数決の原則が行われていること、(3)構成員の変更にもかかわらず団体そのものが存続すること、(4)代表の方法、総会の運営、財産の管理等団体としての主要な点が確定していること、ですので、アマチュアのサークルでは難しいでしょう。
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- Yorkminster
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その「サークル」の具体的な活動実態を、裁判所がどのように評価するか次第だと思いますので、最終的な結論までは予測しかねます。 その上で、ですが... 著作権法の中で考えれば、問題となっているグラフィックは、職務著作に該当する可能性があります(サークルに有利)。職務著作とは、法人等の発意に基づき、その従業者等が、その職務の範囲において作成する著作物で、法人等の名義で公表するものをいいます(法15条1項)。 なお、プログラムの著作物の場合は例外規定がありますが(法15条1項、2項)、より緩やかな要件で職務著作となるので、ここでは考えません。 ここに、「法人等」には、いわゆる「権利能力なき社団」も含むといわれています。クラブ活動やサークル活動もこれに含まれると記憶していますが、専門外なので詳しいことまでは判断できかねます。 その他の部分についても個別的な検討が必要ですが、今回のゲームソフトの製作・公表につき、サークルが最終的な決定権限をもっており、Aのグラフィックがサークルの指揮命令の下に描かれたものであれば(逆にいえば、Aが元から趣味で描いていたものを都合が良いからといって提供しただけであれば、微妙になるでしょう)、これらの点はクリアするものと思われます。 したがって、結局のところ、「サークル」が「権利能力なき社団」に当たるか否かが問題となりそうです。 なお、利益の配分に関しては「山分け」という合意が形成されていますから、これは契約に当たると考えて良いでしょう。したがって、少なくともサークルに所属している限り、山分け相当の利益を配分する必要があると思われます。 他方、脱退後の取り扱いについては、明示的な契約が存在しないとのことですが、黙示的に形成された合意があれば、これが有効に機能することがあります。ただし、 >> サークルのグラフィックス担当として採用し報酬として売り上げを山分けで与えるという取り決めをした時点で一つの契約が交わされたと考えていましたが // これは、サークルないし主催者の一方的な認識であって、Aとの間での黙示的「合意」ではありません。Aもそのように認識していたはずだという主張・立証がなければ、ただの思い込みということになってしまいます。 なお、契約書は、法律によってその手のものが要求されていない限り、契約の成否に関係しません。単に、証拠として立証が容易であるにとどまります。 また、契約不履行というのは、契約で定められた内容の義務を履行しなかったという意味です。今回の場合、Aは少なくとも問題となっているゲームについて、影像を提供するという義務を履行しているものと思われます。 むしろ、 >> 怠慢や長期間の音信不通、それに起因するトラブル等 // があったために履行遅滞が生じ、そのために利益の配分を請求することが権利濫用である旨、もしくはサークルに損害が出ておりその損害賠償請求権とAの利益配分請求権とを相殺する旨、主張・立証する方が現実的な法律構成と考えます。 まとめます。 現在、「サークル」側の主張としては、 1) 職務著作であることを理由に、Aの著作権を否定する。ただし、利益配分に関しては、契約義務違反・履行遅滞などを理由に、権利濫用・損害賠償請求との相殺を主張する必要があると思われる。 2) 著作権の譲渡があった旨、主張する。当然、譲渡があったことを証明しなければならない。また、単に「著作権を譲渡する」といったときは、翻案権などは留保されることに注意(法61条2項)。もしくは、グラフィックの利用許諾があった旨、主張する。証明が必要。 といった感じかと思います。 3) 著作権に関しては、Aが保持することを認め、ゲームに関してはグラフィック等を差し替える。ただし、これまでに上がった利益の配分については、権利濫用や相殺で拒否する。今後、かかわりを持たず、訴訟提起等しない旨の念書を交わす。 という「痛み分け」案もあるとは思いますが。
お礼
回答ありがとうございます。 返信遅くなってしまい申し訳ありません。 まずこの件に関し、私共の方で解決を見たことを報告致します。 >>>> 怠慢や長期間の音信不通、それに起因するトラブル等 // >>があったために履行遅滞が生じ、そのために利益の配分を請求することが権利濫用である旨、 >>もしくはサークルに損害が出ておりその損害賠償請求権とAの利益配分請求権とを相殺する旨、 >>主張・立証する方が現実的な法律構成と考えます。 サークル側としてこの点を強調し話し合いを行いましたが、結果概ね最初の私の主張が通った形で合意ができ、今後についての念書も作成しました。 これまで「迷惑を受けた」としか表現できていなかったものに法的な意味合いを付けて話せたのが大きかったと思います。 また、今後似たような問題が起こらないように予めこのような問題に対しての合意を他の/新規のスタッフとも作っておく所存です。 結果的に法的な問題には発展しませんでしたが、個人的な見解を述べさせていただければ、A氏が「著作権」というものに絶対的な信頼を抱き、「法的に」自分が圧倒的に正しいと思い込み、また我々がそれに対して「法的な」反論をできなかったことが今回の件がこじれた一因と感じています。回答者の方々のアドバイスのおかげで、それぞれの法的な権利と義務が明らかになり、それにより我々もA氏も法律に拘ることなく問題に対し冷静に対処することができるようになったのだと思います。 重ねて御礼申し上げます。ありがとうございました。
- InfiniteLoop
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アマチュアの集まりということなので、特に事前の取り決めがない限り、著作権法的に見れば、各部分(グラフィック、プログラム、その他)を製作した各担当者がその部分について著作権を持っているというのが原則になります。「私の指示の下に描かせた」とありますが、実際に創作したのがAさんである以上は、これは関係ありません。 ということで、自分が著作権を持っている部分については、その複製・公表についてコントロールすることができます。 あとは、複製・公表についてどの程度の取り決め(契約)があったのか、が焦点になりますが、契約がないのでなかなか判断は難しいですね。 ただ、明確な合意がないとすると、Aさんの1から3の要求はある程度言い分はあると思ってください。1の「ゲーム自体の配布中止の要求」については、上記のようにAさんが著作権を持つのはグラフィック部分だけなので、グラフィックを差し替えれば配布には問題はないですが。 除名にいたる経緯は、法的な判断にはあまり影響はありません。Aさんの素行があまりよくないとしても、Aさんが創作したグラフィックに著作権を持っているのは変わりませんし、そのグラフィックを利用したいなら、何らかの手当て(お金の支払いなど)が必要です。それが嫌なのであれば、グラフィックを新規に誰かに作ってもらうしかありません。
お礼
回答ありがとうございます。 疑問だった点が大分解消されました。 >Aさんが創作したグラフィックに著作権を持っているのは変わりませんし、 >そのグラフィックを利用したいなら、何らかの手当て(お金の支払いなど)が必要です。 文字数の都合で書ききれませんでしたが、サークルのグラフィックス担当として採用し報酬として売り上げを山分けで与えるという取り決めをした時点で一つの契約が交わされたと考えていましたが、そうはならないのでしょうか。 取り決め時の言葉の細かいニュアンスも問題になるかと思いますが、1は契約違反であり2に関する私の主張も少なからず妥当性があると考えていたのですが。 正式な契約書を交わしていない限り、例えばゲームが完成してから「もっとお金くれなきゃ使わせない」といった主張も通ってしまうのでしょうか。 追加の質問になってしまいましたが、よろしければご回答お願いします。
お礼
回答ありがとうございます。 まず、この件に関して私どもの方で解決を見たことをご報告させていただきます。 詳細については、失礼ですがANo.2への返信に書いた内容で代えさせていただきます。 二度もご回答いただきありがとうございました。