- ベストアンサー
処断刑の形成方法について
処断刑の形成の順序として 連・前・後・選択・再・法・併・酌 と習いました。 連続犯・54条前段後段・刑の選択・再犯加重、法律上の減軽、併合罪、酌量減軽のことだと思いますが・・・ 科刑上一罪、牽連犯も含めいまひとつわかりません。 刑法に詳しい方わかりやすく説明していただけませんでしょうか?
- みんなの回答 (3)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
- ベストアンサー
#詳しいとも言わないし分かりやすいとも言いませんけど。 補足を待つべきなんでしょうが、あえて補足を待たずにいくつか述べてみます。そこから「自分がどこが分かっていないのか」分かるかもしれません。と言いますか、以前にも同じような質問をしていた(文面はほとんど同じですね)ことからすれば「どこが分かっていないか分かっていない」のだと思います。 #……念仏のように丸暗記するのが悪いとはいいませんが、それだけでは理解できないのは当たり前です。正直な話あまり教え方が上手いとは思わないですねぇ……。 ここから下に出てくる理由付けは「私が勝手に考えた理由付け」です。当たらずと言えども遠からずとは思いますが、あくまで「勝手」です。しかし、問題は、「理由付けて憶えればきちんと理解して憶えられる」ということなので、その理由が真の理由であろうとなかろうと、理由として一応筋が通ればそれで十分です。問題は、「理解して憶える助けになるかどうか」だけです。 では、順番の検討に入ります。 「連前後」の部分は要するに、罪数を決めるという話。刑罰を適用する前提として行為がどういう犯罪を構成するのか決めなければならないのは当然でそれがどういう手順かということ。罪数論を理解しないと分からない話ではありますが、面倒なのでその説明ははしょります。 まず、「(本来的)一罪か数罪か」を決めるのが「連」(*)。次に数罪の場合に「科刑上一罪かどうか」が「前後」。前は観念的競合で後は牽連犯。これはどっちが先でどっちが後でもないのですが、規定の順番どおり前後でいいでしょう。あえて言うなら、行為が1個で罪名が2個の観念競と行為が2個で罪名も2個の牽連犯とでどっちが本来的一罪でない数罪に近いかと言えば当然牽連犯。だから本来的一罪でない数罪に近い牽連犯の方を後にすると考えても構いません。 ここまでで行為者の行為について何罪が何個成立するか、つまり罪数が確定します。 (*)現行法上、連続犯という概念はありません。連続犯類似の状況を包括一罪と評価した判例はありますが、元々連続犯概念は昭和22年改正前の刑法の規定に存在した概念で改正により削除になったものなので安易に使うのは間違いの元です。接続犯よりも時間的接着性が薄いが1個の犯罪と見るべきものについては、「かつての連続犯の一部と重なることになる」だけであって、これは現行法上はあくまでも「包括一罪の一種」。ましてここで言う「連」による一罪の判断というのは、包括一罪のみならず法条競合と単純一罪も含んでいるわけで「連」という表現はどうかと思いますけどね。 次に刑の選択が来るのはなぜかと言えば、条文でそう決まっているからではありますがその理由は何か。「刑の加重減軽を行うに当たって適用する刑種を選択しなければやってられないから」。選択刑のすべてについて加重減軽してから刑種を選択するよりは、最初に選択したほうが後々楽でしょう?とそういうこと。それに、少なくとも併合罪より先に選択しないと、自由刑と財産刑の併科ができない場合ができてしまいますし。まあ、加重減軽する刑を最初に決めた方が後が楽、と思っておけばいいです。要は無駄を省いているのだと。 で、先に言えば、酌量減軽は一番最後なのはなぜかと言えば、これは加重減軽を終えてもなお重すぎる場合に最後の手段としてその事件特有の事情をもって処断刑を調整するための規定だから。要するに、最後に刑のつじつまを合わせるために用意してある一種の一般規定ということ。だから当然最後の手段。 ここまで来れば後はその間に入るものが何でその順番はどうなっているのか、を考えればいいだけです。 この間に入るのは、再犯加重、法律上の減軽、併合罪加重の三つ。 これをどういう順番でやるのが合理的か?と考えれば、個別の問題から全体の問題へ、単純なものから複雑なものへと行くのが妥当。なぜなら、個別の問題は全体をまとめてしまってからでは斟酌できないし、単純なものを先にやっておく方が思考経済上楽だから。 そうすると、併合罪というのは別々の複数の犯罪について「まとめて刑を科す時の」科刑上の制限(必ずしも制限とはいえないが)を設けた規定なので、これは個別の犯罪ではなく全体として刑をどこまで制限するかという話。つまり、「全体」の話。 一方、再犯加重と法律上の減軽はあくまでも個別の犯罪についての加重減軽事由で、たまたま複数の犯罪にまたがることがあるにしても、その効果は個別的の犯罪ごとの話です。そういうわけで、全体にまとめるのは一番最後にするのが先に述べたとおり適当なので、併合罪加重がこの三つの中では最後になります。 さあ、後は二つだけ。再犯加重と法律上の減軽。 正直言えば、これはどっちが先でも結果は同じなのでその先後を決める合理的な理由は余りありません。あえて言うなら、単純な方が先。 再犯加重は、基本的に加重事由としては一種類です。一方で、法律上の減軽は何種類かあります。またその効果は減軽のみならず免除もありますし、必要的、任意的という違いもあります。つまり複雑。複雑なものは後の方が思考経済的には楽ではあります(いや、余り変わらないと言えば変わらないのですが)。まあ、加重と減軽どちらを先にするかについては加重が先と考えても良いですけどね。ただ、それだと、加(再犯加重)、減(法律上の減軽)、加(併合罪加重)、減(酌量減軽)と交互に出てくるのがかえって分かりにくくなる気もします。丸暗記なら逆に、交互に出てくるでいいでしょう。 ということで、再犯加重を先にして法律上の減軽を後にします。 以上で、順番が決まりました。 なお付け加えておくと、「罪数処理は刑罰の適用の話とは一応区別できる話」です。刑罰の適用の前提として罪数処理は当然必要ですが、罪数処理自体は直接的には刑罰の適用それ自体とは別の話であると。
その他の回答 (2)
#2です。一つ書き忘れました。なぜ罪数処理が加重減軽より先かといえば、まあ前提だからなんですが、なぜ前提かと言えば、罪数処理をして「何罪」が成立するか明らかにしないと加重減軽の前提たる罰条が確定しませんから。加重減軽するためには、何罪に該当するから刑罰がどうなるというのが分からないとどうしようもありませんね。 適用すべき罰条が明らかになって初めてその刑の内容を云々できるのは火を見るよりも明らかです(余りに明らかなので気にもしなかったために書き忘れたというのが本音です)。
- pokosuke08
- ベストアンサー率48% (45/92)
連・前・後・選択・再・法・併・酌というのはおっしゃられているとおりでいいと思いますが、ご質問の趣旨がよくわかりません。 科刑上一罪、牽連犯も含め「何が」(可能であれば「どのように」も)いまひとつお分かりにならないのかを補足していただければ回答できるかもしれません。
お礼
説明不足なのにご回答いただきまして、ありがとうございました。今後は気をつけていきたいと思います。
お礼
説明不足で、ご迷惑をおかけしたにもかかわらず、大変丁寧なご回答ありがとうございました。勉強にさせていただきます。