殺人、つまり人の命を奪う行いについてですが、特に理由
は無くても、たいていの人は「悪」と答えるでしょう。
しかし、理由を考えると答えに詰まります。
この問いに対して、明快に答えられるのは宗教だけです。
特に一神教です。日本人にはなじみが薄いですね。
では一神教(例えばキリスト教)ではなぜ殺人が罪であり
悪かというと、人の命は神が与えたものであり、それを
人が勝手に奪うということは許されないからです。
例えば、最近はそうでもないらしいですが、一昔前のキリ
スト教では自殺も罪であり、教会で葬式をしてもらえなか
ったそうです。
それでは宗教を信じない人たちはどうかというと、殺人は
必ずしも悪ではありませんでした。
わかりやすいのは共産主義の国家ですが、社会システム上
殺人罪というのはあったようですが、社会システムの安定
を守るため、あるいは政府の権力を維持するために、当局が
不穏分子とみなした人たちをどんどん粛清(=殺人)していきました。
なぜ共産主義の国家では人の命がこんなに粗末に扱われる
かというと、思想的に人の命に絶対的な価値が無かったか
らですね。人の命よりも政府の権力維持や社会システムの
安定の方が、大事であったからです。
補足
これは殺人は悪に分類されるということでしょうか?また「善と悪に苦しむ人間は不純」とありますが、善と悪に苦しむ人間は「善い」のか「悪い」のか(表現が適切ではありませんね)ということをご説明お願いします。