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食塩水と水の違いについて
この間理科の実験で、鉄粉と活性炭をまぜ、食塩水を加えて反応が起こると温度が上がる、というものをやりました。 「水を早く凍らせたい時も、温度を下げるために食塩を加えると良いが、なぜ食塩は温度を下げたり上げたりすることができるのか?」 と疑問に思ったのですが、どうしてですか? それと、鉄粉は細かい方がより温度が上がりやすいそうなんですが、それはどうしてですか?? 教えてください。・・・・とここまでは、先日質問して回答をいただき良く分かりましたが、同じ実験の質問の追加をさせてください。 鉄粉と活性炭をまぜたものに、食塩水ではなくただの水を加えても反応しました。でも、その時に上がる温度は食塩水の方が高かったのですが、食塩が混ざるとなぜ反応が激しくなるのでしょうか? 水と食塩水の違いがよくわかりません。 それと、同じ実験を塩化アンモニウムと水酸化バリウムでやると、逆に温度が下がり冷たくなりました。これはなぜなんですか? 教えてください。
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>鉄粉と活性炭を~ これは使い捨てカイロと原理的に同じものを作ったものです。 単純な話、鉄粉が錆びるとき=酸化するときに発熱する減少を利用したものです。 鉄の酸化は水によって触媒されます。(触媒とは化学反応の速度を速める物質のことです。)鉄製品を濡れっぱなしにしておくと錆びやすいですよね。 また、鉄の酸化は、塩化ナトリウムによっても触媒されます。海の近くでは鉄製品が錆びやすいのもこのためです。 ですので、ただの水よりも食塩水の方が化学反応の早さが早くなり、同じ時間の間の発熱量が増えたのです。 このような、化学反応に伴って熱が発生する反応を「発熱反応」と言います。また逆に、化学反応に伴って周囲の熱を吸収する反応を「吸熱反応」と言います。この吸熱反応の代表格が塩化アンモニウムと水酸化バリウムの反応です。 >これはなぜなんですか? 非常に難しい問いです。 化学物質の持つエネルギーという観点で説明はできます。しかし、なぜ吸熱反応が"ある"かという説明には不可能です。 自然界はそうなっているとしか言いようがありません。
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- c80s3xxx
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えーと... # なんか最近人の回答に文句ばかりつけているようですが... #3> Fe→Fe3++3e- 実際には Fe → Fe2+ + 2e です.ただし,通常の環境下では Fe2+ は溶存酸素によってただちに Fe3+ に酸化されます. #3> 食塩の役割は生じたイオンによる電場勾配を打ち消すことです。 それがどのようにおこるかというと,イオンが動くことによっておこるわけです.つまりそれは電気伝導です.電導度が高いということと同じことを言い換えているに過ぎません. #3> 従って電気抵抗を考える必要もありません。 言い方を替えていますが,考える必要がないというのとは違うでしょう.
お礼
ありがとうございました。 補足していただして、理解しやすかったです。
- ht1914
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食塩水の中に折り曲げた鉄釘を入れてフェノールフタレイン溶液、ヘキサシアノ鉄酸(II)溶液を加えて変化を見るという実験があります。折り曲げたところで溶液が青くなり、片方の端で赤くなります。 センター入試にも出たことがあります。「~の実験」というよく知られたもののようです。電池の本にも出ています。 起こっている反応は Fe→Fe3++3e- O2+2H2O+4e-→4OH- です。 鉄さびの成分はFeO(OH)であるといわれていますがFe(OH)3から水が1分子とれたものになっています。 食塩水はこの局部電池に対する電解液になります。食塩の役割は生じたイオンによる電場勾配を打ち消すことです。鉄イオンに塩化物イオンが配位することも起こるでしょう。でも電気のやりとりは一切行っていません。従って電気抵抗を考える必要もありません。 水だけの場合、金属表面の近くに溜まったイオンにより電池反応はすぐに止まってしまいます。 鉄粉の場合にもこれと同じようなことが起こっているのでしょう。
お礼
ありがとうございました。 実験の例まで書いてあって、よくわかりました。
- c80s3xxx
- ベストアンサー率49% (1634/3294)
少し補足しておきます. まず,この反応において水は触媒ではありません.反応物のひとつです.生成物は酸化鉄ではなく,含水酸化鉄類だからです. 食塩の効果については二つの意味があります. まず,この反応はじつは酸素濃淡電池という電池反応が含まれています.塩水は電池の内部液の意味があり,鉄粉自体の中を電流が流れる形で電子が動きます(ふつうの電池の外部回路の役目を鉄粉自体が果たす).このときに反応が速やかに進むためには電池内部の電気抵抗が低い方が有利であり,食塩水ではイオンが溶けているために電導性が高くなります. もうひとつは塩化物イオンが鉄イオンに配位することにより,鉄イオンを安定化する効果です.これにより,鉄イオンの水相への溶出がおこりやすくなります. この反応は直接的に鉄が空気酸化されて酸化鉄になるのではなく,鉄から酸化的に溶出したイオンがさらに空気酸化と水との反応を経て含水酸化鉄に変化していくという過程を踏みます.鉄イオンとしての溶解は,いわゆるイオン化傾向で議論できるわけですが,塩化物イオンの存在はない場合に比べてイオン化傾向を大きくする方向に寄与すると考えればいいでしょう. 反応の総量が同じであれば発熱総量も同じですが,ゆっくりと発熱すると周りに冷やされる効果によって温度があまり上がりません.その一方で発熱自体は長時間続きます.急速に反応すれば周りへの熱放出(これは熱抵抗という概念で評価しますが,化学というより物理の問題になり,しかも大学で扱うような内容なのでここでは触れません)が相対的に間に合わなくなるわけで,温度は高くなります.
お礼
ありがとうございました。 とてもくわしく教えてくださり、よくわかりました。
お礼
ありがとうございます。 わかりやすい説明で、とても助かりました。