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静止したロケットのエネルギーはどこへ?その2
以前した質問の「静止したロケットのエネルギーはどこへ?」の続きになります。(論点が変わっているかもしれませんが・・) ロケットを空中で静止させるためには、重力による力とつり合う力をエネルギーを使って発生させなければなりません。 一方、台の上にあるロケットはエネルギーを使わなくても静止させることができます。 この二つを比較すると、エネルギーは足りない何かを補うために使われているように感じます。 そこで、エネルギーは何に使われたのか? 逆にいうと、台の場合は何があるからエネルギーを使う必要がないのか? をうまく説明して欲しいです。 よろしくお願いします。 疑問をうまく伝えるのが難しく、前回同様に補足で質問をさせて頂くことになると思いますが、ご了承願います。
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「エンジンを点火して空中にホバリングしているロケットはエネルギーを消費する必要がある」と考えるところが誤解の原因だと思います。 なぜならば、ロケットが空中に静止するためには自重を支えるための最小限の噴射は必要であり、そのために一定量のエネルギーは絶対必要である、と考えてしまいがちですが、実は空中に静止するための噴射エネルギーはいくらでも小さくすることが可能だからです。 質量 m の物体を t 秒間のあいだに速度 v になるように押し出せば、反作用で力 F が働きます。 (1) F = (mv)/t ロケットの場合で言えば、毎秒 m の質量の噴射ガスを速度 v で噴射すれば、推力 F が得られる、というわけですね。 一方、この仕事をするために単位時間に必要なエネルギー K は、 (2) K = (mv~2)/2 です。 式から判るように噴射速度を小さくすればエネルギーは小さくなります。 噴射速度を半分にして、その代わりに単位時間当たりの噴射ガス質量を 2倍にすれば、同等の推力が得られますが、必要なエネルギーは半分で済むのです。 ですから、想像を絶するほど大きな質量を限りなく小さな速度で噴射するロケットエンジンがもしあれば、消費するエネルギーは限りなく小さくなります。 大急ぎで言っておきますが、もちろん、もしそんなロケットがあれば、限りなく短い時間で搭載燃料を使い尽くしてしまうので、実用的ではありません。現実のロケットの開発は全く違う方向を目指しています。 現実のロケットは噴射質量に相当する部分を自分で背負って上がっていかなければならないので、如何にして「小さな質量に、大きなエネルギーを与えて、噴射ガスの速度を速くし、推力を稼ぐ」のかが目指す方向です。 ロケットの性能を制限する因子は質量なのであって、エネルギー的には濫費をいとわない、と言うことですね。 だから単位質量当たりの化学反応エネルギーが大きい酸素と水素を使った液酸液水エンジンがもてはやされるのですし、小惑星探査機はやぶさに使われたイオンエンジンのように太陽電池で集めたエネルギーを潤沢に使って微量のイオンを高速で噴射する方式が高い比推力性能を発揮できるのです。 そんなわけですので、あくまでも理論的には、でありますが、ロケットが空中に静止しているために必要なエネルギーは限りなくゼロに近くできるのです。 ロケットが地球ほどの大きさの質量を限りなく小さな速度で押しやることで、限りなく小さなエネルギーしか使わずに自重を支えている、という状況を想像すると、発射台上で静止している未点火ロケットとなんだか似ていて、楽しくなりますね。
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- ojisan7
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#12です。 ご質問にまだ答えていませんでした。 「静止したロケットのエネルギーはどこへ?」ですが、ノズルから、噴出したガスは圧力を維持するためだけに使われていますので、ロケットに有効な仕事はしていません。このエネルギーはガスを膨張させ、熱として散逸します。したがって、極論すれば、エネルギーが100パーセント無駄に使われていることになります。
- piricara
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ロケット燃料を燃焼させた時に発生するエネルギーがどこに行ったのかの結論から言うと、 熱、音、光等のエネルギーに変換されて、地表、その他の場所に放出されたものがほとんどです。ほんの一部が、噴射口部の圧力をロケットを支えるのに十分な圧力と噴射速度にして、ロケットを支える「力」になっている、と考えられます。 もし、ロケットが噴出した燃焼ガスがロケットの下部からどこにも移動しないで、溜まるばかりである状況を作れるなら、噴出ガスの圧力が上昇し、やがて、地表とロケット間のガス圧力は、ロケットを支えるのに十分な圧力になり、エンジンを停止させても、空中に浮いている状態が作れます。その次点でエネルギーを消費する必要はなくなります。 コンクリートの台などで、ロケットを支える場合、コンクリート内部では、コンクリートの崩壊を防ぐために、「力」は働いていますが、一般的には、エネルギーとはいいません。 「力」をエネルギーとして取り出す方法は、ありますが(とはいってもすべて変換できるほどの科学力はありませんが...)、ご質問の内容とは異なる内容となるので、詳しい説明はいたしません。
補足
ご回答ありがとうございます。 エネルギーは最終的にはどこかへ放出されてしまうということですよね. 一つ気になるのは、「力」をエネルギーとして取り出す方法についてですが、これはガスタービンなどの発電機のことを差しているのでしょうか? もし違うようでしたら、説明をお願いします。
A4です おはようございます まだ続いているのですね こういう問題は永遠の疑問?ですかね エネルギーは 仕事をする能力であり、 仕事= 力×距離 ですから ロケットを静止させるためだけなら エネルギーはなんら必要ないのではないですか 時々話題になるのは 重たい荷物を持ち続けると 汗もかくし、疲れるし、お腹もすくし・・・・・ 大変なエネルギーの無駄遣い! というケースですね。 この場合は荷物を持っているとき、人間の筋肉が絶えず細かく収縮と伸張をくり返しエネルギーを消耗しているんだよと聞いたことがあります。 ですから、机の上のロケット では問題なし。汗かきませんから! 注射器のロケットで空気が漏れなければ、これは注射器内部の空気分子の力(分子運動でロケットにぶつかる力 完全弾性衝突でエネルギーロスなしと聞いてます・・・) ですからこれもエネルギー不要。 穴があいているおんぼろ注射器ならば、空気漏れを補充しロケットが下に行かないための(噴出ガスによる反作用の力を獲得するため)ガス噴射に関わるエネルギーロス。 ということだと思います。
- tetsumyi
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台は変形し内部の分子結合を保つためにエネルギーを使っています。 また、地球は台を支えるためにわずかに変形し内部でエネルギーを使っています。 その証拠に台が弱いと破壊されますし、地盤が弱いと台は沈んで行きます。 一方、スペースシャトルは軌道上でエネルギーを使っていません。
- ojisan7
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考え直してみました。#8~#10の回答は誤りです。撤回します。正解は単純です。 ロケットを空中で静止させるためには、ガスの圧力でロケットを支えなければなりません。そのガスの圧力を生み出すために燃料を燃焼させ、ガスを発生しなければばりません。ガスは気体ですから、すぐに拡散してしまいます。圧力を維持するためには、絶えず、燃料を燃焼させガスを発生し続けなければばりません。 すごく、当たり前な結論になりましたので、回答に対する自信は「あり」とさせていただきます。 これに対し、台の上のロケットは、垂直抗力により、台から受ける圧力で支えられています。台は固体ですから、拡散して圧力が減ずることはありませんね。
- cosmic21
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>ロケットを空中で静止させるためには、重力による力とつり合う力をエネルギーを使って発生させなければなりません。 答えの半分が質問の中にありますよ。 自然界には様々な「力」がありますが、基本的に(1)重力(2)強い力(3)弱い力(4)電磁気力の4通りに分類できます。 このロケットの場合に考える力は(1)と(4)です。 (1)はもうおわかりでしょう。(4)は簡単に説明すると、原子同士や分子同士が結合できる力です。この力がないとすべての物体がバラバラになってしまいます。 で、台の上にあるロケットはロケットが台を押す力(重力)と台がロケットを押し返す力(電磁気力)がつりあっているだけなのです。エネルギーを考える必要はありません。 ロケットが空中で静止している場合は上向きの力を「人工的に」つくってやらないといけません。 ですから、ロケットが空中にある限りはエネルギーを注ぎ続けないといけないのです。 ロケットの全噴射エネルギーの何パーセントが上向きの力に使われたかというのはエネルギー効率の問題となり、また別の話になります。
- ojisan7
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>ガスは燃焼によってエネルギーを発生させているので、ロケットの失う位置エネルギーよりはるかに大きい運動エネルギーを持っていると思います。 確かに、燃焼によって、発生する熱は効率を落とすロスです。厳密には、 「ロケットの失うエネルギー(消費した燃料の位置エネルギーと化学エネルギーの和)」は「ガスの運動エネルギーと、発生した熱エネルギーの和」に等しい。ということになります。しかし、計算はめんどうですので、#9の回答は、問題を簡略化して説明しました。燃焼ガスによる厳密な計算が面倒な場合はペットボトルの水ロケットで計算すれば理解が容易だろうと推察されます。是非、確認してみて下さい。たぶん、この場合にも、「ロケットは、エネルギー保存法則を成り立たせるために、水を噴出する。」の推論は成り立つものと思います。
- ojisan7
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#8です。すみません。どうも、説明が循環論法のようですので、書き改めます。 ロケットのエネルギーERの減少率は、 dER/dt=-(dM/dt)gh ガスの単位時間あたりの噴出する運動エネルギーdEG/dtは、 dEG/dt=1/2v^2(dM/dt) となります。力学的エネルギー保存則より、 dER/dt+dEG/dt=0 が成りたたなければなりませんので、 1/2v^2-gh=0 となります。このエネルギー保存則の要請は、ロケットの位置エネルギーの減少分を噴出ガスの運動エネルギーが補っているものと解釈することが可能であることを示します。 1/2v^2-gh=0より、 v=√(2gh) (1) となりますから、噴出ガスの速度は一定値を示します。 ガスの噴出する運動量と、ロケットの力積の関係は、 -vdM=Mgdt (2) となりますから、(1),(2)より、ロケットの質量Mが時間tの関数として導かれます。 M=M0・e^{-√(g/2h)t} となるでしょうか? ともかく、強いて、エネルギーで考えるならば、空中で静止したロケットは、「エネルギー保存法則を成り立たせるために、燃料のエネルギーを使っている。」ということになります。 しかし、空中で静止したロケットが、静止した状態を維持するためには、上向きの力を加え続ける必要があります。このとき、必要な物理法則は運動量と力積の関係式(2)です。エネルギーの関係式は必要としません。
- ojisan7
- ベストアンサー率47% (489/1029)
興味深いご質問だと思います。私も質問者さんと同様の疑問をいだいておりました。以下は私なりの解釈です。 結論を言えば、空中で静止したロケットは、「エネルギー保存法則を成り立たせるために、燃料のエネルギーを使っている。」ということになります。 本体の質量と燃料の質量を合計したロケットの質量をM、また、空中に静止しているロケットの高さをh、ロケットの噴射口から出るガスの速度をvとします。ガスの噴出する運動量が、ロケットに力積を与えます。すると、 vdM=Mgdt (1) となります。つぎに、エネルギーについて考えましょう。ロケットは静止しているので運動エネルギーは0ですが、燃料を使った分だけ軽くなりますので、位置エネルギーは減少しています。保存法則から、ロケットの失うエネルギーはガスの運動エネルギーに等しいはずです。すなわち、 (dM)gh=1/2・(dM)v^2 (2) となります。実際、ロケットのエネルギーERの減少率は、 dER/dt=(dM/dt)gh ガスの単位時間あたりの噴出する運動エネルギーdEG/dtは、 dEG/dt=1/2v^2(dM/dt) となりますが、(1),(2)より、 dER/dt+dEG/dt=0 が導かれるはずです。このことは、ロケットの位置エネルギーの減少分を噴出ガスの運動エネルギーが補っているものと解釈することが可能であることを示しています。 ところで、台の上に静止したロケットについて、力学的エネルギーの保存法則が成り立つことは申すまでもないことですね。
補足
数式を使った詳しい説明をありがとうございます。 いくつか疑問があります。 まず、dER/dt+dEG/dt=0は(2)以下の式から導くとdER/dt-dEG/dt=0ではありませんか? このとき(1)式は関係がないように思いますが・・・。 また、 >保存法則から、ロケットの失うエネルギーはガスの運動エネルギーに等しいはずです。 と、前提もしくは仮定があって、 >ロケットの位置エネルギーの減少分を噴出ガスの運動エネルギーが補っているものと解釈することが可能 と結論がありますが、前提がそのまま結論になっていて途中の説明が関係ないように思います。 Aが成り立つと仮定すればAは成り立つと言っているような気がしますが、どうでしょう? 最後に、そのロケットの失うエネルギーはガスの運動エネルギーに等しいという仮定自体が成り立たないように思います。 ガスは燃焼によってエネルギーを発生させているので、ロケットの失う位置エネルギーよりはるかに大きい運動エネルギーを持っていると思います。 同じになるとしたら、ロケットから推進剤をただ落とした場合なのではないかと思いますが、どうでしょう? よろしければ、補足説明をお願いします。 ただ、この数式で考えるのはいいですね。 ちょっと自分でも考えてみます。
- jun502
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質問者さんは、仮定で考えるべき問題と現実の事象として捕らえる物事がごっちゃになっているために混乱しているのではないかと思います。 地表からある高さにロケットを静止させるために、台を使うかロケットの推力を使うかという仮定を考えており、台の場合「ある高さに固定されている」という仮定がされていますが、はじめは地表にあって何らかの方法でそこまで運んだわけですから(ハンドルを回すと支柱が伸びていくような仕組みだとしても)、地表からそのある高さまで運ぶときに、mghの位置エネルギーが必要です。 一方、ロケットの噴射を使う場合ですが、地表からある高さの位置まで飛びあがるのには、ロスの無い理論値で考えると先ほどと同じ位置エネルギーのmghが必要になります。最初は運動エネルギーを与えるとしても、mgh相当のエネルギーだけを与えればいいわけです。 ところが、現実はそうは行きませんよね。まず台ですが、これは宇宙まで届くような台を作ろうと思っても、その重さに耐え切れるような素材が無いです(または地面が耐え切れない)。 次に実際のロケットでは、ガスが拡散しようとする性質があるため、噴出してもロケットを支えてくれる台のようにはなってくれないため、どんどん噴出して支えなくてはならないわけです。 ここでもしガスが拡散しないような仕組みとして、注射器の筒とピストンのように上だけ穴が開いていて、ロケットの下側は完全に密封した筒が作れたとして、そこにロケットがガスを注入(無理に燃焼させなくても良い)していくと、ガスといえども物体ですから、徐々にロケットは浮き上がっていきます。そしてある高さまで浮き上がらせることが出来たら、それ以上ガスを注入しなくても、つり合ってロケットは静止し続けます。 このように理想の系の理屈だけで考えると、一度つり合ってしまえばロケットにエネルギーを与える必要はなくなってしまいます。 しかし、実際には宇宙は開放系であるためにガスは拡散をしてしまい、ロケットを支える台にはなってくれません。そのためガスの噴出という部分にエネルギーを費やしてロケットを支える必要があるのです。それ以外にも現実には空気抵抗や熱・光になってエネルギーが逃げていくとロスする要因が様々にあるために、位置エネルギーの理論値であるmghだけでロケットをある高さまで持ち上げることが出来ないのです。 はじめにも書きましたが、質問者さんが混乱してしまっているのは、仮定上で成り立つ話と現実の話がごっちゃになっている為だと思われます。ひとつひとつ仮定の話なのか現実の話なのか整理していくと、疑問になっていた部分が解けてくると思います。
補足
ご回答ありがとうございます。 私の質問の仕方が悪かったせいで、一部誤解されているように思います。 もうちょっときちんと説明してみます。 まず、台の上で静止している場合とロケットの推力で静止している場合はどちらとも、地表から同じ高さで静止している場合と考えてください。 地表から上がって行ったことは考えない下さい。 とにかく、位置エネルギーは同じでロケットの運動エネルギーは両方とも0の状態です。 あと、台は宇宙まで届く場合でなくても構いません。 現実にある状態として発射台の上とかでいいと思います。 以上が誤解を生んだ部分だと思います。 分かり難くて、すみません。 で、今回のご回答で重要な部分は開放系であることだと感じました。 No6の考え方と同じですね。 そうなると、開放系にあるロケットは常にエネルギーを失っている状態で、同じ状況を維持するためにはエネルギーを供給しなければならないと考えましたが、合っていますか? そのエネルギーと支える力には何か関係があるのでしょうか?
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お礼
ご回答ありがとうございます。 数式を見てようやく理解できてきました。 ロケットから噴射する質量が大きくなればなるほど使われるエネルギーが小さくなって、質量が無限大、つまり台になればエネルギーが0になるということですね。 この考え方で、台に乗っているロケットとガスを噴射して静止しているロケットの状態が一つにつながりました。 これらの式で考えるとエネルギーと力は何らかの関係があるようで関係ないのですね。 なんとなく、実際にはエネルギーが大きいほうが大きな力が出そうですが・・・。 それは、質量を一定とした場合なんでしょうかね。 一応、これで私の質問は解決しました。 みなさんありがとうございました。 とりあえず、ギリギリまで質問を締め切らないので、他の意見がある方は、ぜひ書いて下さい。