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背景イラスト
人物などのイラストは結構描いたりするのですが、背景とかをあまりちゃんと描いたことがありません。どのようなことから始めたらよいでしょうか。ちなみに、将来ゲームデザイナーになりたいと思っています。なので、いろいろな世界観の背景とかを描ける様になりたいと思っています。詳しい方は何かアドバイスをお願いします。
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一枚のイラストの中で一番難しいのが背景だと言われます。ひとくちに背景といってもいろいろなシーンがありますが、どんな背景であっても、正しい理論にしたがって正確に光景を描き表すことがなによりも大切です。 正確に・・・ということは、言い換えれば現実感とか存在感といったことにもなるでしょう。もちろん街の風景だとか室内の光景、あるいは、時には下水の暗渠の中だとか空調のダクトの中、身体の中、宇宙空間、といったものについてはそれなりの理論と知識と描写力によって正しく描けば描くほど現実感が増します。なぜなら、こうしたシーンには共通する「姿の常識」というものがあるからです。 しかも、たとえ現実には存在しないようなSF風のシーンだとか、想像の世界のシーンだとかですら、そこには「このようにあるはずだ」といった、理論に基づいた正確性と存在感が求められます。 あるイラストレーターは仏教関係の絵を得意としていますが、例えば極楽の蓮の花一本ですら、その質感や色、光線の当たる角度や影、そしていかにも蓮らしい姿が書き出されています。しかし、こうしたことも知識がなくては、そして描写力がなくては、到底描くことができないものです。 しかも、ゲームデザイナーを志すとなると、さらに、これらのシーンでの「視点の移動」がともないますから、ひとつのシーンを角度や位置を変えて表現できなくてはなりません。 街の風景でいえば、手前から先の方までどんなビルが並んでいるか、お互いのビルが隣のビルに落とす影はどのような形になるのか。光線に当たった壁の色と陰になった面の色は、ガラスに映りこんだ周りの風景は・・・といった具合に気を配って描くことになります。 しかも、こんな一枚の風景画を、視点を変えて見た時にどのように見えるか、これもかなり専門の知識といったものが必要になります。視点を変えれば、例えば空中に上がれば、次第にビルの一階部分は細く見え出し、そして屋上にある物が見えてくるはずです。 ビルの屋上にはどんな設備があるのが常識なのか、それはどんな姿でなくてはならないか、ここに知識が求められるのです。 ですから、ご質問者様は「いろいろな世界観の背景」を描きたいとおっしゃいますが、経験者から言わせて頂きますと、今目の前にある風景が描けなくては、おそらくどんなシーンもまともには描けないはずです。 ではどうすればよいか。最近では、パソコンとそれ専用のソフトを使えば、取り込んだ写真を元にして3Dに変化させ、さらにそれを画風に変換させるワークも可能です。 しかし、わたくしの知る限り、そのような小手先のテクニックに習熟したようなイラストレーターは、ちょっと見には上手そうに見えるものの、その実すぐ行き詰ってしまうようです。 なぜなら、そこには自分自身の中に表現力とか想像力、そして基礎的な理論と常識といった素質が欠けているからです。表現力とはパソコンがなくてもある程度は正しく表現できる能力と言い換えてもいいでしょう。 表現力を養うには、一にも二にもスケッチを繰り返すことです。スケッチを繰り返していれば、モノのあるべき常識的な姿が自然に分ってきますし、それを紙の上に再現する能力も養われるからです。なるほど、そうか・・と、その大切さだけでも掴めたらかなり前進できたといえるでしょう。 さらに、風景は先に行くほど小さくなり最後は一点に集中するというパース(パースペクティヴ)の理論、建物の窓が遠くなるにしたがって次第にその幅を狭めて見える、その寸法の見つけ方、あるいは建物に投げかけられる隣のビルの影の形といったものは、たとえば工学部に進学すれば必須科目となる「図学」によっても正確に求められます。こうしたものを少しでも齧って知っていると大変役に立ちます。 背景専門のデザイナー、イラストレーター、こうした職種を目指す若い人は大変多いものです。たしかに自分のウデを生かした職業であり、また時代の先端を行くといった魅力もあるのでしょう。 しかし、この世界は大変厳しいものです。SF的な背景が得意です、自信がありますから・・・などと面接で言う人も中にはいますが、それじゃあちょっとここから見える街の風景を書いてごらん・・・というとまるで描けない、こんな人は幅が狭い、到底まともなSFシーンなどは描けないと判断されてしまいます。 こんな大変厳しいことを書いたのは、ご質問者様にはぜひ、どこでも通用する有能なイラストレーターになって欲しいからです。 もちろん他人の作品を見るというのはとてもいいことです。イラストだけでなく、世界の名画も見てください。そこにはハッとするほどのリアリティがあり、表現の上手さがありますから。そしてしっかり刺激されて下さい。これらもまたご質問者様の感性を養ってくれるでしょう。 しかし、あくまでも描くのはご自身です。ましてこの仕事で生活を支える、メシの種にする・・・ということでしたら、とにかく基礎から一歩一歩と時間をかけて下さい。 図学の参考書ぐらいなら古本屋でも見つけられますからぜひ読んでほしいところですが、この分野での専門知識というものは「ありとあらゆるところ」から得るものです。そしてそれこそがイラストレーターとしての知的財産であり、テクニックであり、コツでもあり、自信にもつながります。 逆に、これを読んだらイラストのことは全部分るなとといった便利な参考書はありません。とにかく仕入れた知識を織り込みながら、あーでもない、こーでもない・・・と描いて描いて、描かなくては上達しませんし、描けば描くほどウデは確かになります。デザイナー、イラストレーター、こうした職種には近道などは絶対にありません。 おわりに、60~70年代のアメリカの自動車のカタログ、この当時ではカタログはすべて手描きで作られていました。それは、写真よりも鮮明に仕上がるイラストというワークを多用したためですが、商品である自動車はそれ専門の人、そして背景はこれまた専門の人と分業で作業をし、最後に背景に自動車の絵をはめ込むという手法を採っていました。この時代にあっては、カタログの背景イラストレーターはその仕事だけで名声を得ていたものでした。一度機会があったらご覧になって下さい。背景だけでもそれはまさに素晴らしい作品ですよ。(デザイナー・イラストレーター)
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No.2です。 私もあまり知らないのですが、、 たとえば背景美術というとジブリ映画で有名な男鹿和雄さんが画集を出されてます。 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4198605262 「この商品を買った人はこんな商品も買っています」を見ると他にもいろいろありそうですね。 これは今初めて見つけたサイトです。 http://www.sakigake-adb.co.jp/kyo/interview/oga/index.html どういう絵柄が好きかにもよりますよね。 ジブリ作品と北斗の拳じゃ違いますし(笑)、士郎正宗も違うでしょう・・・。 昔『アニメージュ』なんぞを読んでいまして、そこでアニメ「オズの魔法使い」の背景を紹介していたんです。あれなかなか好きだったんですけどね。誰だったっけかなと探してみたら、丁寧にサイトを作っているファンの方がいらっしゃるんですね・・・いやいや、懐かしい。 http://members3.jcom.home.ne.jp/ozu_1/Oz/de-ta.html 門野真理とありますが、検索してみると門野真理子さんのようです。 いろいろ有名な作品の背景を描いてる有名な方みたい。 背景に関する本だけでなく、普通にやってるいろいろな作品のバックを見てみては? 影響受けすぎるとまずいですが、シロマサはこれ。。 コノヒトはゲームのメカデザインなんかもやっているのでは。何年か前の絵柄が個人的には好きです。 http://www.seishinsha-online.co.jp/shirow.html どんなのがお好みか分からないのでバラバラと書いてみました。
お礼
いろいろご教授ありがとうございます。 最近は学校の建物とか階段とか吹き抜けとかいろいろな物を描いています。パースとか光の印象とかを捉えるのは難しいですが、とても面白いです。 挙げていただいた本、ぜひ参考にしていただきたいと思います。
- kouun-takamura
- ベストアンサー率39% (208/521)
無表情なキャラクターのバストアップ絵ばかり描いていませんか? 笑顔ばかりでも、無表情なのと同じです。 背景と人物を分けて考えないでください。 ラフスケッチやデザイン画なら、人物だけでも良いのですけどね。 世界観がきっちりしているなら、建物や小物のデザイン画をキャラデザインと平行して描き貯めておきましょう。 ちゃんとした絵を完成させるなら、まず「状況」を考えます。英語の5W1Hみたいなものですね。 ●いつ---季節はいつか。季節に合った服装をしているか。時間は?光源の位置は時間とあっているか?そのシーンには昼間・夕方・夜などいつが似つかわしいか。 ●どこで---屋内?屋外?お城?ショッピングモール?ビジネスビル?公園?などを考える。屋内なら、窓の位置や照明の種類も考えて配置して、場面にふさわしい光を演出する。 ●だれが---身分や職業は?その人にふさわしい服装なのか?服装や身振りで性格が表現できます。(このぶぶんで、FF7~などは下手でしたね。見た目のかっこよさはあるけど、人物の性格表現が伴っていない) 性格により、出向く場所も変わってきます。というか、その人物の性格がうまく表現できる場面設定をしてあげるといいです。 ●何をしているところなのか。---笑っているならなぜ笑っているのか。複数人物なら互いに何をしているのか。画面の外に人物はいるのか?どういう設定でその場面が描かれているのか。 などなどを考えれば、おのずと背景が決まってきます。(人物のポーズなども決まってきますね) 場面が決まって、構図を決定するのは、自分が映画のカメラマンになったつもりでどの方向から見たらより良いか考えます。 必要な背景を描く画力を得るには、練習しかありません。 スケッチブックを持って街中に出かけて描くまくったり、写真や絵の模写をして練習しましょう。 簡単な遠近法の勉強も必要です。
お礼
回答ありがとうございます。確かに局所的な描き方をしていたかもしれません。もっと全体感を大切にした絵を描こうと思います。
アニメーションなどの世界では「背景美術」という言葉がありますよ。検索したら何か参考になるものがあるかも? http://www.google.co.jp/search?sourceid=navclient&hl=ja&ie=UTF-8&rls=GGLD,GGLD:2005-22,GGLD:ja&q=%e8%83%8c%e6%99%af%e7%be%8e%e8%a1%93 人気マンガ家の作品の背景はアシスタントさんが描いたりするんでは。 http://www2.plala.or.jp/JAC/whatsasi.htm
補足
もし、良い刺激を受けそうな画集などを知っていたら、ぜひ教えてください。自分でデッサンなどをして技術を磨くことも大切ですが、他の方の作品も見たいです。しかし、空間を描いたもの(人物が中心ではない)っていうとなかなか見つからないです。 なんだか言葉足らずですいません。
- times3
- ベストアンサー率23% (858/3649)
色々な物を見て描いてください それだけ(^^;
お礼
まったくそのとおりですね。回答ありがとうございます。
お礼
回答ありがとうございます。特別な世界観とかではなくて、身近な風景を視点を変えたりしても、そのたたずまいがそこにあることを表現できるほうが大切ですね。なんだか、ゲームというカテゴリーで考えすぎていたようです。 自動車のカタログというのは考えつきませんでした。ぜひ参考にしたいと思います。 勉強は苦手ですが、図学もがんばってみます。そしてそれ以上に、描きます。 ありがとうございました。