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「n の n 乗根」について
電卓と戯れていて興味を持ったのですが、n = 1 から始めてだんだん n の値を大きくしていくと、n の n 乗根の値が最大になるのは、n = e(2.718281828…)の時らしいことに気づきました。 そこで質問なんですが、このことは、数学的に証明されているのでしょうか?(○○○の定理という名前がついているとか) また、この結果の数値(1.444667861…)は、自然科学的にみて何か意味のある数値なんでしょうか?
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[電卓と戯れていて興味を持ったのですが、n の n 乗根の値が最大になるのは、n = e(2.718281828…)の時らしいことに気づきました。] 電卓で調べて発見したのですか。すばらしいですね。 [また、この結果の数値(1.444667861…)は、自然科学的にみて何か意味のある数値なんでしょうか?] きっと、何か大きな意味があるんじゃないか、とあなたの問いかけを見て、思いました。 [数学的に証明されているのでしょうか?] 証明は高校で学習する微分(理系の人だけ学ぶ進んだ微分)を用いると、比較的簡単にできます。 [(○○○の定理という名前がついているとか)] 定理名は無いと思います。これに定理名が付いているのを見たことがありません。 「証明」 X のX乗 を X^X と書きます。 さて、「n乗根」 というものは、「1/n乗」 と同じです。 たとえば、「8の3乗根」 は、「8の1/3乗」 と同じです。 試しに、この「8の1/3乗」を3乗してみると、 (8^(1/3))^3=8^(1/3 * 3)=8^1=8 (* は 「掛ける」の意味の記号です) 8になりますね。 「3乗すると8になる数」だから「8の3乗根」です。 こうして、「8の1/3乗」は「8の3乗根」ということがわかりました。 同様に、「n の n 乗根」 は、「n の1/n乗」 と同じです。 そこで、「xのx乗根」を y と置いて、 関数 y=x^(1/x) の最大値を微分法によって考えてみましょう。 「何々の何乗」といった式はそのままでは扱いにくいものです。 その扱いにくいものを扱いやすくする方法として、考え出されたのが対数です。 y=x^(1/x) の両辺の対数というものを作ると、 Log[e](y)=Log[e](x^(1/x)) この[ ]内の数を底(てい)と言います。 Log[e]( A * B ) の形の式は、 Aの上に乗っかっているBをLogの前に出して、B*Log[e](A)と積の形に直せる、 という法則があります。 これを使うと、Log[e](x^(1/x))は、x の上に乗っている(1/x)をLogの前に出して、 (1/x)*Log[e](x) と積形に直せます。すると、 Log[e](y)=(1/x)*Log[e](x) ---(@) ここで、両辺を微分します。 その際、知っておかなければいけないことが5つあります。 (1つ目) Y=Log[e](x) を普通に微分した答え(導関数と言います。)は、Y'=1/x です。 (2つ目) このY'をdY/dx と「分数のように」書くことがあります。 だから、dY/dx= 1/x です。 dY/dxは、Yをxの関数と見て微分したもの、という意味の記号です。 「分数のように」と書きましたが、実際「分数のように」計算している みたいなシーンが登場することもあります。「(5つ目)」に出てきます。 (3つ目) Yが2つの関数f(x)、g(x)の積になっているとき、つまり、 Y=f(x)*g(x) のとき、これを微分した答え(導関数)は、 Y’=f’(x)*g’(x) じゃなくて、 Y’=f’(x)*g(x)+f(x)*g’(x) で求まります。 (@)の右辺は 1/x と Log[e](x) の積ですから、微分すると、 (1/xの微分)*Log[e](x)+(1/x)*(Log[e](x)の微分) =(-1/x^2)*Log[e](x) +(1/x) *(1/x) となります。 (4つ目) Y=g(u) で u=f(x) のとき、 Y=g(u)=g(f(x)) と書けますね。 xをYに対応させるこの関数を、fとgの合成関数と言います。 (5つ目) dy/du=g'(u) ---yをuの関数と見て微分したときの答えがg'(u) du/dx=f'(u) ---uをxの関数と見て微分したときの答えがf'(u) のとき、y' つまり、 dy/dx は、dy/du とdu/dxの積で求まります。 これを使って、左辺を微分します。 z=Log[e](y) と置きます。(また、y=x^x です) dz/dx=(dz/dy)*(dy/dx) =(zをyで微分した答え)*(dy/dx) =(1/y)* (dy/dx) 以上の補足で、(@)の両辺の微分が次のようになることがわかると思います。 (@)の両辺を微分すると、 (1/y)* (dy/dx)=(1/xの微分)* Log[e](x)+(1/x)*(Log[e](x)の微分) =(-1/x^2)*Log[e](x) +(1/x) *(1/x) =(1/x)^2*(-Log[e](x)) + (1/x)^2 *1 =(1/x)^2*(1-X*Log[e](x)) この両辺にyを掛けて、導関数は dy/dx =(1/x)^2*(1-X*Log[e](x))* y =(1/x)^2*(1-X*Log[e](x))*x^(1/x) 関数y=x^(1/x)はxが0より大きい場合で考えますので、ここに出てきた(1/x)^2やx^(1/x)は0より大きい正の数です。 y’=0 とすると、 1-Log[e](x) =0 ∴Log[e](x) =1 ∴x=e^1=e y’>0 とすると、 (1-Log[e](x))>0 ∴1>Log[e](x) ∴Log[e](x) <1 ∴x<e^(1)=e ここで、x>0がもともとの条件としてありますので、 0<x<e y’<0 とすると、 (1-Log[e](x))<0 ∴1<Log[e](x)) ∴Log[e](x) >-1 ∴x>e^(1)=e 以上から、この関数y=x^(1/x)の増減は、 0<x<e のとき、y’>0 より、増加の状態、 x>e のとき、y’<0 より、減少の状態、 となりますから、この関数は、 x=e のとき、最大値をとることがわかります。 xが0からeの間の数 のとき、 xが増えれば増えるほどx^(1/x)は大きくなり、 x=e のとき最大になり、 xがe より大きくなると、 xが増えるに従って、x^(1/x)はだんだんと減っていく、 ということがわかります。 最大値は、x=e のときで、 y=x^(1/x)=(e)^(1/e)=(eのe乗根) 2.718281828…の2.718281828…乗根が最大 って、何か深遠な意味があるかもしれませんね。
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- mickel131
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No.5の回答の中の式の一部に間違いが、残っていましたので、訂正致します。 「以上の補足で、(@)の両辺の微分が次のようになることがわかると思います。 (@)の両辺を微分すると、 (1/y)* (dy/dx)=(1/xの微分)*Log[e](x)+(1/x)*(Log[e](x)の微分) =(-1/x^2)*Log[e](x) +(1/x) *(1/x) =(1/x)^2*(-Log[e](x)) + (1/x)^2 *1 」 ここまではいいのですが、この次の行の式に間違いがあります。 =(1/x)^2*(1-X*Log[e](x)) とありますが、正しくは、 =(1/x)^2*(1-Log[e](x)) で、Log[e](x)の前に付いている変なxを取り除いてください。 その2行下、3行下にも同じ式中に出てくるので、Log[e](x)の前に付いている不要なxを取り除いてください。実はこのxは、投稿前に計算の間違いに気付いて1度計算し直し、式を書き直した際に、取り除き損なったものです。 ついでに、対数がわかりにくい思いますので、 対数について、補足しておきます。 「対数」というものは、外国語のようなものと思ったらいい、と思います。 「2の3乗が8」 ということを、対数Logを用いた言葉に翻訳して言うと、 「Log[2](8)=3」というのです。 日本人なら「2の3乗が8」と言うところを、何か訳のわからん言葉を喋っている、黒船に乗ってやって来た目の青い連中が 「Log[2](8)=3」と言っている、そんなイメージでとらえたら解りやすいと思うのです。 だから、「3の2乗が9」だったら、「Log[3](9)=2」となるし、 「5の0乗が1」だったら、「Log[5](1)=0」となるわけです。 逆に、彼らの言葉で「Log[2](32)=5」と言っているのを、通訳が日本語に直したら、「2の5乗=32」となるわけで、変に聞こえるけど、言ってる内容は変じゃないわけです。ちんぷんかんぷんな言葉だけれど、わかる言葉に直す方法さえ、知っていれば、納得できてくるわけです。 さて、「2の3乗が8」 ということを、「Log[2](8)=3」なんて言うのは、めちゃくちゃですね。一見、滅茶苦茶に見えるけれど、実は彼らには我々とは違う考えがあって、そんな言い方をしているのです。実は、「Log[2](8)」とは、 「2の何乗が8になるか?」という問いの答え、という意味なのです。 「2の3乗が8になる」から、その答えは3。これを、彼らは、 「Log[2](8)=3」 と表現しているんです。何で素直に「2の3乗が8」って 言わないのか、って言っても、文化が違うからしようがありません。それに、彼らは、「何乗か?」ということに異様な程、関心を持っている人々なのです。 だから、常に、何の「何乗」が何になるか、を考えて、物を喋っているわけです。 そんな人たちにわかるように、話してあげるしかないわけです。 ・・・なんていう、イマジネーションで、対数を捉えてみる試みに、付き合って戴きました。無理やり引き込んでごめんなさい。それでは。 (蛇足) それから、これはこうした方が、わかりやすいかも・・・、という観点から導入したイメージであり、筆者の説明上の工夫に過ぎません。青い目、とか、やつらとかいう言葉を使っても、筆者は、西洋人に対して、蔑視等の気持ちはありませんことを、お断りしておきます。また、実際の西洋人が上で書いたような思考をしている、と信じ込む人はないと思いますが、念のため、「これは、理解するための、単なる想像であって事実ではない」ことを明記しておきます。
お礼
わざわざ補足ありがとうございます。
蛇足に蛇足、しかも、他人からの蛇足になってしまいますが・・・ >ついでに,x^x は x=1/e で最小になります. >お暇でしたらどうぞ. y=x^x^x^・・・ は、確か、[e^(-e),e^(1/e)]で定義されるそうです。(オイラー) 証明はともかく、説明なら割と簡単にできます。 ヒントは、y=x^x^x^・・・→y=x^y 驚くべきは、e^(1/e)は1より大きいことです。
お礼
回答ありがとうございます。
- sssohei
- ベストアンサー率33% (33/98)
たいしたことじゃないのですが^^ > ところで、この式を > -(1/n)log(1/n) > と変形すると、情報理論でお目にかかるものになります。 > 参考URLの「エントロピーとは?」というところを見て下さい。 > n=eの時の値に意味があるかどうかも、私は知りません。 このn=eのとき最大になる 「eにちかい整数は2と3。どちらかといえば、3の方が近いですが、2進数であらわすというのは結構、合理的と言えます。」 というような記述は見かけたことがあります。
お礼
回答ありがとうございます。 エントロピーの件も、難しくて私には理解できませんでしたが、奥が深いのですね。
- siegmund
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蛇足です. ○○○の定理という名前なないと思います. 有名な数学者のガウスはこういうことが好きだったようです. もちろん電卓なんてないころのお話. e^π とかそんなものを十桁,二十桁,手で計算したようです. 単に遊びではなくて,楕円関数などの関係式を得るヒントにもなっていたようです. 高木貞治の「近世数学史談」にはそういうことが書いてあります. (今手元にないので,細かいところは記憶違いがあるかも知れません) ついでに,x^x は x=1/e で最小になります. お暇でしたらどうぞ.
お礼
回答ありがとうございます。 やはり名前は無いのですか。何か深遠な意味があるのかと思ったもので…
- ranx
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対数をとってみましょう。 (1/n)log(n) となりますね。 n=eの時に最大となるのは、微分してみればすぐ分かります。 名前のある定理なのかどうかは私は知りません。 ところで、この式を -(1/n)log(1/n) と変形すると、情報理論でお目にかかるものになります。 参考URLの「エントロピーとは?」というところを見て下さい。 n=eの時の値に意味があるかどうかも、私は知りません。
お礼
回答ありがとうございます。 数学は昔から苦手なので話が難しかったですが、n=e の時に最大となることは証明できるのですね。
お礼
回答ありがとうございます。 n=e の時に最大になることが、ようやく納得できたような気がします。 (最初、読んでいて目が回ってしまった(^^)のですが…)