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流布は良い意味でも使われる?
風説の流布という言葉が流行ったせいでしょうか。流布という言葉に悪いものが世間に広まることというイメージがあります。しかし、辞書を見ても単に「世間に広まること、また広めること」とあるだけです。特に注釈はありません。 良いイメージ、とりわけ良し悪しのない情報が広まるときに流布という言葉を使ってもよろしいですか?
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問題ないと思います。 以下、青空文庫で用例を検索してみました(抜粋) 「(略) 三十七年の夏に『一葉舟』や『落梅集』から散文の部を省いて、合本一卷とした。私の詩集として世に流布してゐるものがそれである。」 島崎藤村『藤村詩抄』 「但し「奉教人の死」は本邦西教徒の逸事であつたが、「きりしとほろ上人伝(しやうにんでん)」は古来洽(あまね)く欧洲天主教国に流布(るふ)した聖人行状記の一種であるから、予の「れげんだ・おうれあ」の紹介も、彼是(ひし)相俟(あひま)つて始めて全豹(ぜんぺう)を彷彿(はうふつ)する事が出来るかも知れない。」 芥川龍之介『きりしとほろ上人伝』 「日本に於ては今日まで訳されて 一般に流布する見込みの立たなかつた作品だ。」 坂口安吾『欲望について』 「そこから出て、諸国に淡島信仰を流布し、下の病で苦しむ女を救うて歩いた。」 折口信夫『人形の話』 「「忍術」の参考書として、世間に可成り充分に流布されている「正忍記」一冊さえ読んでいないらしい大衆文芸作家が転がっているのには驚くにたえる。」 直木三十五『大衆文芸作法』 「そをいかにといふに、凡そ民間學の流布したることは、歐洲諸國の間にて獨逸に若くはなからん。」 森鴎外『舞姫』 「坊主が酒を 般若湯というということは世間に流布しているが、鶏を鑽籬菜(さんりさい)というということは本を読まないものは知らない。」 森鴎外『鶏』 「幸いに、拙者を泊めてくれた居士は、まだ世間に 流布 されていない秘本を ずいぶん持っていましたからね」 中里介山『大菩薩峠 他生の巻』
お礼
こんなに用例を出していただいてありがとうございます。とっても参考になりました