いろいろなパターンがあるでしょうね。
○ほぼリアルタイムで,人々の間で特定の呼び方が生まれる。(例はすぐには思いつきませんが)
○後世の作家が命名する。歴史上の事件をネタにした歌舞伎や講談の中で出てきた呼び方が定着する。
○後世の歴史学者が命名する。これは多そうですね。
○特定の政治家なり機関なりが命名する。たとえば「大東亜戦争」は当時の日本政府が名づけたものです。No.2の回答の「警察が決める」もこれに含まれるでしょう。
○マスコミ(江戸時代ならかわら版か)が名づける。警察が扱うような事件の場合,時には,警察の名づけた正式な事件名より,マスコミの簡略な呼び名のほうが通じることもあるでしょう。
最初のうちは呼び名がまちまちであっても,やがてなんとはなしに統一されていくことが多いのでしょうね。
1991年の湾岸戦争のときは,前年にイラクがクウェートに侵攻して緊張が高まっている間に,マスコミの間で「湾岸危機」という言い方が定着したので,戦争の初日から「湾岸戦争始まる」という大見出しが新聞に載りました。
このように最初から呼び名が付いているのは非常に珍しいですね。太平洋戦争の始まった日の新聞に「大東亜戦争始まる」とは書いていません。
ただ,5.15や2.26がいつ,誰によって命名されたかはちょっと分かりません。当時の新聞では少なくともそのような呼び方はなかったはずです。
中国や韓国では歴史上の事件(特に政変とか内乱とか,民主化運動への弾圧とか)を日付で呼ぶことが多いので,日本にもその影響があったのかな?とも思いますが。
韓国を例にとると,朝鮮開放(日本敗戦)→8.15,朝鮮戦争勃発→6.25,光州事件→5.18などと呼びます。(それぞれ,1945年,1950年,1980年の事件です)
また中国の天安門事件は,(本土では分かりませんが香港などでは)6.4と呼ぶようです(1989年6月4日)。
「応仁の乱」のように年号で特定の事件や改革(享保の改革,など)を表すのもこれに近い発想ですね。案外,江戸時代あたりの歴史家の間でも使われていたような気がしますが(全く自信ナシ)。
歴史学関係の学術雑誌などに,事件名の呼称に関する論文がありそうな気がします。
あるいは,そういった本が出ているかもしれません。調べてみたら面白そうです。
これ以上は詳しい方の回答に譲ることにしましょう。
なお,自然災害のうち顕著なものは気象庁が命名しています。
特に前の回答で阪神・淡路大震災が出ましたので,一筆しておきます。
この地震は,まず気象庁によって「兵庫県南部地震」と命名されました。従って,毎日新聞も当日(95年1月17日)の夕刊ではその名前を用いています。
同紙は翌朝,「阪神大震災」という呼び方を始めました。他社はいろいろな呼称を用いていましたが,1週間ほどで各社とも「阪神大震災」になりました。
「阪神・淡路大震災」とは,地震発生から1ヶ月ほどたって,この地震による【災害】に対して政府が名づけた名称です。したがって,法律など公文書で,この地震による被災者への救援を云々などと書く時は,はもっぱら「阪神・淡路大震災」を用います。
自然現象としての【地震】,つまり1月17日の大地の揺れそのものを指す名称は「兵庫県南部地震」で変わりありません。
兵庫県南部地震は1分間で終わりましたが,阪神(淡路)大震災は長く続いているといえましょう。
ただ,マスコミの報道のほとんどは,地震と災害を区別せずに全部一緒くたにして「阪神大震災」と呼んでいるのが多いです。
肝心の回答が曖昧なくせに,長々と書いてしまってすみませんでした。私も詳しいいきさつが知りたいです。
補足
…そういうことではありません。 事件の名称は「誰が」付けたかです。