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「直接衝突」機構と「錯体生成」機構による生成物の違い
気体の反応の代表的な機構に 「直接衝突」機構と「錯体生成」機構がありますが その違いによって生成物の状態が変わってくるらしいのですが どう変わってくるのでしょうか?
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>私の考えだと「直接衝突」機構と「錯体生成」機構における生成物の状態の違いは 回転しているか、振動しているかだと思うのですが。 なかなか面白い考え方だと思います。特に量子化学以前の世界で、例えばブロモ-クロロ-イオド-メタンにフッ化物イオンをぶつけてみたとしましょう。 フッ化物イオンのぶつかった反対側のハロゲン原子がハロゲン化物イオンイオンとしてとび出していき、ワルデンハンテンが起きますね。(フッ化物イオンの「相対的運動」エネルギーが充分ならばとした場合ですが) この場合Jaica様が仰るように回転している基質のどの位置によるかだけで生成物が決まります。 しかし、量子論的な考え方では相互作用は「光の速さ」で生じます、特にいま考えたSN2反応やSNR(ラジカル置換)の場合電子のやりとりが起こる前に電荷のやりとりが起き、フロンティア電子がSN2の場合なら基質のLUMOに入った場合の寄与が起き初めます。 既にフッ化物イオンが「無限遠」にあるときからその効果は起き始めています。 さて熱力学的機構の方については既に#1で述べてしまったので、「直接衝突」でしか起き様の無い反応について補っておきましょう。 上記のブロモ-クロロ-イオド-メタンにフッ化物イオンをぶつけてみたときにもどります。 このときフッ化物イオンが水素を引き抜いていって仕舞ったらどうなるでしょう、あとにはブロモ-クロロ-イオド-メチル化物イオンが残って仕舞います。 このような反応は少ないですが必ず起きる反応で、熱力学的にも速度論的にも後戻りしがたいので、かなり大きな寄与があると思います。 いずれにせよ、「回転」(マイクロ波領域)や「振動」(赤外線領域)の分子運動は遅いので、充分速い速度で生成物が突び去ってしまった時には、それを取り戻すことは出来ません。 以上Jaica様のご質問には完全には答えられていませんが、それは分子の相対的速度による位置エネルギーと回転、振動のエネルギーとの大きさの比較を厳密に定義していないからです。 どの様な媒体の中でどの様な反応を実際に行うかを知れば、結論は「幾ら」:「幾ら」で求まります。 m(_ _)m
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>「直接衝突」機構と「錯体生成」機構があります 専門語の「速度論支配」と[熱力学支配」に当たると思います。直感的には「遷移状態」が「尖っているか」「なめらか」に近いです。 速度論支配:ぶつかって反応が起こってしまえば、逆には戻れない。熱力学的なエネルギー差が大きいものが優先的に出来るとは限らない。 熱力学支配:生成物同士が何度でも衝突する機会があるので、熱力学的な平衡状態が達成されるのが早い。 といった特徴があります。 直感的に言うと 「ある分子に真空中で速い原子がぶつかって何かを追い出した、追い出されたものは二度と帰って来られない宇宙の果てへ…」 「分子同士、分子と原子やイオンが出会った、特に溶媒中(昔はカゴ内反応と呼びました)なので反応してもすぐに遠くへは離れられなくて、離れる頃にはエネルギーから推定される統計学的な数に近くなるまでになる。」 こんなとこでしょう。^o^
お礼
ご返答ありがとうございます。 確かに「速度論支配」と[熱力学支配」に当たると言われれば納得出来る気もします。 しかしこれでは反応の過程は説明出来ても生成物の状態までは説明出来ないように思うのですが。 私の考えだと「直接衝突」機構と「錯体生成」機構における生成物の状態の違いは 回転しているか、振動しているかだと思うのですが。 例えばビリヤードの玉をぶつけたとき真正面から当てない限り絶対に玉は回転してしまうと思います。 一方「錯体生成」機構のメカニズムとして一度遷移状態を経ますが そのときの分子の振動エネルギーが反応後に並進エネルギーに変わる、というのがあります。 これのことではないのでしょうか? どう思われますでしょうか?