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有機エレクトロルミネッサンスについて
先日の新聞で(株)パイオニアが有機ELを用いた 液晶の開発に成功したとの記事が写真付きで掲載されていました。 画面がグニャっと曲がるのを見て驚きました。 Q1.あの柔らかい物の材質 Q2.有機ELの簡単な説明 以上2点について教えて下さい。
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補足拝見しました。 >有機EL材料についてその化合物に関するご知見があれば >教えていただけますか? 化学系の基礎知識をお持ちの方として進めさせていただきます。 (1)高分子EL材料 高分子EL材料としては共役系高分子(導電性高分子)が用いられます。非常に多数のポリマーが各社、各研究機関で合成されていますが、poly(p-phenylenevinylene),poly(3-alkylthiophene),poly(9,9-dialkylfuruorene) をベースに、置換基を変えたものが主に使用されているようです。この側鎖が長くなると発光効率が上がる傾向があるようです。 また、従来の一重項励起状態からの緩和による蛍光を利用するのではなく、三重項励起状態からの緩和による燐光を利用するものも研究されているようですが詳しくは分かりません。確かイミダゾールを有するホストにイリジウム錯体をドーパントとして加えたものだったような気がします。 (2)低分子EL材料 古くはアントラセンが代表格と記憶しています。現在の主流は忘却しました、スミマセン。ドーパントとしてクマリンが挙げられていたように思います。 材料情報誌(工業材料か機能材料だったかと)に昨年夏ごろ特集されていた記事の記憶で回答をしておりますので非常にあやふやになってしまいました。 失礼しました。
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- parts
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再回答です。 Q2.高分子フィルムの具体例? A/高分子フィルムですか。一般的な高分子フィルムは今回のエレクトロニクス向けのフィルム以外に、生活用品などで使われるポリエチレンフィルムなどの素材があります。ポリエチレンなどは、ビニルなどの包装用や衛生用品(紙おむつや生理用品)などで活躍しています。 いわゆるプラスチックでできたビニル素材などが高分子フィルムです。(他にもありますけど・・・) エレクトロニクス用はそのフィルムに特定の機能を持たせている物が多いです。今回の場合は耐水/防水フィルムなどと基盤フィルムが使われているようですね。 フィルム種類には、光学、導電、誘電、絶縁、その他のエレクトロニクス機能を持つものや、バリア機能(撥水など)耐熱・強度などの機能を持つ物などがあります。 例えば、紫外線を防止するUVカットフィルムも高分子フィルムです。 高分子フィルムは日常的にも様々な用途で使われている物です。 Q2.パイオニア以外に先行メーカー? A/ソニーが先に13型の有機ELディスプレイを公開しています。 http://www.zdnet.co.jp/news/0102/07/sony_el.html (ソニーの有機ELディスプレイの試作機発表) 他にも開発元シャープもEL開発を進んで行っているようですし、松下や東芝、日立なども研究しているようですよ。 また、Universal Displayなどもソニーとの共同での開発をしています。 液晶技術全般では国内企業が元々強く、EL特許の9割以上が国内企業や研究機関(大学など)から出された物とされています。 ちなみに、最近新聞紙上でも国内の何社だったか忘れましたが、次世代液晶の開発に官民で協力して開発をするというのがあったかと思いますが・・・(うる覚えで自信はないですが・・・) いかがでしょう。
お礼
詳しい説明ありがとうございました。
- nonomaster
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一番の基本をご存知ないようですので少しだけ。 ELと液晶は原理が異なります。 液晶はバックライト(orフロントライト)が有ります。バックライトの発光を液晶素子のコントロールにより、透過させる部分と遮る部分に分け、画像が表示されます。 これに対し、ELは素子自身が発光する為、バックライトは存在しません。 ELと液晶はまったく違うものと考えてください。 EL材料には無機ELと有機ELがあり、有機EL材料は更に高分子ELと低分子ELに分けて考えられています。 Q1:不明 ELディスプレイは多層構造になっています。高分子ELでは基板-ITO-(正孔輸送層)-発光層-(電子輸送層)-電極といった感じです。これを何からできていると言う事は不可能です。 Q2 (1)構造:ディスプレイは多数のEL素子の集合体です。発光させたい部分に電圧をかけることにより画像が表示されます。 (2)発光原理:EL素子に陽極と陰極から正孔と電子を注入し、素子内での再結合エネルギーにより有機化合物が励起します。この励起状態から基底状態に戻る際に起きる蛍光(発光します)を利用します。 この部分が知りたい等のご要望があれば補足ください。
補足
回答ありがとうございました。 勉強になりました。 有機EL材料についてその化合物に関するご知見があれば 教えていただけますか?
- parts
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有機EL(OEL)ですか? Organic Electro Luminescenceの略で 電圧をかけて発光する有機媒体で有機発光ダイオードとも言います。 これは、液晶が後ろから若しくはまわりから光を当てないと表示できないのに対して、OELは自分から発光する有機素材を利用するため、バックライトが不要でサイズ(厚さ)を小さくできます。 この発光する有機素材(ジアミン系の素材)をガラスなどに蒸着させて後は完全に外気と遮断し、電圧をかけると発光します。 そのため、製造方法によってガラス以外(パイオニアの場合は高分子フィルムを利用)に蒸着させれば形を自由に変えることが可能なディスプレイも作れます。 http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/200102/01-271/ http://nmc.nikkeibp.co.jp/kiji/ts559h.html (わかりやすい説明のはず・・・) 有機ELは自発光するという点から、今の経済性が高いというTFT液晶より消費電力が抑えられ、ほとんど真横から見ても映像がくっきり見える、極めて明るく見やすい、薄いという利点がある反面、欠点として自分で発光する分劣化が極めて早く、消耗しやすい、CRT(ブラウン管)のように利用方法によって焼付けが起こる可能性が高い、OEL素材が空気に触れると有機素材故に別の物質に変化しやすいため使えなくなるので完全な外気からの遮断が必要。 いかがでしょう。
補足
回答ありがとうございます。 分かり易い説明でした。 更にお聞きしたいのですが、 Q1.高分子フィルムの具体例? Q2.パイオニア以外に先行メーカー? 以上ご知見がおありでしたら教えてください。
お礼
詳しく説明いただきありがとうございました。