先の回答にあるように周波数の違いは音の高低の違いと考えてよいです。また人間の聞き取れる音の周波数範囲はほぼ同じです。
しかも、人間の発生する音は1つの周波数で構成されているのではなく、いろいろな周波数が混じり合っています。
このほか1つの音でも最初と最後で周波数分布が違う音もあります。
周波数の分布状況や周波数の変化状況を判断して、自分の言語に当てはめて、脳が1つの音として判断するようです。
しかしこの分布は性別により違いますし、個体差もあります。
それの固体差・性差の違いを考慮して、共通の音として認識できるように、おおざっぱに分類しているのです。
だから周波数分布・変化が完全に一致しなくても、言語として聞き取ろうとするとき、全体を考慮して最も近いと思われる音に分類して判断してます。
日本人はよくRとLの区別がつかないと言われますが、英語圏の人にとっては全く別の音に聞こえるようです。逆に日本人の発する音の内、「ラ」と「タ」は英語圏の人には区別がつきづらいようです。
よくwaterにカタカナで発音を「ワラ」などと解説してある本がありますが、Tを「ラ(laあるいはra)」として発音しているのではなく、英語ではT音として発音しているだけのようです。これを日本人には子音が変わったように感じているだけのようです。
これらは音の区分けの問題です。
音を聞いたときどうやって区分するかはそれぞれの言語によってあるようで、日本語ではLもRも同じ音として区分し、逆にT音を「ラ」と「タ」に区分するというわけです。
これは、音という物理現象に対して、判断基準としてどのような情報を用いているかの違いによるものです。
日本語には大きな特徴が4つあります。
1)子音が単独であることはない(ンを除く)
2)抑揚がない
3)音の数が僅か150程度しかない(英語に比べてかなり少ない)
4)1つ1つの音が正確に発音される
特に3つ目の特徴により、日本語では音の区分けがかなりおおざっぱです。そのため、英語では判断基準にしている周波数を全く考慮していない場合もあります。
だから他の言語を学ぶには新たな判断基準を多く作り出す必要があります。
ラジオ放送のチャンネルを合わせるように周波数に合わせるのではなく、複雑な周波数成分や周波数変化の情報のどこを使って、どう区分けするのかの判断基準を作る必要があるのです。
ちなみに中国語では音の上げ下げも重要な判断基準として使われています。
これらを新たに身につけるには、反復繰り返しをして、どこが違うのかを認識させていくしかないのではないかと思います。