聖武天皇の母が「藤原宮子」、皇后が「藤原光明子」なので、8世紀には(宮子は7世紀生まれですが、その名が把握できるのは『続日本紀』なので、当初からの名であったかどうかは確信が持てません)確実に、そのような名があったと言えます。他に、文武天皇(聖武天皇の父)の妃の一人に「石川刀子」がいます。
それほど有名でないものでは、もっと昔に「子」のついた女子の名があることはあります。ただし、それは8世紀に編纂された『日本書紀』などによるものなので、時期を確定する材料にはなりませんが。例えば、6世紀の継体天皇の妃の一人に「尾張目子」がいます。
そもそも、漢語の「子」は「男子」のことで(孔子・孟子・荀子・老子・荘子・墨子・韓非子などは全て男ですね)、「子女」とは、「男の子と女の子」の意味です。しかし、日本語に漢字を受容する過程で、「こ」(男女とも)に「子」という字を充てたのではないでしょうか。
ところで、現代でも、「子」がつくのは女の子とは限りません。もっとも「こ」という発音で「子」の字を使うことは、ほとんどありませんが、最後が「こ」である男子はいますし(私の友人に「児」=「こ」がいます)、「子」を「し」と読むペンネームの人はいます。
なお、どうでもいい話ですが、「子」のつく女はなんか「きつい」感じがする、というのが、昨今の私(中年男)のイメージですが…(余談であり予断を言って申し訳ありません)。まあ、私の母も「子」がつきますが…。世代的に「子」が多い時代なのではありますが。
お礼
ありがとうございました。 同じような疑問を持つ人はいるものですね。