油や脂肪は身近にありますよね。天ぷらには植物油を使うし、お腹を見れば脂肪がたまっているし、一般的に常温で液体の物を油、固体の物を脂肪、両方併せて、油脂と呼ぶ昔に習いました。
油脂を加水分解すると酸が得られます。脂肪を分解して得られるので、この酸のことを脂肪酸と呼ぶのでしょう。
具体的には炭素が18個直鎖状に並んだ(CH3CH2・・・COOH)ステアリン酸(COOHの炭素も数に入れるのでCH2の数は16個です。)や直鎖状の炭素の中に2重結合を含んだ物(2重結合の数が1つならば、オレイン酸、2つならばリノール酸、3つならばリノレン酸)などがあります。
上述した脂肪酸の炭素数は全て18ですが、18以外の物や中には水酸基を含んだ物もありますが、一般的には炭素数が偶数の物が多いようです。
(例外的に奇数の物もあった記憶がありますが、ごくまれだと思います。)
ところで、脂肪を加水分解すると酸が得られるのですが、加水分解する前は(つまり脂肪そのものは何なのか?)というとエステルなのですね。
エステルとは酸とアルコールが縮合して(この場合水がとれて)できた化合物です。油脂の場合のアルコールは一般にグリセリン(炭素が3つで水酸基も3つの、つまり3価のアルコール)なのです。
一方、脂肪酸は飽和、不飽和、炭素数の違いなどいろいろな種類があって、脂肪酸の違いによって、油脂の性質が変わります。