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油脂
油脂の酸化に付いてわからないの教えてもらいたいです。 (1)油脂の酸化を調べる実験方法を調べてみると、「遊離脂肪酸の量を調べるためにNaOHで滴定する」と書かれていたのですが、NaOHとは遊離脂肪酸でなくとも普通の油脂も反応するように思われるのですが、詳しく知りたいのでお願いします。 (2)油脂のけん価の反応は強酸と弱アルカリの反応でいいのでしょうか。 (3)油脂の過酸化物価を調べる方法がありますが、油脂が過酸化しているというのは、どういう状態なのでしょうか。 どれかひとつでもいいので、ご教授のほどお願いします。
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(1) 酸価の測定 NaOHやKOHによって遊離脂肪酸が中和される速度は、油脂が反応(けん化)する速度 より圧倒的に速いので、測定条件を選べば、脂肪酸の中和だけが(充分な精度で)観測 できます。日本薬局方(一般試験法54)やJIS K0070 では、KOH(エタノール溶液等) で滴定し、指示薬(フェノールフタレイン)の淡赤色が30秒持続するところが終点、 と規定しています。(近年は指示薬より電位差滴定が一般的かもしれません) 一方、けん化価の試験法では、KOH溶液で30~60分加熱した後に、未反応で残ったKOH を塩酸で滴定します。けん化価の測定値には、はじめからあった遊離脂肪酸の中和分も 含まれることになります。 (2) 油脂のけん化 油脂はグリセリン(というアルコール)と脂肪酸のエステルですね。そのエステル結合が 強アルカリによって切断され、グリセリンと脂肪酸ナトリウム(あるいは脂肪酸カリウム) になるのが「けん化」です。みかけ上「エステルが加水分解され、生成物の脂肪酸(弱酸) が NaOH 等(強アルカリ)で中和される」と同じですが、実際に起こっているのは 求核置換と呼ばれる反応形式で、酸・塩基の反応とは異なります。 (3) 油脂の過酸化 油脂を構成する脂肪酸には、オレイン酸やリノール酸などの不飽和脂肪酸もありますね。 これらは空気中の酸素などにより酸化され易いのですが、主に二重結合の隣が反応します。 -CH=CH-CH2- ↓ -CH=CH-CH- | OOH これが油脂の過酸化です。過酸化物の反応性(ヨウ化カリウムを酸化してヨウ素を生成) を利用して測定される「過酸化物価」は油脂の劣化の指標ですね。試験法は日本油化学会 の「基準油脂分析試験法」あたりにありそうですが、見ておりません。
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- wolv
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うろおぼえですが, (2)の鹸化反応は, R-COOH + NaOH → RCOONa + H2O でしたよね? そうだとすると,「弱酸と強塩基の反応」になると思います. > (3)油脂の過酸化物価を調べる方法がありますが、油脂が過酸化しているというのは、どういう状態なのでしょうか。 「過酸化物値」ですか? 脂肪酸部分 R-CH2-CH2-R'-COO‐ が R-CH=CH-R'-COO‐ のようになることを酸化と言いますが,この事でしょうか? 一般に過酸化というのは, -C-O-C- が -C-O-O-C のようになる事を言うと思っています. 油脂中の -C-O-C- である部位は, 脂肪酸とグリセリン?(3価アルコール)の結合部位である (脂肪酸)R-CO -O-R'(グリセリン)部分にしかないように思います. 過酸化物価という記述のある教科書(か,ノートか,実験指示書)の文責者にあたってみてください. 過酸化物価についてはまったく自信ありませんが一応参考意見として書きました.
お礼
ありがとうございます。この場合は水素が減るので酸化というのですね。
お礼
大変わかりやすい回答をありがとうございました。 特に(1)には驚きました。もしよろしかったら、参考文献などを教えてもらえないでしょうか。