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質量の増大について
イメージもしくわたとえ話で教えていただきたいのですが 光速度に近付くにつれて質量が増大するのは、どんなメカニズムなのでしょうか。教えてください。
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実は、質量には、「重力質量」と「慣性質量」という、2種類の”質量”があります。重力質量とは、重力の(発生)原因としての質量です。つまり、電気力に対する電荷と同じようなものです。一方、慣性質量とは、ニュートンの運動方程式F=maにおいて、mで表される質量のことです。相対性理論において、質量の増加といったときの質量、また、E=mc^2という式(アインシュタインの式)のmで表される質量は、慣性質量を意味しています。 素粒子物理学、高エネルギー物理学では、加速器を使った研究が進められています。この加速器の中で、電子や陽子は、ほぼ光の速さまで加速されています。ところで、高校の物理で学習するように、物体を円運動させるには、向心力が必要です。数式では、 F=mv^2/r と表されます。加速器における向心力は、磁界の中を電荷が動くときに受ける力、すなわち、ローレンツ力です。ほぼ光の速度で運動する電子の場合、相対性理論で要求される質量増加の補正をしなければ、この式に合わないのです。これが、相対性理論による質量増加の物理的現象です。これが起こるメカニズムというのは、特に考えなくて構わないと思います。そういうことを考えている人はいません。 質量増加の式は、 m=m_0/(1-v^2/c^2)^(1/2) ですが、これは、ニュートン力学を相対性理論に調和させるときに、要請されることなのです。相対性理論は、物体の運動規定する式をもっていませんから、ニュートン力学は必要なのです。マックウェルの電磁方程式とニュートン力学、(特殊)相対性理論という、三つの理論によって一つ無矛盾な物理理論が出来上がるのです。
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- stomachman
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No.4に付けられたコメントについて。 ニュートン力学では、物の慣性を表す質量mは速度には依らず m = F / a (1) です。 一方、特殊相対性理論では、亜光速で飛んでいるものを更に速くしようとして大きな力を加えても幾らも加速しない。つまりF/aが非常に大きい。ニュートン力学の(1)式を使うとmが大きくなったということになる。これが、「縦質量」です。同じ亜光速で飛んでいるものに対して、運動方向と垂直に力を加えても、幾らも曲がってくれない。やはりF/aが非常に大きい。ですから(1)式を使うと、mが大きくなったと解釈できる。これが「横質量」です。「縦質量」と「横質量」とは一致しません。力を加える向きによって、質量が違うというおかしな話です。 そういうおかしな事が起こるメカニズムは極めて簡単。 「特殊相対性理論を認めた以上、(1)式は誤りである」というのが理由です。 (1)式で質量を計算すること自体が間違っている。その間違った答に「縦質量」だの「横質量」だのと言った名前をつけて混乱しているだけの事なんです。これは相対性理論が発表された直後の混乱期に、特殊相対論とニュートン力学をごっちゃにして考えたために生じた不適切な解釈に過ぎません。いまだにその名残が残っていて、啓蒙書などにしばしば「速く飛ぶ物は重くなる」と書いてある。困った事です。 「質量が増えたように観測できる」も誤りであることはもうお分かりでしょう。「観測結果をニュートン力学で解釈しようとすると、『質量が増えた』という結論になってしまう。ゆえに、ニュートン力学は(速度が大きい時には)特殊相対性理論とは矛盾する。」というのが正しい論理です。
お礼
度重なりありがとうございます。 縦質量と横質量が違うということが矛盾するということ自体、なぜおかしいのか、と思ってしまいました。別の角度から観て観測対象が違う事はあたりまえでは"ない"のが物理なのでしょうか。力を加えるという行為の結果が違うだけで、質量が違うのは矛盾すると結論づけているのでしょうか。明確にして端的なご回答にますます興味を惹かれています。どうぞお気を悪くなされずにお願いいたします。どうもありがとうございました。
>ただ、素人ながら唯一書ける式 >e=mc二乗は、どうなってしまうのでしょうか。 >エネルギーが質量を無視して単独で増大できるのでしょう>か? e^2-p^2=m^2で運動していない物体に対し、 p=0なので、e=±mとなるだけです。 ただし、c=1という単位系を使っています。ご注意 つまり、e=mc二乗は、e^2-p^2=m^2の特殊な場合、静止しているときにのみ成り立つ式です。 e^2-p^2=m^2におけるeとは、運動エネルギーと質量エネルギーを含み、 運動エネルギーを明示すると、 e=√(m^2+p^2)-m となります。 これをpが小さいとして、テイラー展開すると、 運動エネルギー=p^2/2m+・・・ となって、古典力学の結果が出てきます。 ・・・以下は、ご自分で計算してみると 「これが相対論的な効果か~」と納得できます^^;
- garrant
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物体が光速で運動するということがそもそもイメージできないと思うので無理です。 偉い人がソンなことを言っていて、実際に陽子を光速の99.7%にしたら質量が13倍になって、やっぱり正しいんだー! くらいです。 相対性理論関係は人から聞いても分からず、自分で納得するか、悟るかが必要だと思われます。
お礼
garrantさん、どうもありがとうございます。確かにイメージにしたり、文章にしたりする事は出来ないことかもしれませんね。現在の、自分なりの無責任なイメージとしては、光速度に近付くにつれて物質の観測地点が一点で収まりきれなくなり、2点以上のポイントで観測された事があたかも1点で観測されたような結果になってしまって、その瞬間の1点からはみ出した質量の分だけ増えてしまうのかなぁ、みたいな感じです。速度が瞬間の包容力をオーバーしてしまう、みたいなイメージでした。そんな自由な(理論的ではない)イメージで何かあればと思ったのですが、そういってしまうと物理の分野に質問するなと怒られそうですね。
- stomachman
- ベストアンサー率57% (1014/1775)
No.2の回答が正解。質量は速度とは無関係です。メカニズムも何もありゃしません。 速度と共に質量が増えると誤解した過去の質問・回答はやたら沢山あり、恥ずかしながらstomachman自身も混乱してたことがあります(下記URL) 特殊相対性理論における運動量の概念を、ニュートン力学の運動量の概念 運動量=速度×質量 に無理矢理当て嵌めて考えようとするとこの誤謬が発生するんですね。
お礼
参考URLを拝見させていただきました。ありがとうございます。とても難しくて残念ながら理解不能の領域でした。 質量が増えると言う事と質量が増えたように観測できるという事がありますが、無関係と言う事は、どちらも否定されるのですか?もしよろしければ、教えてください。
- alien55
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この質量増加の問題は、アインシュタインの相対性理論によって見出されたものです。 相対性理論を「イメージもしくは例え話」で説明することは大変なことですが、まぁ、やってみましょう。下の回答で分かりにくけれ ば、補足をお願いします。 アインシュタインの相対性理論が、観測者(あるいは座標系)が異なれば、それらは異なる時間を体験することは知っていますか? 有名な話ですが、地球上で生活している人と、高速の宇宙船の中で生活している人とでは、体験する時間が違っていて、宇宙を旅して きた人の時間の方が遅く進みます。したがって、「宇宙旅行者船が10年ぶりに地球に戻ってきた」と思っても、「地球上では10年以上 の歳月が流れていた」というのは本当に起こりうるのです。 一般に、 静止している観測者Aに対して、速度vで運動している観測者Bが体験する時間t'は、観測者Aの体験する時間tより長い ということが言えます。式で表すと、 t'/t = (1-(v/c)^2)^(0.5) ……(1) です。ただし、cは光速です(これはローレンツ変換から出てくる結果です)。 さて、相対性理論では、 物理法則は互いに等速度運動する2人の観測者(座標系)にとって同じでなければならない ということが根本的な原理となっています。ですから例えば、「運動量保存則」という物理法則も、観測者Aから見てもBから見ても、 同じように成り立たなければなりません。しかし、両者から見た物体の速度は異なるわけですから、運動量保存則が成り立つためには 物体の「質量」をも観測者によって相対的に変化するものであると考えなければならなくなるのです。 注意……運動量とは(質量)×(速度)のことで、運動量保存則は、系の運動量(の和)が一定であるという法則です。速度は観測者に よって異なって見えますが、運動量保存則がどちらから見ても同等に成り立つには、質量が観測者によって違って見えるとしなければ なりません。 質量も(1)式と同じようなことが言えて、観測者Aから見た質量mに対し、それに対して速度vで運動している観測者Bから見た質量をm' とすると、 m/m' = (1-(v/c)^2)^(0.5) ……(2) が成り立ちます。mはAから見た質量なので、静止質量と呼ばれます。これをm'について解くと、 m' = m(1-(v/c)^2)^(-0.5) ……(3) ですが、もしvを大きくしていくと、m'はだんだん大きくなっていきます。 (3)式を知っていると、質量増加の様子が手にとるように分かりますね。色々な値で試してみましょう。 例えば(3)式のvに 0.1c を代入すると、m' = 1.00504m です。 これは、光速の10%の速さで飛行するロケットでは、静止しているとき(m)より、1.00504倍の質量と見えることを意味します。 また例えば(3)式のvに 0.9c を代入すると、m' = 2.29416m です。 これは、光速の90%の速さで飛行するロケットでは、静止しているとき(m)より、2.29416倍の質量と見えることを意味します。 運動している観測者Bの速度が大きくなると、Bから見える質量がどんどん増えていくのです。 なお、vは光速cを超えることができません。v < c です。光速以上の速さで物体が運動できないのは、相対性理論が満たすべき 原則なのです(光速度不変の原理;この原理が相対性理論の根幹となっている)。 もし興味がおありでしたら、(3)式のグラフを書いてみてください(縦軸m'、横軸v)。どのようなグラフになるでしょうか? おそらく、vがcに達する前に無限大に発散してしまうと思いますよ。vを大きくしてcに近づけようと思っても、質量が異常に増大する で、いつまでたってもcに到達できないのです。是非考えてみてください。
お礼
alien55さん、とても詳細なご説明をいただきありがとうございます。おっしゃるお話を、わたくしも読んだことがあって、このへんまでは何とかほーほーとうなずけるのですが、どんなメカニズムで増えるの?というところが書物には無かったもので、欲求不満のままでした。どうもありがとうございました。
相対論を勉強すると、質量が増大するという話をよく聞きますが、実は間違いです。 増えるのは、質量ではなく、物体が持っているエネルギーです。 E^2-p~2=m^2=定数となり、これは、どのような運動のもとでも普遍に成り立つ式となります。 では、質量増大の話はどこからきたかというと、 運動量の時間微分=力の式で、運動量=γmvとかけるので、 質量はγmのように増大すると説明されていると思いますが、これはあくまで相対論成立期における誤解です。 この量を考慮すると縦質量だの横質量だの、よく分からない(実験素粒子物理にはでてきますが)量を導入することになり、煩雑になるだけです。 実際問題、物体同士の重力(質量に比例するわけですが)が物体の速さに依存するとしますと、矛盾が生じます。 どんな矛盾かは忘れてしまいましたが。
お礼
ibm_111さん、どうもありがとうございます。 間違えと言う事ですね。ただ、素人ながら唯一書ける式 e=mc二乗は、どうなってしまうのでしょうか。 エネルギーが質量を無視して単独で増大できるのでしょうか?とても素人ですみません。
- hitomura
- ベストアンサー率48% (325/664)
ロケットのスピードを上げたいときには、後ろからガスを噴射します。 噴射することによって、その反動で前方に向かう力が発生します。 この力が、一定の大きさで、いつまででも出せるロケットを考えます。 #実際には、ガス噴射の燃料は無限に積めませんし、 #大量に積めば燃料自体の重さのせいでスピードが落ちるのですが… このロケットでどこか遠くの星を目指して出発したとします。 最初のうちは順調に速度を上げていきますが、光速に近づくにつれて速度の増加は少なくなってきます。そして、ロケットの速度は光速になることはありません。 ここで、ちょっと話題を変えて、物を押して動かすときの話をしましょう。 三輪車を押して動かすのにあまり力はいりませんが、乗用車を押して動かすのには力がいります。 #正確には「動かし始める」ときの話です。スピードを維持するにはどちらもあまり力はいりません。 また、坂道を下ってくる小石を受け止めるのは簡単ですが、坂道を下ってくる大岩を受け止めるのは大変です。 このことから、軽いものの速度を変えるのは簡単だが、重いものの速度を変えるのは大変だ、ということが分かります。 #数式を使って書くと、力をF、ものの重さをm、速度の変化を表す加速度をaとして、 # F=m×a #となります。 ここでロケットの話に戻ると、加速しようとする力は同じなのに速度の変化が小さくなるのは、ロケット自体の重さが増えて速度を変えるのが大変になったせいだ、という説明がつきます。 #再び数式を使うと、Fは変わらないのにaは小さくなっているため、 # m=F/a #が増加している、という解釈です。
お礼
hitomuraさん、ありがとうございます。 ロケットや坂の話は、参考になります。ただ、物質そのものが、質量を増すメカニズムが知りたいのです。ロケットそのものが質量を増すのはなぜなのでしょうか。(燃料ではなくて)
お礼
>メカニズムというのは、特に考えなくて構わないと思います。そういうことを考えている人はいません。 たくさんのご回答を頂戴いたしましたが、どうやらそういう事みたいですね。どうもありがとうございました。