• ベストアンサー

記憶とは何ですか?

いきなり質問を書きます。 (1)人間などの記憶の正体はすでに解明されていますか? (2)人間などの記憶の正体は何ですか?   PCのメモリのような電気信号?   HDDのような磁気書き込み型?   それとも化学物質などで蓄積?   その他もしくはその組み合わせ? よろしくお願いします。

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • ruehas
  • ベストアンサー率68% (816/1194)
回答No.7

こんにちは。 記憶とは「特定の記憶情報に対応した神経回路」です。 「神経回路」といいますのは、何らかの役割を果たすために神経細胞同士がシナプス結合によって結ばれた情報ネットワークですよね。そして、ここに「電位信号(神経インパルス)」による「細胞内伝達」と、「神経伝達物質」による「細胞間化学伝達」が行われるために、新たな記憶が作られたり、古い記憶が想起されたりします。このように、記憶の正体がいったい何であるのかということは現在でもはっきりと分かっています。ですが、そのメカニズムに就いてはほとんど解明されていません。 動物の脳とコンピューターの違いますところは、 「処理装置(CPU)」と「記憶装置(メモリー)」が分かれていない。 ハードとしての記憶回路が自発的に作り替えられる。 ということではないかと思います。 神経回路がただの神経細胞の塊と違いますのは、それが何らかの役割を持っているということです。考えたり記憶したりというのはもちろんそうですが、心臓が動くためには自律神経にきちんとした回路が組まれていなければなりませんし、手足を動かすには運動神経系にそのためのネットワークが必要です。 動物にとって記憶といいいますのは、それに対応する神経回路です。従いまして、情報処理装置としての動物の神経系回路というのは、それそのものが情報を保持するソフトウェアであり、メモリーでもあるということです。このように、動物の脳はコンピューターとは違いまして、CPUとメモリーがはっきりとは分離していません。 本能行動などを実現するために生得的に定められた神経回路の接続を「ROM(リード・オンリー・メモリー)」とするならば、やや正確さを欠きますが、生まれたあとに作られたものが「RAM(ランダム・アクセス・メモリー)」ということになるのではないかと思います。 RAMもROMもメモリーであり、動物にとっては同時に処理回路です。脳幹以下、脊髄までの生命機能を司る中枢の多くがROMの部分で、動物が生きてゆくために必要な処理を確実に行いますが、それは生得的に定められたソフトウェアに基づくものであり、画一的な処理でしかありません。このような下位の中枢では生後の学習による新たな情報の書き増しということはほとんどできませんが、爬虫類以降に発達した上位の核や皮質へ移るに従って学習機能の比率は高まり、大脳皮質、異に連合野に至っては、生まれたときにはほとんどが白紙の状態ということになります。 白紙状態といいますのは、神経細胞同士がただ意味を持たずに暫定的に繋がっているか、正にこれからどんどんと接続を増やそうとしている状態です。我々がそれを様々な役割を持つ回路としてあれこれと使い分けるということは「学習」を行うということでありまして、生後の体験に基づく記憶回路の形成とはこれに当たります。 ただランダムな接続されただけの神経細胞の塊は、生後の体験・学習による「細胞間接続(シナプス結合)の増強」によって特定の回路として選り分けられてゆきます。 「長期記憶」といいますのは、その神経回路に同時入力された信号が「長期増強」というプロセスによってそのまま固定されたものです。細胞間接続によって繋がれた神経細胞群に何らかの情報が入力されますと、それを構成する神経細胞が反応し、一斉に興奮状態になるわけですが、情報といいますのは感覚器官や感覚中枢を経て一定のパターンに処理されているものですので、一斉にと言いましても、反応するのはそのパターンに対応した細胞だけということになります。そして、これによって同時に入力の信号を受け取り、一緒に興奮状態になった細胞同士の互いの結合が「増強」されます。 これらの細胞は他の細胞ともランダムに接続しているわけですが、一緒に反応しなかった細胞との接続の方には変化はありませんので、これで入力されたパターンに対応して結合の強化された、ひと纏まりの記憶回路が形成されることになります。つまり、あるひとつの対象物に関する知覚情報は、ひとつのパターンとして同時に入力されてくるわけですから、この反応に基づいて増強される回路は、それに対応した記憶情報として脳内にきちんと固定されるというわけですね。このようなものが「長期記憶」であり、繰り返されるパターンの入力によって行われる「細胞間接続の増強」を「学習」といいます。 「長期増強」といいますのは、神経間伝達の接合部である「シナプス結合」での神経伝達物質の分泌量が多くなったり、それを受け取る受容体の感度が良くなったりするものではないかと考えられています。何れにしましても、そのような状態を維持するためには、それなりの栄養エネルギーが消費され、何らかの機能が生み出されなければなりません。長期記憶を形成する神経接続回路群は、それぞれの細胞内にそのためのタンパク質を合成することによってこれを賄っているのだそうです。 これがどういうことかと言いますならば、脳内では強い結合によって結ばれた神経細胞群がそうでない結合に対して意味を持ち、長期記憶の保持という特定の役割を果たしているわけなのですが、それを構成する細胞はDNA情報によって定められた機能タンパク質なるものをきちんと作り出さなければならないということですね。従いまして、長期記憶を実現するための「神経結合の増強」には細胞内でタンパク質の合成が行われなければならないということなのですから、その回路には他の接続とは違う、はっきりとした「化学的・物理的」な変化が伴っているということになります。つまり、記憶を作るということは、脳内で白紙の部分に回路の増強という変成を施して使うということなんですね。 但し、化学的変化といいましても、タンパク質は入力された信号に対応して作られるものではありませんし、記憶というものが化学物質の量的な蓄積によるものであるというわけでは決してありません。記憶情報というのは飽くまで決められた通りの回路を流れる信号です。ですから、合成されるタンパク質というのは情報そのものの因子ではなく、これによって行われる長期増強といいますのは、それがデタラメな情報にならないようにするための化学的変化であるということになると思います。 そして、このように獲得した情報を保持するために自ら物質を作り出し、ハードウェアとしての神経回路を変成させてしまうというのは、これは「生命活動」以外の何物でもありません。コンピューターにはこのようなことは絶対にできませんよね。たいへん良く似たシステムではありながら、これが脳とコンピューターの決定的な違いであり、また、それが「自己再生」「自己修復」「成長」といった、生命と機械の本質的な違いと言っても良いのではないかと思います。 記憶は、その保持される時間によって「感覚記憶」「短期記憶」「長期記憶」に分けられます。「感覚記憶」といいますのは、感覚処理器官の細胞に発生した興奮状態の残像のようなもので、1秒以内で消えてしまします。この中から選択されて、もう少し長い周期で信号伝達の繰り返されるものが短期記憶ですから、この辺りは電気信号が流されることによって保持されるコンピューターのバッファと良く似た性質のものではないかと思います。そして、長い間信号の伝達が行われないにも拘わらず、それが長期記憶として保持されていますのは、神経回路の接続に長期増強という物理的変化が起きているからですね。私は良く知らないのですが、現在の情報機器には、これに類似するような記憶装置というものはあるのでしょうか。 HDDというのは磁気であるということですから、物理的変化ではあるかも知れませんが、それは磁気そのものが信号になっているという点で内容が大分異なります。強いて言いますならば、私は長期記憶というのは昔のレコード盤に刻まれた溝というのが一番近いような気がします。 生後学習による記憶はRAMであると申し上げました。ですが厳密には、このRAMは読み書きが可能であることは間違いないのですが、上書きして消してしまうということができません。何故ならば、長期記憶の回路というのは、既存の神経接続に構造的な変化が施されることによって固定したものだからですね。 短期記憶がある程度の時間で消えてしまうのは、細胞内でタンパク質の合成が成されていないからだと思います(但し他にも様々な研究報告があり、実際には何とも言えません)。長期記憶を実現する神経細胞内での機能タンパク質の合成はDNA情報の発現によって行われているということですが、これがいったいどのようなメカニズムでコントロールされているのかといったことに就きましては、まだほとんど分かっていないそうです。

参考URL:
 
arakororin
質問者

お礼

丁寧な説明ありがとうございます。 >合成されるタンパク質というのは情報そのものの因子ではなく、 >これによって行われる長期増強といいますのは、 >それがデタラメな情報にならないようにするための化学的変化である ちと難しいですけどかなりの部分が理解できました(つもりです)。 根本は電気信号なのだが、そのために機能タンパク質の作用によって特殊な仕組みを構築する、と言う感じでいいですよね。タブン。 私が究極的に知りたかったことは、外部因子によって記憶を左右できるかということです。 臓器移植によって記憶が受け継がれることがありうるのかとかそんな感じのことです。 http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=2079357 で、あたらしく質問しました。 ぜひまた意見をお伺いしたいと思いますのでよろしければまたご回答お願いします。

その他の回答 (6)

  • SortaNerd
  • ベストアンサー率43% (1185/2748)
回答No.6

神経細胞(ニューロン)同士の間に結合が形成されることで記憶が形成されていると思います。 考え方としては、トランジスタがいくつも並んでいる中に導線を張り巡らせればいろいろな回路ができます。これが記憶であると考えればよいでしょう。 常に信号を流し続けなければ神経細胞間結合は衰弱してしまうので、その意味ではPCのメモリに近いといえるでしょう。

回答No.5

記憶とは 慣性の法則のようなものです 石がわれたら 割れたまま  ニューロンも メモ

arakororin
質問者

お礼

すみません。何のことだかさっぱり分かりません。 なぞなぞですか? 物理的・科学的な回答を希望しています。

noname#17702
noname#17702
回答No.4

『脳 リン脂質 記憶』で検索かけてみてください。

arakororin
質問者

お礼

かけてみました。が?

noname#46899
noname#46899
回答No.3

回答ではないことを最初に断っておきます。 BRAIN VALLEY(プレイン・バレー) 瀬名 秀明 (著) は、サイエンスホラー小説ですが、記憶と心をテーマにした内容で、主人公が同僚の子供に、現在解明されている記憶の構造について解説している場面があります。小説なのにまるで科学雑誌のような図解までついていて、具体的でわかりやすい描写になっています。 ページ数も多く、全部読むのは大変ですが、図書館にもおいてあると思いますので、該当のページだけでも呼んでみたらどうでしょうか。

arakororin
質問者

お礼

面白そうですね。 なかなか読む時間を割けそうにはありませんが、機会があったら読んでみたいです。 ありがとうございました。

  • OsieteG00
  • ベストアンサー率35% (777/2173)
回答No.2

未解明な部分が多いです。 http://www.brain.riken.go.jp/bsi-news/bsinews12/no12/special.html >一般的には短期記憶はシナプスレベルで起こり、この変化はシナプス伝導の変化として観察されるが、長期にわたる記憶には発達過程の脳に見られるような情報処理システムの再構築が必要とされている。 神経細胞(ニューロン)レベルの結合(シナプス)で何か起こっているらしい、というレベルですね。生体には微弱な電流が流れているのでそうといえばそうですし、化学物質といえばそうでしょう。なお、電流が流れれば磁場が発生しますのでそういう意味では無関係とも言えないかと。 皮質表面内のニューロンが活動すると,皮質面に直角方向に電流が流れ出します。 http://www.tmin.ac.jp/medical/09/memory3.html

arakororin
質問者

お礼

むずいー。読んでもよくわかりませんでした。 短期記憶については、PCのメモリのように電気信号で、 長期記憶については、…?と言う感じでした。 でも >未解明な部分が多いです。 が全てを物語っているのかもしれませんね。 参考になりました。ありがとうございました。

  • sn-o-wman
  • ベストアンサー率10% (22/207)
回答No.1

HDDのような磁気書き込み型? →これはないですね

arakororin
質問者

お礼

そうですね