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SANCTIONが制裁、認可という逆の訳になるのは何故ですか?
辞書でSANCTIONを引いてみると (1)認可(2)制裁 とありました。 権力者対権力のない人間という共通した状況はあるものの、具体的な作用としては反対です。何故、このような意味になるのでしょうか? 基本的な質問で恐縮なのですが、どなたかよろしくお願いします。
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American Heritageからの引用です。 >WORD HISTORY: Occasionally, a word can have contradictory meanings. Such a case is represented by sanction, which can mean both “to allow, encourage” and “to punish so as to deter.” It is a borrowing from the Latin word sncti, meaning “a law or decree that is sacred or inviolable.” In English, the word is first recorded in the mid-1500s in the meaning “law, decree,” but not long after, in about 1635, it refers to “the penalty enacted to cause one to obey a law or decree.” Thus from the beginning two fundamental notions of law were wrapped up in it: law as something that permits or approves and law that forbids by punishing. From the noun, a verb sanction was created in the 18th century meaning “to allow by law,” but it wasn't until the second half of the 20th century that it began to mean “to punish (for breaking a law).” English has a few other words that can refer to opposites, such as the verbs dust (meaning both “to remove dust from” and “to put dust on”) and trim (meaning both “to cut something away” and “to add something as an ornament”). 要するに、法は、それに適うものは認めるし、適わないものは逆に罰するということですね。つまり、法が作用する という意味なのでしょう。
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- Riverview
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The Word Detectiveという言葉に関するQ&Aのサイトがあり、同趣旨の質問が掲載されています。要約するとこうなります。 sanctionはもともと「法律で規定する」という意味であり、ある行為を認めるか禁止するかを意味した。その後かなり早い時期にその意味が混乱し、17世紀までには法律を犯したときの「制裁」を意味するようになり、18世紀初頭には法律上の「許可」を意味するようになった。 ということで、この言葉は初めから曖昧であり、どちらの意味も正しく、文脈で判断するしかない。 下記のThe Word Detectiveを参照ください。 このようにひとつの単語なのに相反する意味を持つ言葉はauto-antonym、contronym、contranym、antagonym, Janus word、self-antonym、homonymと呼ばれています。 下記のWikipediaを参照ください。 antagonym(List of Antagonymsの著者の造語)について例を挙げると次のようなものがあります。 Fast 速い:固着した Last 直前の:最後の Overlook 監視する:大目に見る Prescribe 規定する:時効にする Refrain (歌などで)繰り返す:やめる Reservation 予約(行きたいこと):留保(行きたくないこと) Terrific すばらしい:恐ろしい これ以外については下記のList of Antagonymsを参照ください。 How did the word "sanction" come to have two opposite meanings? The Word Detective URL: http://tinyurl.com/z3wb4 auto-antonym or contronym Wikipedia URL: http://tinyurl.com/kauhn List of Antagonyms URL: http://tinyurl.com/zzu2x
お礼
他の例や、参考URLなど大変参考になりました。他の例を見ていると非常に面白いですね。色々と考えさせられます。ありがとうございました。
American Heritage は私もよく参照しますが、この説明はイマイチな感じがします。 sanction の用法は、法による制限だけでは説明できない感じがします。少なくとも現在米国で使われている用法は、法の存在を前提にしなくとも使えるし、また制限に対する具体的な実行力が加わることを言うと思います。私がぱっと思いついたのは、この言葉はなんとなく、まわりに張り巡らされた有刺鉄線のイメージです。たとえば、有刺鉄線に囲まれて暮らしている牛はそこで周りからの進入を気にすることなく保護されているとも言えます。しかし、強制的にそこから出ないように制限されているともいえます。 いずれにしろ、何らかの権威的・かつ圧倒的な力でどこかに囲い込まれている感じがして、それを sanction と言うと思います。それを法という言葉では捕らえきれないのは、法は既に存在してるものですが、これは法としての制限が存在してなかったときに誰か困ったことをしたときに「○○したら制裁を加えるからな」って圧力を加える感じです。もしくは、壊滅的になってしまった地域経済を保護するために特別に(法律をわざわざ作らず・もしくは既存の法律に頼らず)その地域に特化した保護を加える時に主に使われているからです。
お礼
有刺鉄線の喩えで、保護と制限の二面性に納得がいきました。なんか先生に対する優等生と非行少年見たいな感じでしょうか(笑)。 何らかの仕組み、制度には必ずある二面性が、権威と相俟って浮き上がってくるんですね。大変勉強になりました。ありがとうございました。
お礼
確かに、「LAW」は、従う人にとっては許可してくれる存在だし、従わない人にとっては制裁を加えてくる存在ですね。非常に勉強になりました。ありがとうございます。