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聖地や最上位聖者は宗派によって違うものでしょうか
わたしは家に仏壇があるけれど自分の家がほんとうは何の宗派なのかもわからな い無関心派のひとりです。 少しは社会人らしく覚えないといけないと思いつつも、ついつい後回しの毎日で す。 ところで連日イラクでシーア派とスンニ派が流血闘争を繰り広げているニュース や、ちょっと前のローマ新法皇の即位など、社会常識としてちょっと気になる宗 教の話題に気を惹かれました。 イスラムの聖地というとメッカが有名ですが、これはイラクで戦っている対立宗 派には無関係にすべての回教徒は平等にメッカをめざしたいと考えているのか? ちょっと気になりました。 (メッカの聖職者がイラクを特別訪問することでは事態鎮静にならない訳なんで すよね?^^;) また、ローマ法王がキリスト教の頂点にいる、という認識が素人には多いと思い ますが、プロテスタントの信者は法王に御会いできないとか法王庁には就職でき ないとか、その手の制限があったりするものでしょうか? またさらに新しいモルモンやエホバの証人たちも終局的にはおなじく法王を尊敬 しているのだろうか? とか、 こんなのも気になりました。 日本のお寺なんかは、お遍路さんを筆頭に、宗派どころか他宗教の外国人にも宿 坊を提供したり、体験参禅を開放したりおおらかですが、世界的視野での宗教全 般においては、宗派によって聖地や最上位崇拝対象が変るのが通常でしょうか?
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イスラムの聖地では、全ての宗派に共通して聖地とされているのは、 ムハンマドの生まれたメッカ。 ムハンマドが一時避難したメディナ。 ムハンマドが天に昇ったエルサレム。 の3つです。 シーア派にはこれらの他に、イラクのカルバラが、上記3つの聖地に匹敵する聖地とされています。 カルバラは、シーア派の最高権威フセイン(ムハンマドの孫)が、ウマイア朝の軍に破れ戦死した場所です。 カルバラは、シーア派にとっては聖地ですが、スンニ派にとっては、何でも無い土地となります。 今回爆破事件の有ったサマラは、ムハンマドの子孫で、シーア派の10代目と11代目の指導者(イマーム)の墓が有った場所です。 日本で言うと、天皇陵のようなものです。 それは、シーア派にとっては聖地となりますが、スンニ派にとっては、何でも無い普通の墓にすぎません。 >メッカの聖職者がイラクを特別訪問することでは事態鎮静にならない訳なんですよね? イスラムには、聖職者はおりません。 いるのは宗教指導者やイスラム法学者です。 彼らは、自分の理論に基づいて、イスラム法を解釈し、それを人民に伝え、自分の支持者とします。 一応スンニ派にはカリフという最高権威がいましたが、オスマン=トルコの滅亡によりカリフは消滅してしまっています。 シーア派には、ムハンマドの子孫であるイマームが最高権威としていましたが、こちらも12代でいなくなり、現在ガイバ(イマームが隠れてしまっている状態)にあるため、最高権威がおりません。 またメッカのあるサウジアラビアは、イスラム原理主義の総元締めのワッハーブ派を国教とする国で、ワッハーブ派は、シーア派を異端とし、イスラムとして認めておりません。 一応メッカへの巡礼のみを認めており、国内でシーア派の排除を行っている状況では、仲裁の調停者とはなり得ません。 教皇は、キリスト教の最高権威ではなく、キリスト教の最大宗派であるカトリックの最高権威となりますから、カトリック以外では、権威ではありません。 >プロテスタントの信者は法王に御会いできないとか 信者として会う事はできませんが、信者としてでなければ可能です。 >法王庁には就職できないとか 教皇庁の有るバチカンは、神聖国家ですから、カトリック以外は国民として認められません。 ただし、衛兵としての場合は分かりませんが、通常非カトリックの人間を雇う事は無いと思います。(衛兵は、スイス人のみです) >モルモンやエホバの証人たちも終局的にはおなじく法王を尊敬しているのだろうか? これは絶対に有りません。 >日本のお寺なんかは、お遍路さんを筆頭に、宗派どころか他宗教の外国人にも宿 坊を提供したり、体験参禅を開放したり これは、ほとんどの宗教で行っています。 キリスト教の聖堂には、宗派を問わず入れますし、説教も聴けますし、マサにも参加できます。 イスラムでも、ほとんどのモスクに入れますし、礼拝に参加する事もできます。 それをするのかしないのかは、受ける立場の人の考え方です。
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- at9_am
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ローマ教皇が最上位なのはカトリックだけで、知人のエホバの証人はローマ教皇は悪魔だと言っておりました。 カトリックの友人に言わせればプロテスタントは悪魔憑きで、プロテスタントの知人に言わせればカトリックはキ○ガイだそうです。 端から見るとどっちもどっちだろう、と思うのです。 モルモンの人に言わせると、歴代ローマ教皇は死後に悔い改めてモルモン教徒になっているのだそうです。 さて。 イスラム教の聖地でユダヤ教やキリスト教と関係ない場所はメッカくらいかも知れません。特にコーランに出てくるような古くからの聖地は、大多数が重なっています。 例えばエルサレムもイスラム教の重要な聖地の一つです。 なぜこのようなことになっているのかと言えば、イスラム教がユダヤ教の旧約聖書を引き継ぐ形で成立しているからです。このため、両者の間で聖地を巡る激しい争いが行われ、多数の死傷者が出ています。 ↓辺りが参考になると思います。
お礼
参考に紹介して下さった、田中 宇さんのユダヤ、キリスト、イスラム、ともに単なる宗派に すぎない「地中海一神教」という概念は、私のような頓珍漢にもなるほど!と明解な説得力が ありますね! >知人のエホバの証人はローマ教皇は悪魔だと言っておりました。 >カトリックの友人に言わせればプロテスタントは悪魔憑きで、プロテスタントの知人に言わせればカトリックはキ○ガイだそうです。 >端から見るとどっちもどっちだろう、と思うのです。 ホントそうですよねえ^^; どうしてこのような口汚いののしりあいに執念を燃やす信仰が、口を揃えて「平和を願う」のか不思議 でなりませんですねえ… >モルモンの人に言わせると、歴代ローマ教皇は死後に悔い改めてモルモン教徒になっているのだそうです。 ^^おほほ、これはなかなかスマートな理屈づけですね。 しかし、こころのよりどころ、というものは良く考えるとほとんどの戦争の種というのが馬鹿 馬鹿しいかぎりですよね。 こころ次第で回避できた戦争と、そうでなかった戦争の累積被害額を計算比較してみる、とい うのもまじめに研究されてしかるべき分野ではないかと思いました。 大変勉強になりました! またいろいろ教えて下さいませ。
- 6dou_rinne
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ローマ教皇が最上位なのはカトリックだけで、キリスト教でも他の宗派では関係ありません。 聖地も最高の聖地はエルサレムですが、宗派の聖地はそれぞれに違います。 イスラム教にはかってカリフがスンニ派の最上位者でしたが、いまは公式に最上位者はいないでしょう。 最高の聖地はメッカ、メジナですが、そのほかに宗派ごとの聖地もありますし、ローカルな地域単位の聖地もあります。
お礼
やはりみんなバラバラなんですね… かねがね宗教戦争や宗派間の罵倒競争ほど馬鹿馬鹿しい争いはないのになあ、と気になっていました。 たとえば日本の天皇家のように「われこそは正統継承者」という御墨付きの継承者がいて、終戦の玉音 のようにぴたっと皆のものを納得させられる人がいない、というのは世界の宗教に共通のかなしい現実なんですね… 日本の天皇論にも色々ありますが、明治維新がなくて江戸時代の延長で日本が1945年に戦争をしていた ら、すんなり終戦できていたかどうかは難しそうですよね。 また色々教えて下さい。
補足
大変わかりやすい説明をありがとうございます!! >彼らは、自分の理論に基づいて、イスラム法を解釈し、それを人民に伝え、自分の支持者とします。 なるほど、この辺が「預言者」の宗教哲学たるゆえんですね! >一応スンニ派にはカリフという最高権威がいましたが、オスマン=トルコの滅亡によりカリフは消滅してしまっています。 あ、カリフさん、世界史の時間にお目にかかった時は昔昔のアラビアンナイトと思ってピンとこなかったのですが、 現代までこれがきっちり尾を引いていたんですね! >シーア派には、ムハンマドの子孫であるイマームが最高権威としていましたが、こちらも12代でいなくなり、現在ガイバ(イマームが隠れてしまっている状態)にあるため、最高権威がおりません。 なるほど!!これが宗派闘争の大きな鍵なんですね! ムハンマドの直系子孫がシーア派の出自だったのですね… イマームさんが現代迄続いていればもしかすると天皇陛下の鶴の一声、的なおさめかたもあったのかもしれませんね。 それはそれで強権独裁になりそうですが国連のきちんとした監視があれば戦後の日本と同じような人心のおさめかたがありそうですね。 >一応メッカへの巡礼のみを認めており、国内でシーア派の排除を行っている状況では、仲裁の調停者とはなり得ません。 なんと、穏健派かと思っていたサウジの心は原理主義だったのですね! しかし、原理でありながらムハンマド直系子孫のシーア派を異端とするのもまた複雑なんですね… でも、すべての宗派の信者に巡礼を等しくしているのはうれしいですね。 ところでそうしますと現実にシーア派信者はメッカに行くよりもカルバラで終わってしまうのが大多数と思ってよさそうですね。 (本当はメッカに行きたいんだけど!と熱望しているのか、メッカは自分に必要なし、と無関心なのか興味をひかれます) >信者として会う事はできませんが、信者としてでなければ可能です。 なるほど、先日見た、同性愛者への祝福は等しく与えるけれど、是認しているのではない、というニュースの意味がなんとなくわかりました。 >それをするのかしないのかは、受ける立場の人の考え方です。 そうですね、このあたりの意識改革が世界の宗教に共通に求められるところだと思います。 国際的な宗教者会議がさかんに催されていても一向に改善できないのは人のこころの闇(病み)なのかもしれませんね… どうもありがとうございました!