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舞妓さんの人生
テレビドラマの「小早川伸木の恋」を見ていて登場人物の元舞妓さんの人生が語られていて、疑問がありました。 舞妓さんとして幼い頃から育てられたのだが、それが肌に合わずお座敷で体にタッチされたりするのに異常に拒否反応があったために、舞妓である母親から勘当されそうになった所をお客として来ていた金持ちが引き取らせて欲しいと申し立てて、その後の人生をその金持ちの家で使用人として生きたという内容でした。 実の子をお座敷での立ち振る舞いが悪いからといって、まだ幼いのに他人へ渡してしまうなんて、舞妓さんの世界は大変だな~と思いましたが、実際もそんなにプロ意識が滅茶苦茶高い職業なんでしょうか?。
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舞妓とは、京都特有の呼び方で「芸妓(芸者)見習いの女性」のことです。以下、芸者について説明します。 芸者と言うのは現在は「伝統文化の継承者」「宴会で芸を見せるのが仕事」という美化されたイメージですが、日本が豊かになるまでの芸者とは、貧しい家の娘が10歳くらいで身売り(前借金を受け取っての年季奉公)し、16歳くらいで「お金持ちの男性に処女を買われ」、その後は売春もするホステスとして働き、お金持ちの男性の妾になれれば幸せ、と言った存在だったようです。当時は性病の治療手段が乏しいため、芸者の多くが性病に感染しており、特に梅毒で悲惨な最期を迎える女性も珍しくなかったようです。 芸者になる際の年季奉公契約書には、「抱え主から売春の指示があればそれに従い、借金返済のため努力する」旨の条項があり、警察から芸妓鑑札を受けていました。当時の法制度は良く分かりませんが、娼妓鑑札または芸妓鑑札を持たない者の売春は違法であり、警察の取締対象であったそうです。現在、ソープランドでの売春は「公認」だが、他の風俗店での売春は時々警察に摘発されるのと同じ発想でしょう。 かつての芸者の実態については、下記URLの解説が参考になるでしょう。 http://www.geocities.jp/showahistory/history5/33b.html 現在は知りませんが、売春防止法以前の時代は、料亭や待合に客が芸者と寝るための部屋が準備されており、布団が備えてあったそうです。芸者は、夕方に料亭に出勤して宴会の席で「お酒の酌、芸の披露」などをし、宴会の後は小部屋に移ってお客とセックスして深夜に戻る、というパターンで、寝る暇がない苦しい生活であったそうです。 収入の半分は抱え主の取り分で、その半分から借金を返済し、衣装代や食費や諸経費を天引きされるとほとんどお金は残らず、実際は永久に借金を返せない(自由になれない)芸者が多かったそうです。借金を返せないうちに歳を取れば、ホステスとしての価値もセックス相手としての価値も下がっていき、収入が減ってますます苦しくなると言う悪循環です。 また、売春を含めて芸者としての稼ぎが悪いと、抱え主の一方的な判断で遊郭に女郎として転売されることもあったようです。芸者と女郎は、ほとんど同じものとされていたことが分かります。 絶版書ですが、戦前から戦後にかけて芸者として辛酸を甞めた女性自身による手記が存在します。上記URLの内容が真実であったことが分かります。 芸者―苦闘の半生涯 平凡社ライブラリー (著者)増田小夜 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4582761224/ 舞妓を描いた有名な絵があり、それについて下記ブログで解説されています。 http://yosukenaito.blog40.fc2.com/index.php?q=%C9%F1%B5%B8 絵のモデルになるような12歳の美しい舞妓さんが、その後「祇園花柳界で名声を博し」、女性の盛りを過ぎた42歳で歌舞伎役者の「妻」になって、舞妓出身者の成功者として名を伝えられていると言うのが、戦前の舞妓・芸妓の悲しい運命を伝えています。 ここでは触れられていませんが、件の舞妓さんが貧しい生まれで身売りして舞妓・芸妓になったのは確実でしょう。
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- bluesheep_alii
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少し質問とずれますが、私はあくまでもドラマの設定上で話させていただきます。 原作の中では、その舞妓であったカナは、置屋(舞妓や芸妓のプロダクションのようなもの)の正真正銘の娘として生まれています。彼女は本当は大学に行って勉強したかったのですが、母や舞妓の姉から反対され、何年か舞妓をやれば大学に行かせるという条件付きで舞妓を始めます。ところがお座敷で粗相(客に手を触られて吐いた)をしたため母に勘当され、それを見ていた鯵澤に拾われます。 結構あのドラマの舞妓設定は無理が多いので鵜呑みにしないのが賢明だとは思いますが、最近では身売りというより舞妓にあこがれてなるような人も多いようです。作法に関しては非常に厳しい世界だというのはあるとおもいます。
お礼
ありがとうございます。 中学生の修学旅行生がよく「舞妓さんかわええ」と言っている女子がいますが、やはり女性で舞妓さんにあこがれる人はいるみたいですね。 あのドラマを見てこの2006年に!?と思いましたが、やはり設定としての舞台背景が作られている面もありますよね。 人間関係がリアルなので、錯覚してしまいましたが。
- himawari223
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こんばんは 今はわかりませんが、 昔は舞妓さん(まだ13才とか15才)のころ、お金持ちの男性に、処女を買われ、芸妓さんになり、お金持ちの二号さんになって、一生日陰の身で終る、と聞いたことがあります。 二号にならず、働かしてもらうなんて、恵まれているほうです。おしんのような子がたくさんいた世の中でしたから。
お礼
はあ~、厳しい時代でしたね。 まったく、自由なんて認められなかったんですか。
お礼
勉強になりました。 その時代で生きる術として、選択せざるおえない道という印象で悲しくなりました。 人間というか「男」の業が詰まった世界ですね。 ありがとうございました。