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マルクスについて
課題で「20世紀末ソビエト社会主義の崩壊から、マルクス主義思想の発想法の特質 と問題点について考察しなさい」というのがでました。さっぱりわかりません。 教えてください。お願いします。
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難しい問題ですね。 そもそも、ここで言うところの「マルクス主義」とは何か、というところから考える必要があるかもしれません。 つまり、マルクスやエンゲルスの「マルクス主義」なのか、レーニンの「マルクス主義」なのか、はたまたスターリンやその後継者たちの言うところの「マルクス主義」なのか…。 なぜ、このことが問題になるかといいますと、マルクスが提示したカテゴリーの中身がマルクスの考え方とスターリン以降の「マルクス主義者」とはまったくといってよいほど異なるためです。 ただ、このことだけを言っても意味がないので、課題に則して、いくらか述べていきましょう。 マルクスの思想の重要なポイントは「変革の哲学」だということです。つまり、どこか別の世界にある(かもしれない)ユートピアや理想的な何かを探すのではなく、いま・ここにあるものを止揚することが目指されるわけです。 ただ、ここで欠かせないことは変革されるものだけが変わるのではなく、変革する主体も同時に変化する必要があるのです(マルクス「フォイエルバッハ・テーゼ」より)。 これは自然に対しても同様のことが言えます。最もよい例はエンゲルスが「猿が人間になるについての労働の役割」という論文の中で書いていて、そこでは労働などの人間の独自の活動が自然を作り変えただけではなく、人間や社会をも変化させていく過程が述べられています。また、この論文の最後に自然と人間とが共に発展するのと同様に、どちらも破滅することがあることがあることを警告しています。 つまり、それは主体と客体――現実場面では人間(あるいは社会)と自然、「私」と「あなた」、個人と集団など――が相互に関わりあうものであり、どちらかが一方的に働きかけるだけの関係ではないということと関係しているためです。 しかし、この「変革の哲学」はスターリンによって主体が客体を変えるだけの関係にさせられるわけです。これは同時にスターリンや共産党による独裁の根拠にもなったと考えられます。つまり、エンゲルスが『家族・私有財産・国家の起源』で示した共産主義における民主主義のモデル――官僚制を防ぐための賃金の平等、人民とその代表との関係は固定的なものではないのだということなど――は事実上、否定され、党と人民とは前者が後者を導くのみ、という関係に変えられるのです。 社会と自然との関係でごく大雑把に話せば、社会は自然を変えてゆくのであって、自然が及ぼす社会への影響はゼロに等しい―なぜなら、自然がどのように変化しようとも人間の英知の前には無力だから―という見方につながります。この結果が、現在のロシアにおける環境破壊や北朝鮮の食糧危機をもたらすことになります。 ソ連をはじめとしたいわゆる「社会主義」がいかに形成されたのかを考えるにはジョージ・オーエルの『動物農場』(角川文庫)がオススメです。寓話なのでとても読みやすい本です。
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- chukanshi
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まず、「20世紀末ソビエト社会主義の崩壊」自体の一般的評価が定まっていないので、(100人の学者に聞いたら、100通りの答えが返ってくると思う。)この課題の「正解」はないわけです。だから、自由に考察すればよいと思うのですが。 「マルクス主義思想の特質」というのは、教科書に載っていますよね。 いわゆる「正統マルクス主義」といわれるものです。 マルクス―レーニン主義ですね。 レーニンは、この思想のもとにソビエトを建国するわけですが、 スターリンによって、その思想は、かなり変化します。 この過程も教科書にでているはずです。 で、その後、ソビエトの崩壊につながったわけです。 つまり、考察すべきことは、ソビエト崩壊によって、マルクス主義思想の「どこが」問題点だったのか、または、それによって新たに明白になった特質は何かを議論すればよいわけです。 例えば、こんなページがあります。 http://www.mmjp.or.jp/soufushiya/hiroba1011.html こんな考え方をするひともいます。 http://www.d4.dion.ne.jp/~kazan/marx.htm あとは、自分で考察すべきです。「正解」はないのですから。 私個人は、ソ連は、マルクス主義の壮大な一実験の場であり、その実験は失敗したと思っています。
補足
アドバイスありがとうございます。この答えがないっていうのが 一見簡単そうでとてもむずかしいんですよね。なんとかがんばってみます。
お礼
くわしく書いていただいてありがとうございます。やっぱり少し勉強しただけではとうてい理解できない問題ですね。寓話も参考にしてみます。