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葉緑体の色について

植物は日光を使って光合成をしています。そのときに活躍するのが葉緑体です。葉緑体では日光のうちの、主に赤色を吸収するものと、青色を吸収するものがあると聞きました。 そこで疑問なんですが、日光の波長のピークは緑です。なぜ植物は緑を捨てているのでしょうか?長い進化の過程で、緑を吸収して光合成をする種があってもいいような気がするのです。 専門的になってもかまいませんので回答をお願いします。

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noname#24872
noname#24872
回答No.3

クロロフィルの吸収帯は緑の波長部分がほとんど無いので奇異に感じますよね。私も学生時代同じ疑問を持ちましたが、大学にはその疑問に答えてくれる人はいませんでした。以下の回答は、当時私が考えたものですので、見当違いな内容が含まれているかもしれません。 原始地球の海が出来た時、海水は大気中の亜硫酸ガスを溶かし込んでいたため強い酸性でした。この酸性の水は大地を溶かして徐々に中和されていきましたが、その過程で大量の金属、特に豊富に含まれていた鉄をイオンとして含むようになりました。この時点では酸素は無いので、鉄は薄緑色の二価イオンです。 そして約27億年前、海に光合成細菌が誕生して、海水中に酸素を放出するようになると、二価鉄は酸化されて三価鉄、すなわち赤サビに変わりました。三価鉄は水に溶けにくく、また緑の波長を吸収するので、海水は赤く濁りました(赤は緑の補色です)。まだオゾン層は形成されていないため海面には強力な紫外線が降り注いでいましたから、この時期の光合成細菌は海面近くでは生きられず、かといって海中深くでは濁った海水で光が届かないために生きられず、その生域は極めて限られた水深の領域に限局されていたはずです。 このような状態は、海水に溶けていた膨大な量の鉄イオンがすべて不溶化して沈み、海が「晴れ上がる」20億年前までの、およそ7億年もの間続きました。この間に、緑色光を主として利用する光合成細菌は(仮にいたとしても、ですが)絶滅し、赤く濁った海水を通して差し込んでくるわずかな青色光と比較的豊富な赤色光を有効に利用できた、つまりクロロフィルを持った光合成細菌のみが生き残ることができたのではないでしょうか。 ちなみに現在の植物は、クロロフィルだけでなくカロチノイドやフィコビリン(紅藻類や褐藻類の場合)も光のエネルギーを収集するのに使っていますから、緑色光もある程度利用することができます。

maekawadesu
質問者

お礼

なるほど! つまり原始の海中では緑色の光は存在しないので、緑色の波長を吸収するバクテリアは競争に敗れてしまったと考えられるわけですね。 その後、植物は豊富にある緑色光を利用する構造を獲得しつつある。 進化の過程を想像するのはおもしろいですね。

その他の回答 (3)

  • suiran2
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回答No.4

suiran2です。葉緑体のアンテナ分子の話から,ついにバクテリアにまで行きましたね。 光合成細菌の光合成色素の進化の過程では,水を分解することが出来るのはバクテリオクロロフィルaを持ったシアノバクテリアが初めてです。バクテリオクロロフィルa以外では,短波長の光を吸収できず水を分解するのに必要な起電力を出すことができないためです。ですから酸素を発生する光合成生物は,すべてクロロフィルを必要とします。 おそらく緑色光を利用し,水分解型の光合成細菌は存在しなかったでしょう。物理化学は全くですので物理化学屋さんの方が適切な回答をしてくれるのではないかと思います。どなたかおりませんでしょうか。

maekawadesu
質問者

お礼

なるほど、今度はエネルギーときましたか・・・。 想像していたより似たような疑問を持っている方が多くて力強いです。 ただ、疑問は複雑化するばかりで・・・。生物は奥が深いですね。

  • suiran2
  • ベストアンサー率55% (1516/2748)
回答No.2

maekawadesuさんの発想の原点は,光エネルギーをもっと利用できれば光合成が増すのではないかと言うことと思います。しかし,光合成反応を律速しているものは,光エネルギーではありません。暗反応のリブロースビスリン酸カルボキシラーゼ (略称はRubisco) と呼ばれる酵素です。この酵素は葉緑体のストロマ中のタンパク質の半数以上を占める程の量があります。 植物はむしろ余分な光エネルギーの処理に四苦八苦しています。光障害と呼ばれる活性酸素等の処理のために,多くの機構が存在します。ミクロ的には光のエネルギーで水から電子を奪い,電子を受け渡しながら最終的に水に伝えるwaterwatercycleから,マクロ的にはそれらの防御策が十分ではない若葉等は毛を生やしたり色素を持ったりと様々な対策を取っています。 クロロフィルはMgポルフィリン錯体です。これはご指摘のように赤と青を吸収します。しかし,Feポルフィリン錯体のヘム(赤血球のヘモグロビン)は確か青緑を吸収するはずです。ですから植物にとって光エネルギーの不足が淘汰圧になっていたら赤い植物が進化したかもしれません。現在の植物は太陽の光のエネルギーを未だ十分利用するほど進化していないのです。

maekawadesu
質問者

お礼

植物がいまだ進化の過程にあるとは考えていませんでした。今後、より複雑な植物の仲間として緑以外の色の植物が出現するかもと想像すると楽しいですね。

  • poohron
  • ベストアンサー率59% (574/971)
回答No.1

こちらは参考になるでしょうか? http://www.biol.s.u-tokyo.ac.jp/users/sonoike/shikiso.htm#2 おおざっぱに言えば、 緑の波長をエネルギーに変えるためには 葉緑素の構造が非常に複雑な作りになってしまうので より単純な構造になるような進化を辿った、 ということのようですね。

maekawadesu
質問者

お礼

光合成に関する非常に参考になるサイトを紹介していただきましてありがとうございます。しばらく、このサイトを読みながら勉強してみます。

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