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大学院での研究室選びについて
こんにちは。ただいま大学二年ものです。今は機械学科に属していますが、大学院では核融合関係の研究をしている研究室に入りたいと思っています。そこで、実際入ってみないと分からないということもありますでと思いますが、おすすめの研究室はありますか?一学部生が調べたことよりも実際その分野を研究していらっしゃる方のほうが詳しいと思い、質問しました。また、今の学科とは違った専攻を希望しているので独学で勉強を始めていますが、今はとりあえず原子核工学と量子力学と流体力学(これは必要なのでしょうか?)の専門書を買い、勉強しています。 ここで質問なのですが、これら以外にこれをやっておいたほうがいい!ということや、これを読んでおいたほうがいいという本などがありましたらぜひ紹介してください。自分は将来アメリカに渡って核融合の研究者になり、核融合炉を実現させたいと思っています。バカなこと言うな!と言われますが本気で実現できると思っています。
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核融合というのは非常に起こり難い反応で、エネルギー取り出しを目的としてその現象を利用するには、核融合が十分起こるだけの高温・高密度状態を生成し、かつ必要な時間保持しなければなりません。核融合炉実現のためには、核融合反応そのものよりも、この反応を起こさせるために生成する、高密度・高エネルギー状態の物性の理解、制御が重要な物理学上の課題となっています。 核融合炉には大きく分けて 1)磁場閉じ込め(トカマク、ヘリカル等) (温度、密度はそこそこだが長時間保持する) 2)慣性閉じ込め(レーザー核融合等) (きわめて高い温度、密度を一瞬で生成させる) の2種類があり、それぞれかなり状態が異なるので、その状態を理解するために必要な物理上の知識も異なってきます。 磁場閉じ込め式の場合、強磁場中でのプラズマの振る舞いの理解が重要になります。どのような知識が必要になるかは、とりあえず宮本先生の「プラズマ物理・核融合」(東京大学出版)でも読んでみればいいでしょう。なお、あらかじめ、Maxwell方程式の知識は必要です。また、流体力学も重要です。 核融合炉というシステムとしてみた場合、激しい中性子線にさらされる容器の材料をどうするか、天然には存在せずかつ放射能をもつトリチウム燃料をいかに作るか、といった工学技術も重要な課題として存在しています。これらは材料工学等の知識が必要な課題です。また、慣性閉じ込めの場合、高出力レーザーの開発が重要な課題になります。 プラズマ・核融合学会誌の解説や、日本原子力研究所那珂研の成果報告 http://www.naka.jaea.go.jp/seikahoukoku/seikahoukoku.html を見れば、どのような課題があり、どのような研究がなされているか大体感覚がつかめると思います。 慣性閉じ込め式については、大阪大学のレーザーエネルギー研究センター(昔のレーザー核融合研ですね)のページ http://www.ile.osaka-u.ac.jp/index.html でも見て下さい。(慣性核融合については、あまり教科書が出ていないので) 日本でプラズマ磁場閉じ込めが学べる大学としては 京都大学理学部、工学部、九州大学などがあります。 慣性閉じ込めについては前述の大阪大学のみです。 大学以外の研究機関としては、日本原子力研究所(トカマク)、核融合科学研究所(ヘリカル)の2箇所が2大です。 将来米国に、とのお考えですが、磁場閉じ込めの研究については日本も世界の先端に位置しています。米国ではプリンストン大のTFTRが有名ですが、国家としては慣性方式に重点を移しており、かつそれが水爆研究という軍事機密とつながるため閉鎖的であり、他国の研究者にとってはあまりいい環境ではないかもしれません。
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- nzw
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>東大、東工大などではどうでしょうか?東工大には核融合研究所みたいなのがあった気が・・・ 東大や東工大でも研究しているようですね。 http://plasma.phys.s.u-tokyo.ac.jp/ http://www.nr.titech.ac.jp/Japanese/Laboratory/index.html 核融合研究の場合、実験設備の規模・内容と、運営予算により、行える研究に差がでてきます。また、自前の装置以外で、原子力研究所等の大型装置で院生が実験をする研究室などもあります。単に核融合関連をしているということだけでなく、各研究室の研究テーマが、自分の望むものかどうかを考えた上で選択したほうがいいでしょう。 各大学がどのような研究をしていて、院生になった場合どのような研究ができるかを知る一つの方法として、学会の発表内容を見るという手があります。プラズマ核融合関連の研究室だと、プラズマ核融合学会や日本物理学会で発表していることが多いので、過去の予稿集をみるのも良いでしょう。あとは修士論文や博士論文のテーマを調べる方法もあります。 >これはフランスなどでも同じなのでしょうか? トカマクの場合、次世代大型実験装置であるITERを日本と欧州、それに米国およびその他が共同で建設、実験することになっています。本体は欧州に置かれることが決定しましたが、日本の研究者にも当然利用できる状態で運営されます。フランスも慣性核融合については軍がらみで行っているようですが、あまり詳しいことはわかりません。 核融合研究と軍事研究の関係については、立花隆さんが以下のようなものを書いています。 http://nikkeibp.jp/style/biz/topic/tachibana/media/050704_iter1/ http://nikkeibp.jp/style/biz/topic/tachibana/media/050704_iter2/ http://nikkeibp.jp/style/biz/topic/tachibana/media/050705_nif/
お礼
回答ありがとうございます!貴重な資料ありがとうございます。たしかい実用にいたるのが今世紀末と言われているのに今一つの研究に絞るのは難しそうですね。とりあえず今はいろいろな論文や文献などを見て自分なりにどの研究が一番将来性がありそうか吟味して、その上で進路を決めたいと思います。
- kinuya
- ベストアンサー率23% (3/13)
ここのページは,研究者に成るための心得を書いたページです. 参考になります. http://www.a.phys.nagoya-u.ac.jp/~taka/research/beginners/researcher.html
お礼
回答ありがとうございます!お礼遅れて申し訳ございません。 さっそくリンク先のページ読ませてもらいました。ずいぶんと厳しい道のようですが、なぜか胸がワクワクしています!笑 こんな世界なのかって感じです!たいへん参考になるページありがとうございます。
- takanasi_misuzu
- ベストアンサー率41% (7/17)
ご質問は研究室選びについてでしたね。こちらにもアドバイスいたします。 No.2 の方の仰るように、とりあえずは在学している大学の、関係していそうな分野に取り組んでいる研究室の先生を訪ねられるのが良いです。関係していそうな先生が分からなければ、物理の授業をしている先生で良いです。 その先生がその専門でなくとも、色々とコネクションを持っているはずです。学内の他の先生は当然ですし、先生の友人、出身校の研究室、学会の知り合い、共同研究者などなど。 希望に適う大学院の研究室には、そういった「つて」を頼っていくのがよいと思います。 ちなみに、 > 将来アメリカに渡って フランスも核関係は結構熱心ですよ。
お礼
回答ありがとうございます!お礼遅れて申しわけございません。やはり機械学科の教授よりも物理の教授のほうがそういうコネクションはもってそうですね。 >フランスも核関係は結構熱心ですよ。 フランスも考えましたが、フランス人は英語が話せると思いますが、どうしても私生活ではフランス語をつかわなくてはいけないし、やはりアメリカのほうが英語を学びやすい環境にあると思いまして、今はアメリカを考えています。
- takanasi_misuzu
- ベストアンサー率41% (7/17)
はじめまして。 私は云年前に大学で物理やってました(低温物性)。 核融合とかの先端分野ですと理論が先行していますので、当然理論物理に明るくないといけないとおもいます。 量子力学と相対論(核関係ならとりあえず特殊だけ)は必須でしょう。
お礼
回答ありがとうございます!お礼送れてもうしわけございません。確かに今は理論が先行してますね!相対論・・・考えてませんでした。これからそっちのほうにも手を伸ばしたいと思います!
補足
送れて→遅れてです
- photonics
- ベストアンサー率45% (24/53)
核融合はいろいろの専門が必要な技術なので現在機械工学を学んでいるのは無駄にはなりません。また,原子核工学と量子力学と流体力学を勉強するのも大変結構なことと思います。 研究室の選択,大学院入試,アメリカへの留学など,ご質問の内容については,まず,一つでも二つでもいいですから,核融合関係の研究室の教授/助教授に直接コンタクトし,訪問して話を聞くことをすすめます。たいていは喜んで相談に乗ってくれるはずです。そうでないようなところには行かない方がいいと判断してください。現在の大学にそのような研究室はありませんか。まずはそこから始めるといいでしょう。 成功を祈ります。
お礼
回答ありがとうございます!お礼おくれてもうしわけございません。 ”機械工学を学んでいるのは無駄にはなりません”この言葉励みになります!自分の大学にそういった関係の研究室がある(100%当てはまるわけではないですが)ので行って見たいと思います。
- atomicmolecule
- ベストアンサー率56% (55/98)
大きな夢をもっているようですね。何を勉強したらよいかという質問には答えられませんが少し一般的な話を。 大学院終ってからアメリカに渡るといっていますが、私は渡るなら早いほうが良いと思っています。大学終ってからでもいいでしょう、できれば大学からが良かったんでしょうが。理由は単純にアメリカの方が教育が良いからです (平均的にですが)。単純に言えば日本よりもアメリカの方が授業の質が良いと思います。そしてアメリカでは演習をいやと言うほどやらされるらしいです。日本の学生は遊び放題やってますが、アメリカでは卒業するのにかなりの努力が必要ということです。もう一つアメリカを勧めるのは、大学院生の学費についてですが、チューターなどは授業料免除だそうです。つまり仕事をすることになるが、その分お金もかからずそして自分も常に勉強にしていないといけない。 これらのことは大学院でアメリカへ言った友人からの話と私がネットなどで得た情報なので、全て正しいというつもりはありません。ホームシックになったり孤独になったりで続かない人もいるでしょうからマイナス面ももちろんあります。 核融合は私にはさっぱりですが、頑張ってください。研究室選びは、休みを利用して実際に訪問するのも手です。訪問を拒むような研究室はないとは思います。ざっくばらんに話しをしてくれると思いますよ。これも私の友人の経験ですが、夏休みに全国、と言っても3箇所くらいでしたが研究室訪問して大学院を選んだ人もいました。私はお金がなくて研究室訪問はあきらめて試験を受けたときの印象で選びました。面接受けるときには自分が試されるのですが、考え方によっては、研究室側を試験する良いチャンスです。大学や教授の雰囲気がつかめるのですから。
お礼
回答ありがとうございます!お礼送れてもうしわけありません。研究室訪問は今年の夏やる予定です!アメリカ留学は大学受験前に一度親に説明(atomicmoleculeさんの回答にもあるようにチューター制度など)したところ、大学院からなら考えてもいいと言われました。ですので、大学院の博士から行く予定です。たしか博士のほうが奨学金をとりやすいので。
補足
送れて→遅れてです
お礼
回答ありがとうございます!お礼遅れてもうしわけございません。 >「プラズマ物理・核融合」(東京大学出版) 読んでみます。やはり流体力学は重要ですね。材料工学・・・こちらはどちらかというと化学系の材料の知識(機械系のような梁の曲げとかではなく)ということでしょうか? >日本でプラズマ磁場閉じ込めが学べる大学 東大、東工大などではどうでしょうか?東工大には核融合研究所みたいなのがあった気が・・・ >爆研究という軍事機密とつながるため・・・ このことは考えても見ませんでした。やはり軍事目的の研究だとそれが即自国の利益・不利益や安全保障などにつながるので、たしかに他国の研究者にとってはあまりいい環境ではありませんね。これはフランスなどでも同じなのでしょうか?