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公共の福祉について

公共の福祉は内在的制約原理と政策的制約原理の2つから成り立っているが、どのようなことか例を挙げて説明をお願いします。

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noname#15908
noname#15908
回答No.3

続き これに対して、社会国家的公共の福祉・政策的制約・積極目的規制 とは、一般に、「形式的公平に伴う弊害を除去し、人々の「社会・経済水準の向上」を図るという観点での公平。であり、例えば、弱者保護, 社会経済全体の調和ある発展 のための規制 」と論じられています。 自由国家的公共の福祉・消極目的規制 は 原則としてすべての人権について可能です。 理由は、これができないのでは最小限の憲法秩序の維持が不可能だから くらいいえばいいでしょう。 例えば、財産権の規制 として  火事のときに家を壊すことができる(消防法)  建築基準法で、危険な建物の建築は禁止される。 営業の自由が保障されているといっても、医業を行うには免許がいる 等です。 これに対して、社会国家的公共の福祉・積極目的規制 は 経済的自由権(と社会権) についてのみ可能です。 理由は、 積極目的規制は形式的公平を害するおそれがあるから限定的でなければならないが、経済的自由権と社会権は社会・経済水準の向上と密接に関連するため。だからです。 例えば、弱者保護のため、金持ちは学問をしてはならない と定めるのは やりすぎ  弱者保護のためを口実として 規制をやりだすと際限がない ということです。 経済的自由権の1種である財産権を制限するものとして、例えば 建築基準法上の地域規制があります。例えば住居専用地域には商業施設は建てられない という規制です。 経済的自由権であるから、社会経済全体の調和ある発展 のための規制が可能ということです。 あるいは、営業活動の自由(職業の遂行といえ、職業選択の自由に含まれて保障されていると解される)を規制するものとしては、(医師法での免許制は健康・安全のための消極目的規制 であるが、)大規模小売店舗の出店規制は、社会経済全体の調和ある発展のための 積極目的規制 といえる。 憲法には明文はないのに このような理論が主張されるのですが、 29IIで財産権についてわざわざ「公共の福祉」が登場するのは、経済的自由権の典型である財産権について、13条の公共の福祉とは異なる意味での 公共の福祉の原理(社会国家的公共の福祉)が妥当することを述べたもの であり、憲法が上記のような理論を採っていることの根拠となる と主張されるのです。

noname#15908
noname#15908
回答No.2

憲法11条は、国民に「侵すことのできない」ものとして基本的人権を保障しています。しかし、それでは例えば自分の土地の上なら どんなに高い建物で地震で崩れやすい建物を建てて貸しても適法ということになり、国(国会)はこれを規制する法律を作れない(そのような法律は憲法違反)ということになります。 それでは国の秩序は成り立たないので、基本的人権であっても、13条の公共の福祉を根拠に、制限できる(典型的には、国会がそれを規制する法律を制定できる)と解されています。つまり、13条の公共の福祉は、基本的人権を制限することについての一般的根拠とされます。 しかし、公共の福祉という抽象的な概念では、何をどこまでどのような基準で制限することが許されるのか不明確です。 そこで、公共の福祉の意味が議論され、多数の学説は、まず、公共の福祉には、自由国家的公共の福祉 と 社会国家的公共の福祉 がある と論じます。 自由国家的公共の福祉は、見かたを変えた見地から、形式的公平 とか 内在的制約 とか 消極目的規制 という用語で論じられることも多いです。 自由国家的公共の福祉・内在的制約・消極目的規制 とは、多数説によれば、「各個人の基本的人権の共存を維持するという観点での公平。具体的には、「国民の健康・安全に対する弊害を除去」を目的とする制約。」と論じられます。 (少し有名な少数説として「他人の権利を害さないことと、基本的憲法秩序を害さないこと」を目的とする制約。だという説もあります) (かなり専門的にいえば、例えば刑法の名誉毀損罪の規定は、多数説によると なぜ名誉毀損罪が健康・安全に対する弊害除去 なのか論証に困りますが、この少数説によると 名誉毀損罪も「他人の権利を害さないこと」に含まれるので内在的制約であることを論じやすいです (しかし、入門レベルではこれは高度すぎる内容と思われます))

noname#58429
noname#58429
回答No.1

自由権を各人に平等に保障するためには必要最小限度の制約を認めるという内在的制約としての公共の福祉(12,13条の公共の福祉)と、 各人の人権の実質的な保障のために経済的自由権に対する必要な限度での制約を認めるという政策的制約としての公共の福祉(22,29条の公共の福祉)として分類されています。 警察、防災などの活動による自由の制約は内在的制約と捉えられています。 警察が検問をはっていたり、消防が消火のために家を壊したり出来るのはこれに基づく法律があるからです。 生命や身体の危険に関することなので、自由権だのとぬかしてもらっては困る、ということですね。 酒屋や銭湯を別の酒屋や銭湯から一定距離以内に作ってはいけないというような法律があるのですが、これは政策的制約です。 直接人の生命には関わらないけれど、各人の自由に任せていては経済的強者に有利になりすぎる、といった場合に経済市場への介入が行われるのは公共の福祉の政策的制約によるものです。社会権(特に生存権)との関連性も重要です。