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代理母出産・クローン技術と憲法の自己決定権の制約原理
代理母出産は日本では認められていませんね。一方、憲法では自己決定権というものがあります。代理母出産は他人の人権を害するものではないので、この制約は「公共の福祉」では説明できません。 では、代理母出産をする権利は、憲法のどのような原理・根拠法条から制約が許されるのでしょうか? また、クローン人間を作ることは法律で禁止されています。この制約は憲法のどのような原理・根拠法条から許されるのでしょうか?
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- jewels
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代理母を肯定できない理由は大きく三つあります。 それは、倫理上の問題、事実上の問題、法律上の問題です。 倫理上の問題とは、女性の体を機械的に扱うことへの抵抗です。代理母を認めると、これを商売にする人は少なからずでてきます。女性の体は子どもを産む機械ですか?という抵抗が国民の間で倫理上もっている抵抗があります。 事実上の問題とは、奇形児の可能性が高いということです。これによって依頼した夫婦が引き取ることを拒否するという可能性があり、生まれてきた子どもが気の毒です。 法律上の問題とは、#1さんのような誰を母とするかということと、果して代理母懐胎契約は有効なのか?という問題が登場します。 以上のような問題点がありながら、社会的に不合理な制約といえるでしょうか。公共の福祉を根拠にできると思われます。また、立法案では、代理母懐胎契約は民法90条の公序良俗違反で無効となるとされています。社会的に見て公の秩序に反するのは確かなように私も感じます。 クローンについても、倫理上の問題がまず浮上していますよね。クローンであっても人ならば人権を享受しますし、人権を無視して臓器だけを狙うこともできず、監禁することもゆるされません。ひとたび人になってしまうとそのクローンをみすみす殺すことになってしまい大問題です。
- businesslawyer
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要するに、法律上「母親」とは、分娩した者(出産した者)がなるのか、それとも、「卵子提供者」がなるのか、と言う問題で、現在の法律では、前者(分娩した者)が母親とされているため、「代理母出産」では、生物学的には明らかに卵子提供者が母親であるにもかかわらず、法律的にはそれが上手く説明できない、という事が、根底にあると思われます。もちろん、それは法律を整備すれば済む事ですが、問題はそう簡単ではありません。現在の法律では、代理母により生まれた子供は、代理母の子供になってしまうため、法律を整備してあくまで「卵子提供者が母親である」と規定したとしても、「代理母」と卵子提供者たる「実の母親」との関係が問題にならないのか?と言う事です。つまり、「代理母」と卵子提供者たる「実の母」との間で、代理母となる契約をして出産した場合、いざ出産してみると、代理母は自分が出産した子供が可愛くなり、いくら他人の卵子から生まれたといっても、子供を手放したくなくなってしまい(女性の母性本能からある意味当然の感情)、親権の争いになる可能性が高い事(現に外国ではこのような問題が起きていると聞いた事があります)や、国民の意識として「分娩した者イコール母親である」と言う事を常識として考えていて、「代理母により出産した子供」が、あくまで「卵子提供者」の子供なのだという事について、未だ国民のコンセンサスが得られておらず、その状況で代理母による出産を認めれば、国民が様々な親子関係に関する法律的な場面等において、混乱をきたす恐れがある事等の問題が予測でき、そのような問題がある以上、その事が「公共に福祉に反する」と考えて、「代理母による出産」を制限したと考える事は出来ると考えられます。ただ、この理屈はあくまで私の私見であり、判例等を当たったわけではありませんので、ご了承下さい。