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我かこひは深山の松の郭公・・・って
或る近世絵画資料(寛永期)に描かれている女性の衣装には当時流行した隆達節歌謡が数首描き込まれているのですが、その中に「我か」「こひは」「深山の」「松の郭公」「人こそ」「しらね」「ふかぬ」「まそなき」と散らし書き風に書かれているものがあり、これをつなげると「我かこひは深山の松の郭公 人こそ知らね吹かぬまぞなき」となるのではと考えるのです。しかし、どうも意味が通じないので、「ひとこそしらね」と「ふかぬまそなき」は異なる歌謡なのかも知れません。残念ながら閑吟集、中古雑唱集、隆達節、編笠節に見当たらず仕舞いなのです。ひょっとして歌舞伎道行でしょうか・・・。どなたかご存じないでしょうか?
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お礼
ogura-anさん、情報ありがとうございました。わたくしもあれから、人に聞いたり、調べたりしまして、下記資料に行き着きました。 広島中世文芸研究会の『中世文芸』通号26 「我が恋は」歌謡の一考察 -田植歌「我が恋」ナガレに関して(竹本宏夫) 地方の田植歌には、中央ではやった歌謡が残っている場合もあるので、その線で調べてみることにしました。因みに、上記資料で、愛媛県北宇和郡の「舞踊踊、盆踊歌」に「我が恋いは深山の奥の時鳥、人こそしらぬ、なかぬ日もない」を見付けました。竹本さんの論考はとても参考になりました(昭和30年代のご研究内容です)。 最後の変体仮名の件ですが、やはり「ふかぬ」となっているのです。それで、各語句が散らし書きなので、もしかして別のパーツなのかと思っていたのです(別の回答者がご親切に歌意を披露してくださったものですから、これ以上触れない方がと思った次第なのです)。上記愛媛県の資料を見付けてからは、筆者の誤記と思うようになりました(往々にしてありますから)。 最後に、ご回答くださり、心から感謝申し上げます。