- ベストアンサー
罰金額の改定
法律に全く弱い者ですが教えてください。古い法律が未だ生きていて、適用される場合、罰金額等は最近のものに改定される必要があると思いますが、このような場合、個々の法律で為されるのか、別途、全般に適用される法律が制定されているのですか?
- みんなの回答 (3)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
基本的には,個々の法律を改正することで対処します。 守るべき規範と,違反した場合の罰則とは,同じ法律の中に一緒に書かれてあった方がわかりやすいですからね。 ところで,罰金等臨時措置法というのは,昭和23年12月18日という公布の日付を見ても分かるように,戦後の激しいインフレによって,戦前の法律で定められた罰金が意味をなさなくなったためにできた法律です。 本来であれば,罰金の出てくる法律を全部改正しなくてはならないのですが,インフレがいつまで続くかわからないので,年がら年中罰金の値上げばかりしているわけにもいかないだろうと,とりあえずこれで一括して引き上げることになりました。 ただ,当初の内容は,No.2のリンク先にあるものとは異なり,次のようになっていました。 http://www.shugiin.go.jp/itdb_housei.nsf/html/houritsu/00419481218251.htm 内容をかいつまんで書くと, 刑法・暴力行為等処罰に関する法律・経済関係罰則の整備に関する法律で定められた罰金は,50倍にする。 それ以外の法律の罰金は,上限が2000円未満のものは,2000円を上限とする。ただし,罰金の額自体を定めずに「○○の額の何倍」という形になっているものについては適用しない。 その後,昭和47年にこの法律は改正されて,200倍になりました。 しかし,この方式では,六法全書で刑法のページを見ても,罰金の額を知るためには,また別の法律のページを見なくてはならず,しばしば誤解を招く結果となりました。 たとえば,刑法142条に(当時) 「人の飲料に供する浄水を汚穢し因て之を用ふること能はざるに至らしめたる者は6月以下の懲役又は50円以下の罰金に処す」(原文はカタカナですがひらがなに直しました) と書いてあると,なるほど50円以下で済む場合もあるのなら安いものだ,なんて思ってしまうわけです。 実際には50×200で1万円なのですが。 親切な六法では,罰金等臨時措置法を見るようにという注意書きがついているのですが,それでも編集部には「罰金が安すぎる」と問い合わせがずいぶん来たそうです。 また,平成にはいると,戦後のインフレや石油ショックなどでしょっちゅう物価が上昇し続けていた時期も終わり,貨幣価値がかなり落ち着いてきました。 そこで,平成3年に,刑法などの中に出てくる罰金の額の全面的な見直しを行ない,臨時措置法を見なくても良いようにしました。 その際,単純に200倍するのではなく,あらためてそれぞれの刑を見直しています(全般に厳しくなっています)。 たとえば,先ほどの浄水汚染罪は,条文上の50円を200倍した1万円ではなく,10万円に改められました。 それ以降,臨時措置法はNo.2のリンク先に書かれたような内容になり,今日に至ります。 ここでなぜ「刑法・暴力行為等処罰に関する法律・経済関係罰則の整備に関する法律」以外の法律における罪については2万円となっているかというと,これらの3法の罰金額は上記の平成3年の時にすべて見直しているから大丈夫だが,それ以外の法律に出てくる罰金の額はもしかしたら見落としがあるといけないから,ぐらいの意味であって,刑法などの3法であっても,それ以外の法律であっても,基本的にはそれぞれの法律で額を決める,という方針には変わりありません。 ところでNo.2の補足で >これでは膨張するIT化に対応できないのではないかが素人の考えです。 とおっしゃっていますが,意味がよく分かりません。また, >何か万能の法律が必要になると思いますが、 の「万能の法律」も,どのようなものを指しておられるのかわかりません。 できましたら補足をお願いします。 また, >企業倫理を問われる事件が多いが、全般的に罰則が軽く、 >犯罪への抑止効果は無いのではと考えるのが私見です。 とお書きですが,これは個別の法律で罰するか否かの問題とは無関係に思われます。 罰則を重くすべきだとしたら,なにも罰則だけを定めた網羅的な法律を作らなくても,企業犯罪を取り締まる個々の法律の規定を改正して厳罰化すれば済むという,それだけの話ではないでしょうか。 それでは何か不都合でもあるのでしょうか。 ちなみに,No.1で「法律の改正は、たいてい別の法律で決められます。」とありますが,「たいてい」ではなく「必ず」です。 A法という法律を改正するには,「A法の一部を改正する法律」という,別の法律を作って,国会で可決することになります。 また,B法という法律が改正されたのに伴って,A法も一緒に改正されることもあります。 いずれにしても,法律の改正は「別の法律」によって行なわれます。
その他の回答 (2)
- silpheed7
- ベストアンサー率15% (1086/6908)
罰金等臨時措置法と言う物があります。 http://www.houko.com/00/01/S23/251.HTM
お礼
ありがとうございました。法律の仕組みが分かりました。
補足
罰金等臨時措置法第2条(昭和23年制定、平成3年改正)見せて貰いました。大略、「刑法、暴力行為、経済関係罰以外の罪」については2万円とし・・・とあり、また一方、金額が倍数を乗じて算出される場合はこの限りではないとあり、一概に言えないですが、これでは膨張するIT化に対応できないのではないかが素人の考えです。何か万能の法律が必要になると思いますが、政府(立法)(司法)では専門家が叡智を結集して作業をしているのでしょうね。 企業倫理を問われる事件が多いが、全般的に罰則が軽く、犯罪への抑止効果は無いのではと考えるのが私見です。
- 6dou_rinne
- ベストアンサー率25% (1361/5264)
法律の改正は、たいてい別の法律で決められます。
お礼
ありがとうございました。
お礼
大変丁寧に御説明いただきありがとうございました。多発し、高度化する犯罪への抑止力としての罰則を有効視するものです。今回は、法律の仕組みについて大変勉強になりました。
補足
>これでは膨張するIT化に対応できないのではないかが素人の考えです。 進化するスパイウェア、マルウェア等を駆使してのIT犯罪が横行し、犯罪(特に経済犯)の大型化・高額化・短時間遂行に拍車がかかり、影響を世界に拡大させていくのではと心配していると言うことです。 >何か万能の法律が必要になると思いますが、 この項については取り下げさせてください。各法律の改正で罰金額(倍率表示)の変更が行われることで問題ないと思います。