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真空から+電子と-電子が発生することがありますか?
以前に現代科学を紹介する本の中に、何もない真空中から、プラス電子とマイナス電子を同時に発生させることができると読んだ気がします。そんなことが、本当にできるのでしょうか? エネルギーもプラスとマイナスで打ち消して、トータル・ゼロになるから、エネルギー不滅の法則に反しないのだという説明だったと思います。
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ウラン原子とウラン原子を非常に接近させ(見かけ原子番号182の原子、A原子とします)ると周囲に強力な電界ができて、真空が自発的に崩壊して電子-陽電子を対生成するそうです。 これは別にウランを2個近づけるのに使ったエネルギーが電子-陽電子になる訳ではなく、A原子が単独で居るよりも周囲に電子が回っている(K殻)方がエネルギーが低い状態になるからだそうです。 そのために全く何も(実は強電界がありますが・・・)ない空間が勝手に電子-陽電子を発生させるようになるそうです。 (確か本間三郎さんの”素粒子の謎を追う”と言う本に載ってました) 理屈はA原子単独の場合からそのK殻に電子が捕らえられた時に発生するエネルギーが電子2個分のエネルギー(E=mc^2)を上回ってるため、真空が破れて電子を生み出し強力だった電界を緩和するような感じです。(陽電子はどこかへ飛んでいってしまいます)
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>真空中で電子陽電子対が生成することもあるとすると、「真空」ってそもそも何なんでしょね? ご質問の主旨に沿って、ミクロなミクロな視点でいえば、常にエネルギーが現れては消える非常に激しい荒海のようなものです。 ちなみにマクロな視点で考えると、歪んだり曲がったりする実体のあるものであって、やはり何もない空間ということにはなりません。 >電子以外の粒子もできるのでしょうか? 理論的には何でもできますが、光子や電子以外ができる確率は極めて少ないです。これは、例えば陽子などでは電子と比べ物にならないくらい大きなエネルギーが必要なので、大変できにくいのです。 >もし、そうだとすると、「真空」は、無限の宝庫であり、とても「何もない空間」とは言えなくなりそう。 その通りです。
お礼
何もない空間は、「無」ではなかったんですね。大発見でした。どうもありがとうございました。
- grothendieck
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電子と陽電子が衝突すると対消滅が起り、二つの光子が生成されます。二つの光子から電子-陽電子対が生成されるのはこの逆の過程で生成前に二つの光子があります。そうではなくて外からエネルギーもなにも与えずに真空から電子-陽電子対が生成されることがあります。その代表的なものがホーキング輻射と呼ばれるものです。事象の地平線の近傍では時間が無限に引き延ばされるため、量子力学的な不確定性で生成された粒子は放出される時間を持つことができると考えられています。そのため古典的な一般相対論ではブラックホールは光も脱出できませんが、量子力学を加えると粒子を放出するようになります。ホーキング輻射は非常にであり、エントロピーパラドックスは超限理論で解決されたと考えられています。 http://www2.yukawa.kyoto-u.ac.jp/~natsuume/japanese.html#string など
お礼
色々な可能性があるんですね。ありがとうございました。
- foobar
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電子-陽電子が対で生成した場合、電荷は正負打ち消しますが、エネルギーは打ち消しません。したがって、生成したまま保持させるには、何らかのエネルギー供給が必要になります。 1. ある一定以上のエネルギーを持つX線同士をぶつけると、電子陽電子対ができます。(この場合は、X線が持っていたエネルギーが電子陽電子対に変換されます) 2.ごく短時間なら(エネルギーの揺らぎでだっけかな?)真空中で電子陽電子対が生成することもあるのだとか。大抵はその後すぐに対消滅するので、エネルギー保存則に反しないのだとか。 (生成した電子陽電子対を強引に引き離せば、できた電子陽電子対は消滅させないこともできますが、引き離すには電子陽電子対生成相当以上のエネルギーが必要になるのだったかな。)
補足
ご回答ありがとうございました。 真空中で電子陽電子対が生成することもあるとすると、「真空」ってそもそも何なんでしょね?電子以外の粒子もできるのでしょうか? もし、そうだとすると、「真空」は、無限の宝庫であり、とても「何もない空間」とは言えなくなりそう。とても不思議です。
お礼
具体的な例を挙げて説明をしていただき、大変ありがとうございました。