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図形
人が選択する図形の中に、その人の心理が反映されていることはあるのですか? 例えば、円あるいは曲線を選択した人の心理状況を予想あるいは、仮定することはできるのですか?
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- starflora
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人が選択する図形のなかに、人の心理が反映されているかというのは、あると答えられます。ただし、占いではありませんから、この形だから、この心理というような確実なものではありません。また文化や教養や、経験や個人に応じて違ってきます。 わたしが知っているもっとも有名なもので、まず確実だろうと思えるのは、カール・ユングが提唱した「マンダラ」が完全性を象徴するという理論です。ユングがこのことを発見し、確証を得るには色々な経験や観察や研究があり、十年あるいは二十年にわたる研究の後、彼は、マンダラの心理学を公表します。 図形の選択は人間の心理を表すということでは、ユングは、マンダラとまさに関連して、「円」は、人が「統合」を求める時、出会う図形であると言っています。出会うというより、統合を求める心理にある時、何かの形が気になり、もっとも気に入る、あるいは心にうまく受け入れられる図形は「円」になるということです。「統合を求める心理」とは、意識において葛藤や不安があったり、意識と無意識のあいだで葛藤や不安定がある時、この状態を統合して、高いレベルの安定を求める時という意味です。 人が円になにか心の安らぎを感じる、あるいは円に充足を見いだす時、その人の心理は葛藤にあるか、何かの問題に直面して、不安であるということになります。人の魂は「未来志向」的であるとユングは言います。求める統合状態の象徴を見つけるのです。 ユングのこの円が統合の図形であるというのは、UFO現象についてのユングの独特の説明によく現れています。人は何故ある時期からUFOを見るようになったのか。ユングはそれが、冷戦の開始とほぼ時を同じくすることから、欧米の人の心は、分裂感に見舞われ不安を抱いている、統合の象徴を求めるので、空の何かの物体を「円形」に見るのだ、あるいは、「円」の物体の幻影を見るのであり、これがUFOだというのです。 太極図というものがあります、これは二つ巴のような形で、このような図形を望む人は、動的な統合、あるいは対立をまさに心に持ち、その動的な葛藤と統合の姿を、この図形に見るのだとも言えます。巴の模様はしかし、三つになると、統合というより、緊張と終わりない葛藤の状態を示しているとも言えます。 あるいは、三角には△と▽がありますが、どちらがどちらか忘れましたが、象徴としては、これは、「天から地へ」と「地から天へ」を意味します。多分△が「天から地へ」だと思いますが、これは安定した図形です。二つの三角のうちどちらを選ぶかで、心理が或る程度表現されているとも言えます。△は、安定を求めている時でしょうし、▽は、何か冒険を求めているか、心が不安定で乱れている時、この三角に心理投影するのかも知れません。▽は、ビルの新しい窓などに貼ってありますが、あれは、「危険」というような意味で、人に警告するマークなのかも知れません。不安な意識を齎すからです。 図形に意味があることは、図像学などがあることからも分かります。画家が絵を描く時、物象のあいだの力の関係というものを考えます。画家が、安定した心理であるか、そのようなものを求めるとき、絵は安定した絵になります。不安定である時、不安定な絵を求めるでしょう。 また、文化的に、△は、日本人には、三角としか見えませんが。キリスト教、カトリック信徒の場合、神の三位一体の象徴に見えます。大小の三角を多数組み合わせて、マンダラのような模様にしたのを、スリー・ヤントラといい、インドにおける瞑想のための画像ですが、この画像がどう見えるかで、また、どう印象を述べるかで、その人の心理が分かると言えるでしょう。△と▽は、錬金術で天と地の関係を示す象徴ですし、この両者が、相互作用し、安定あるいは均衡する時、二つの三角を重ねた図形、つまり、「ダビデの星」、イスラエルの国旗に描かれている図形になりますが、この図形を選ぶ時、それは調和を選んでいるということになるでしょう。魔術の五芒星は、それに対し均衡からのずれと、奇妙さ・神秘さを表し、この図形に引き寄せられる場合、心の疎外か、超越を求めている可能性があるでしょう。 薔薇十字運動の「薔薇」と「十字」は、薔薇が円で、十字が四角ですが、このような図形を求める心は、多様性の秩序ある統合を求めていることになるでしょう。 図形では、心の動的なありようや静的なありよう、均衡、不調和、安定、統合、不安、葛藤などに応じて、選ぶ図形が決まって来るとも言えるでしょう。