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ボールねじで回転運動を直線運動
ボールねじで回転運動を直線運動に変換する場合について質問します。 ボールねじの荷重伝達部の半径をR1、1回転に要するねじ長さをL、直線運動する質量をM、質量Mはボールねじと同一軸上にある円柱体(半径R2)とします。 この条件で、ボールねじを回転させるための慣性モーメントIの計算方法について教えて下さい。条件に不足があれば、新たな記号で設定してください。 ねじ本体の慣性モーメント、摩擦等は無視します。 よろしくお願いします。
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>> m = M・L/(2πR) と見かけ上軽くなり、 慣性モーメントは、 I = mR1^2 で良いでしょうか? << です。 >> 斜面の話をキチンと理解したい << 1. ネジが斜面であることの説明; ネジに、紙を巻いてギザギザを転写して紙を広げるとか、粘土板に押しつけて転がすと、斜めの直線が何本も描かれますよね。 下図の長い斜面が その一本だとします。ボールを挟んで被駆動側(質量 M )が居ます。被駆動側は 下図で上下方向にしか動けません。(そういう機構ですよね?) (図1) \ \ \ \ \ 回転軸側 被駆動側 \●\ 質量 M \ \ \ ↑ \ L一回転で進 \↓ む距離 ←―→ ←―→ ←―→ 一回転 一回転 一回転 長さは 2πR 2. まず、エネルギ保存則を使った説明を; ねじを回す力 F1 は半径 R の場所に回転軸と直角に加えるので 上図で真横を向いてます。 力 F1 で距離 2πR 動くと、仕事(エネルギ)は 力と動いた距離の積ゆえ、 F1(2πR) …(1) です。いっぽう被駆動側は力 F2 を受けて距離 L 動くとすれば、そのエネルギは F2L …(2) 途中の伝達がロス無し100%なら両エネルギは等しいから F2 = F1(2πR/L) …(3) を得ます。以上。 とやってお終いです。 これをテコに例えたのは「式の形が同じ」というだけのことです。逆L型のテコです。横に押すと縦に上がります。 (図2) 支点 ◎──↑F2 | | | | → F1 3. 詳しくと言うことですので、途中の力の伝達の様子を書きます。 図1で、回転軸を時計回しすると ねじの斜面は左に動いて ボールを下に押しますよね。 で、 (ここが肝です!)一般的な話で;面同志の間の潤滑が理想的なら、相手を押す力は面に垂直だけです、斜めは有り得ません。 なぜなら斜めの力は面に平行な成分がある、しかし潤滑が理想的だから 相手を面に平行に引きずれないからです。 下図の ±f が、面に働く力。(図1)の面に垂直のつもりです。θは(図1)の斜面傾斜角です。 (図3) ねじの斜面が 押し返される力 -f / / / 上記 -f の ねじを回す力 / 水平分力 F1 ←─-●-─→ -fsinθ / | /θ| / | / | f fcosθ 被駆動側の 被駆動側を 面を押す力 縦に動かす成分 (機構的に横には動けない) 一般に 質量 m に力 F を加えて加速すると F と等しい反力を受けますよね、上図も同じで、最初に F1 を加えると、被駆動側の面は力 f で押されます。f は面に垂直です。その fcosθ 成分が 質量 M を加速します。その加速の反力が ねじ斜面を押し返します。f と正反対の反力-f です。その水平成分 -fsinθ が最初の F1 に対する反力です。 これを式に書くと、釣り合いは和がゼロですから、 F1+(-fsinθ) = 0 です。変形して f = F1/sinθ …(4) と、f が求まりました。被駆動側を動かす成分 fcosθ に上式を入れると M を押す力 F2 は F2 = F1cosθ/sinθ = F1/tanθ となります。(図1)で、坂の勾配は tanθ=L/(2πR) ゆえ、入れると F2 = F1(2πR/L) …(5) となって、(3)式と同じ結果を得ました。 注; (4)式は L が小さいと f は F1 や F2 より遙かに大きな力になります。(これはクサビの力そのものです。) 途中に巨大な力が潜んでるのは直感的に変に感じるかも知れませんが、その方向への動きはわずかなのでエネルギ的には全然矛盾してません。 余談; サラリと「テコのように吊り合って」とか書きますが、よくよく考えると なぜなのかイマイチ分らないはずです。それを制覇するには「仮想仕事の原理」をどうぞ。それは、今回の質問が海面上の氷山だとすれば 水面下の本体のようなものです。
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- Teleskope
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途中の f が巨大なので、ボールと滑動面の表面はそれに耐えれるように超硬いですよね。潤滑油も油膜が切れない良いものが必要、と。
お礼
ありがとうございます。 斜面の話も理解できました。
- Teleskope
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ご免なさい、(5)と(6)式に係数(1/2)が抜けてました。 I = (1/2)ρhπR^4 …(5) I = (1/2)・円管の質量・(R2^2+R1^2) …(6)
お礼
ありがとうございます。
- Teleskope
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慣性モーメントの公式を直裁的に使えないのでお困りでしょうか、 「ネジの締める力」を考えてください。ネジは展開すると斜面ですよね。斜面はテコのように、力 F と動いた距離 S を F1×S1 = F2×S2 …(1) と変換します。 回転軸を縦にし、M が重力で軸方向に引っ張られるようにして、ネジを展開すると 斜面で物を押す図と同じになります。 で、半径Rの場所で 回転方向に力 F1 を加えると、M に作用する力 F2 は; F1 が一回転で動く距離は 2πR、それによって M が動く距離は L なのだから テコの式から、 F2 = (2πR/L) F1 …(2) ですよね、ピッチ L の小さなネジほど小さな F1 でも F2 が大きくなる、つまり強く締まる。 言い替えると; F1 から見ると M がまるで m = M・L/(2πR) …(3) に軽くなったのと同じです。(ここちょっと直感に訴えて飛躍してますんで、分かりづらかったら補足要求してください。) これで、本に乗ってる色々な形状の慣性モーメントの式が使えますよね。 余談; 円管の慣性モーメント。 本によくある公式は「円柱」の慣性モーメントです。 I = (1/2)mR^2 …(4) こんな式ですね。 いま欲しいのは外径R2、内径R1の円管ですが、くり抜くと上式のmが変わってしまうですよね。 こういう場合は m を材質の密度ρ、長さh、半径Rで表します、 m = ρ・底面積・高さ = ρhπR^2 これを(4)式に入れると I = ρhπR^4 …(5) となりました。 外径 R2 の I から内径 R1 の I を引くと、その差は I = ρhπ(R2^4-R1^4) = ρhπ(R2^2-R1^2)(R2^2+R1^2) = ρh(πR2^2-πR1^2)(R2^2+R1^2) = ρh(円管の肉の断面積)(R2^2+R1^2) = ρ・高さ・断面積・(R2^2+R1^2) = (円管の質量)・(R2^2+R1^2) …(6) でした。 (4)式はたいていの本にありますが、くり抜くとmが変わることに気付かず、 I = (1/2)m(R2^2-R1^2) と単純に引き算してしまうことが少なくないです。足し算になるのです。老婆心でした。
お礼
丁寧なご回答ありがとうございます。 m = M・L/(2πR) と見かけ上軽くなり、 慣性モーメントは、 I=mR^2 で良いでしょうか? ねじに置き換えて考える点で、 ”ネジは展開すると斜面ですよね。斜面はテコのように” ”ネジを展開すると 斜面で物を押す図と同じ” の内容がいまいちピンときていません。文字だけの説明では、伝わりにくいでしょうが、再度、ご説明お願いします。(自分の理解を深め人に説明するために、キチンを理解したいのでお願いします。) F1×S1 = F2×S2 F2 = (2πR/L) F1 については、理解できております。
お礼
Teleskope様、本当にありがとうございます。 私のささいな質問に対して、→や/や記号を用いて熱心にご回答を作成頂き、感謝のあまりなみだぐんでしまいました。 内容については、1回読んだだけでは100%理解できませんので、印刷して自分で図を書いてみて、じっくり理解したいと思います。