> レーザーによる光の干渉縞を用いて測定したい...
とありますが、空気層の厚さは場所によって段々厚くなっていくようなくさび状なので
しょうか? それともほぼフラットなのでしょうか?
空気層が端っこで最も薄くて波長の1/2以下、そこから単調に増加していく、というくさび形
であれば、単一波長のレーザを使って干渉縞の本数を端から順に数えていくことで任意の
位置での概略の厚さを知ることができます。つまり、「干渉縞=λ/2刻みの等高線」です。
ただし、端っこの最薄部でもそれなりの厚さがあったり、厚さの変化が単調でなかったり、
全体の厚さの差が小さいフラットな分布であったりする場合には、レーザ1本の単一波長で
厚さの絶対値を測定するのは困難です。
干渉縞観察以外で、反射光の干渉によって膜厚を求める方法には主に下記の3通りが
あります(この他、干渉ではなく偏光解析によるエリプソメトリがあります)。
(1)<膜の屈折率×膜厚>が照明波長λの1/2より小さい薄膜の場合
固定した波長で基準物体に対する相対反射率を測定し、反射率=f(膜厚,λ)の関数形
から膜厚に換算する
(2)(1)より厚い膜厚を反射スペクトルから求める
空気層の厚さをd、照明光の波長をλとすると、
2 d = (m+1)/2・λ
の時にガラス側から入れた光の反射率が極大となるので、波長λを走査して極大
波長の間隔を求め、上式から膜厚に換算する。
(3)(1)より厚い膜厚を干渉計で測定する
干渉計で白色光を用いて膜の反射光を解析すると、膜内を往復した時間に
相当する光路差の所に干渉ピークが現れるので、その位置から膜厚に換算する。
ご質問にあるμmオーダーの空気層(屈折率n=1)&可視光の組合せでは、もう(2)(3)
の「厚い膜厚」に相当します。しかし、単一波長のレーザで測定するなら、(1)しか
使えません。(1)や単一波長のエリプソメトリでは
d=d0+N×d1 (N=0,1,2,...)
という周期膜厚表現の解しか得られず、絶対値は分かりません。
λ/2以上の厚さの空気層の絶対値を知るには、複数波長or連続波長(白色光)の光源で
反射光を解析することが不可欠になります。
もしどうしても強引に一波長でやりたければ、(1)の関数fは実はf(膜厚,λ,入射角)
なので、波長λを振る代わりに入射角を振ってやる手もあるにはあります。ただし、角度を
正確に計る手段が必要、角度を変えても同じ位置に当たるようにするなど、現実には
かなり難しいです。
補足
丁寧なご回答ありがとうございます。 空気層はほぼフラットな状態だと思うのですが、白色光が入射した時に場所によって縞が見えたり見えなかったりするので、おそらくガラス板が多少なりとも歪んでいて層の厚さが単調に変化しているわけではないようです。 回答していただいた(1)の方法では不可能だと思いますので、(2)の方法についてもう少し詳しく説明していただけないでしょうか。