『大辞林』と『広辞苑』の語釈をまとめると、以下のようになります。
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われら【我等】
(1) 一人称複数。わたくしたち。われわれ。
古今和歌集雑「涙の色のくれなゐはわれらが中のしぐれにて」
(2) 二人称複数。おまえたち。おまえら。
歌舞伎・姫蔵大黒柱「われらは役に立たぬ、俺が行てこう」
(3) 一人称単数。わたくし。われ。
宇治拾遺物語13「この君の御夢、われらにとらせ給へ」
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われ【我・吾】
(1) 一人称。わたくし。わたし。あれ。おのれ。
古事記中「われはや飢えぬ」
(2) 二人称。おまえ。中世以後の用法。後世は卑しめていう場合が多い。
百座法談聞書抄「われは又いづ方よりいづ方へおはする人ぞ」。
洒落本・陽台遺編「われが事ぢや」
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一人称単数と一人称複数の見分け方は、文脈によるしかなさそうです(確証なし)が、現代語では「われら」は複数、「われ」は単数と見て差し支えないでしょう。
二人称の用法は中世以降のものです。現代語では方言として各地に残っているようですが、共通語の書き言葉としてはほとんど使われないと思います。
一人称の代名詞が二人称としても使われるようになったケースは、「われ・われら」の他にも、「おのれ・おのれら」、「てめえ(てまえ)・てめえら」などがあります。「じぶん・じぶんら」も、二人称として使われる場合があります。
お礼
古語の使い方は混乱ですね。どうもありがとうございました。