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どなたか教えてください【高校物理】
学校で使っている教科書に以下のような記述があります 光学顕微鏡において、可視光の波長より小さな物体の像を得ることはできない この根拠がわかる方いませんか?
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光の単元で習ったと思いますが、光には回折という波の性質がありますね。そのため、いくら高性能のレンズを使って点光源の光を1点に集めようとしても、必ずある大きさで円盤状に広がってしまうという限界があります。この限界のことを回折限界といい、その円盤をエアリーディスクといいます。 エアリーディスクの半径rは理想的なレンズでは次の式で計算することができます。この値を分解能といいます。 r=1.22λF(λ:光の波長) ここでFはカメラなどでおなじみのFナンバーという値です。Fは焦点距離fをレンズの有効径D(実際に光がレンズに入る直径)で割った値となり、下記の式で表すことができます。Fが大きいほど、レンズの有効径が小さくなるわけですから(=光がレンズに入る量が少なくなる)、Fが大きいということは暗いということです。 F=f/D エアリーディスクが小さくなるということは、点像の広がりが小さいということですから、像が明るくなることも意味しています。また、エアリーディスクの大きさは光の波長によって変わります。波長が長い光ほど1点に集めにくいということを意味しています。 例えばF値が5.6のレンズで波長0.5μmの光では、rは約3.4μmとなります。つまり、この条件では点像の大きさを3.4μm以下にできない、像面で3.4μm以下は見分けられないということです。 実際のレンズには収差があるので、分解能はこの式で求めた値より悪くなります。 顕微鏡のように高分解能が要求される光学系では、光を幾何光学だけでなく、波動光学の側面からも考えなければなりません。実際にはNA値なども考えなければなりませんが、少し専門的になるので説明は省略します。 下記の本を読んでみることをおすすめします。 図解入門レンズの基本と仕組み(秀和システム) http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4798010286/qid=1128354868/br=1-2/ref=br_lf_b_1/249-7915630-2748348 →こちらは高校の知識があれば読めます。 図解 レンズがわかる本(日本実業出版) http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534034911/ref=pd_sim_dp_3/249-7915630-2748348 →こちらはもう少し専門的です。 ellegardenさんには最初の本が読みやすいと思います。
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- indi
- ベストアンサー率27% (8/29)
何かを視認するという事は、その物体によって透過又は反射された光を眼球中のレンズを通し網膜上に結像するというプロセスによって成し得ています。 しかし、私達は全ての光(電磁波)を識別できるわけではありません。 私たちが認知できるのは波長が400~800nmのものでその光は可視光線と呼ばれています。(ちなみに、可視光より波長の長いものにはマイクロ波や赤外線、また短いものには紫外線やγ線やX線などがあります。) そのため可視光線を利用する限りどんなに優れたレンズを使っても、その波長より非常に小さな物体の構造を顕微鏡等で観察するということはできません。 例えば1nm弱の結晶構造を見るには、 その比較をする分解能がないという感じです。 という説明では駄目でしょうかねえ…? そのためX線とか電子顕微鏡とかを利用するんですね~
- moby_dick
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物体の一点からできる像は、実は点ではなく、広がりのある円形状のものです。 像を結ぶと言うのは、物体の一点から出た無数の光が集まって像になるのです。 具体的には、経路の違う2つの波の位相(波の山、谷)が合って、強め合って出来ます。 その点像の集合です。 上述の円形状の像で、その2つの波の位相が完全一致したものが中心の点像です。周りの点像は、位相が少しずれた波同士でできたものです。位相が少しずれても合成の強度はあまり変わらないのです。 こうして円形状の像になります。 この円形の大きさは、波の波長程度になります。 さて、それで小さな物体において、可視光の波長より近く離れた2点では、その2つの円形像が重なって判別がつかないのです。 結局、これらのことの根本原因は、波の曖昧さ、つまり、変化が穏やかに変わる言う特質によることです。 なお、電子顕微鏡も全く同じ、つまり波長の限界があります。 (電子が波であることを、先に知らなければなりませんが)
- gontarohk
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「像を得ることができない」とは、波長よりも小さな構造を見ることができないという意味です。もう少し厳密に言うと、「顕微鏡の空間分解能は、波長以下にはならない」ということです。 なるべく正確に書くために、高校の範囲を若干超えてしまうことをお許しください。 小さな構造を見るためには、光の波を構造よりも更に小さな領域から反射された光を区別しなければならないわけです。つまり、小さな構造の内部に夫々別に絞った光を当てなければなりません。 光の波長の逆数を波数(通常kという文字で表します)と言います。小さな領域(この範囲をΔxとします)に光を絞るためには、純粋に単一の波数の光だけではだめで、ある程度の範囲に広がった波数の光を干渉させる必要があります。この波数の広がりをΔkとすると、Δkは1/Δx程度になります。(この関係はフーリエ変換という数学的な手続きによって得られます。)つまり、より小さな領域を見るためには、より広い範囲の波数の光を干渉させる必要があるのです。波数は波長の逆数ですから、広い範囲の波長の光が必要になると言い換えることもできます。 可視光に含まれる光の波長は0.4-0.7μm程度ですが、これよりも小さな領域を分解して見るためには、もっと広い範囲の波長の光が必要になります。
- fjnobu
- ベストアンサー率21% (491/2332)
物が見えるのは、光が反射するから見えるのです、 波長より小さいと、反射しないですり抜けるので見えなくなります。 従って、電子顕微鏡で波長を短くして見るのです。
- sqwe-ir
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多分、これより小さな物体は見れないのでしょうね。 オングストロームって、それ以前に、レンズの限界の方が来るんじゃないかい?^^;
- keydaimon
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光学顕微鏡ということですね。 であれば、跳ね返ってくる光(可視光)を人間が肉眼で見るわけです。 ということは、可視光よりも小さい物質だったら、可視光自体を跳ね返す確率は低くなりますよね?(まったく跳ね返さないということはありませんが) ということで、波長と同程度、あるいはそれ以下の物質は実際問題、観測できない、つまり見えないです。 デジカメの画素に似てるかもしれませんね。画像がつぶれてしまうのと似ています。
お礼
ありがとうございます。 1番論理的で納得の行くかいとうでした