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細胞膜について
なぜ細胞内のカリウムイオンの濃度が高く、外ではナトリウムイオンの濃度が高い状態で平衡が保たれるのでしょうか
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ご質問の意図は、「なぜ細胞内はK+>Na+で、細胞外ではNa+>K+か?」ということで、ややこしいですが他の回答者の方が説明されている基本的なイオンチャンネル(イオンポンプ)については分かっていらっしゃるのではないでしょうか? 「なぜ細胞内はK+>Na+で、細胞外ではNa+>K+か?」というのは、私の知識も教科書程度しかないので説明がつたないですが、これは細胞膜の興奮に関係しているからです。 基本的に細胞が静止状態にあるとき、内側が「負」、外側が「陽」の傾向にありますが、この差は主にK+によって生じます。 生理学の教科書にはたいてい載っているとは思いますが、細胞が静止状態にあるとき、各イオンの細胞膜の透過定数(PK、PNa、PCl)はPK >>> PNa > PClで、静止電位(Vr)はK+の濃度差によって生じる電位(平衡電位)にほぼ等しくなります。このとき、K+濃度は内(i)>外(o)で、 Vr≒-RT/F log [K+]i/[K+]o から、細胞内が外液に対し電気的にマイナスであることが導かれます。 しかし細胞に刺激が加わると、その部分の静止電位が減少し臨界点と呼ばれる電位に到達すると、今度は興奮による活動電位(Va)が生じます。 すなわち興奮部では、静止電位がどんどんと減少し、ついには細胞内の電位が細胞外よりもよりも高くなる(陽性に傾く)電位の逆転現象(脱分極)が起こるのです。 このVaは膜のイオンに対する透過係数が変化することにより生じます。 興奮時には、PNa >>> PK > PCl となり、今度はNa+の平衡電位に依存することになります。 興奮部位では脱分極によりNa+の細胞内流入、K+の細胞外流出が生じ、脱分極が起こり、そのためにその部位と周囲の非興奮部との間に電位差が生じることで電流が興奮部に流れ込む現象が起こります(この電流は「局所電流」と言います)。これは非興奮部に向かって外向きに流れた後、興奮部に戻るので、これが刺激電流となって非興奮部が脱分極し、興奮部を境に両端に向かってどんどんと脱分極を起こすことによって細胞膜の興奮伝導が起こります。 興奮部は脱分極後に再び各イオンの透過係数が変化するため(PK >> PNa)、再び元の静止電位に戻ります(再分極)。この電位の変化の山は「スパイク電位」と呼ばれます。 以上のような現象は、ご存じの通り神経細胞や筋細胞に非常に顕著な例ですが、このような細胞活動を行う上で、細胞内外のイオンの濃度差は非常に有意なのです。
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- sonorin
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すみません。どうでもいいことかも知れませんが付け足しで…、 細胞静止状態の時の静止電位は、 Vr≒-RT / F log [K+]i / [K+]o と書きましたが、これは([K+]i>[K+]o)なので負になります。 また活動電位では、 Va≒-RT / F ln [Na+]i / [Na+]o で、これは興奮して脱分極を生じたとしてもなお([Na+]i<[Na+]o)のため、Vaは正の値になります。 どうでもいいかもしれない補足でした。
イオンポンプで低い濃度の部分から高い濃度の部分へイオンを移動しているほかに.濃度さによる拡散があります。 拡散によって.濃いところから薄いところへ移動する速度と. イオンポンプによって.薄いところから.濃いところへ移動する速度が 等しくなっているので.「平衡が保たれている」のです。 いろいろな化学物質によっては.イオンポンプの機能を停止させる性質をもつ物質もあります。このような物質をいろいろ使って.動物の恒常性をたもつ機構が最近わかってきました。
お礼
ありがとうございました。参考にさせていただきます
- takechiyo
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こんにちは。 細胞内:カリウムイオン>ナトリウムイオン 細胞外:カリウムイオン<ナトリウムイオン 上記のような平衡が保たれているのは他の方が 述べられているようにイオンポンプが存在するからです。 実際はポンプではなく、Na+K+ATP分解酵素のはたらきです。 (ポンプに例えると説明しやすいので「ポンプ」なのです) この機構が無ければ、K+もNa+も細胞の内外での濃度は 一定になりますよね。それをATPを消費して上記で示した状態にするのです。 私達の生活の例で例えると。。。 エアコンみたいなものです。 エアコンは室内を強制的に冷却しますよね。 しかし、室外機はものすごく熱を帯びていますよね。 本当は部屋の内も外も温度は一定なのにエアコンという「ポンプ」を 使っているからです。 不明な点があったらおっしゃって下さいね。
お礼
どうもありがとうございます!!例えを入れていただいてより理解が深まりました
ダイレクトな回答ではありませんが、以下の参考URLサイトには関連質問の回答がありますが、参考になりますでしょうか? ご参考まで。
お礼
ありがとうございます。参考にさせていただきます!!
細胞膜内にあるイオンポンプがATPのエネルギーを利用してイオンの汲上を行っているためです。この逆にイオン濃度の差を下げる時にはイオンチャネルという通路が開きます。 詳しいことを文字だけで表記することは、少々難しいので、ここら辺の話(細胞内部でのエネルギー代謝などについても)を詳しく解かり易く書かれた本がありますのでご紹介しておきます。 講談社刊 ブルーバックス B-1348 「新・生物物理の最前線」 ISBN4-06-257348-2 価格 ¥1060 つい最近出た新刊ですが、大き目の書店に行けばブルーバックスのコーナーがあると思いますので、簡単に入手可能でしょう。 実を言うと私もこの方面に興味があり(具体的には生体内に存在する分子レベルの微小モーター)最近入手し、現在読んでいるところなのです。一読では理解することができない部分もあり現在2度目ですが、とても面白い本なのでお勧めします。 ちなみに、ご質問の件に対する回答は第6章に詳しく書かれてています。細胞内にあるたんぱく質がどのような働きでポンプのような仕事や情報の伝達を行うかなど、分子の構造から細かに説明されています。
お礼
どうも詳しい説明ありがとうございました。紹介のいただいた本を読んでみたいと思います
お礼
どうも詳しい説明ありがとうございました。大変よくわかりました。参考にさせていただきます!!