リポソームの製法(整置水和法,その他)
初めて質問させていただきます.
顕微鏡作りをしている者です.
現在,被測定物としてGUV(巨大リポソーム)を作成していますがうまくいきません.
いろいろ手を打っているのですが,
専門外なものですからこれでいいのか確信がもてない状況です.
また,論文には書かれていない,
基本的な事柄ができていない可能性もあります.
以下に私が試みてきたことを記述させていただきます.
ダメだしなどございましたら,
どうかご指摘をお願いいたします.
調製法としては,最も簡単に思えた静置水和法を用いています.(文献1,2)
(1)平底フラスコをよく洗い,
(2)リン脂質をヘキサンに溶解させ,
(3)埃が入らないように自然乾燥させてから,蒸留水で膨潤させ,
(4)5日間ほど冷蔵庫で静置しました.
すると,水中に濁りというか,膜状のものが浮遊しているのが見えました.
しかし,遠心分離機で沈殿させてもなにも得られず,
位相差顕微鏡でも何も見えませんでした.
ただし,論文中では
(3)では窒素気流中で乾燥,
(4)では窒素置換後静置
しているのですが,
設備上の限界から,空気中(ドラフター内)で行っています.
作業中の温度は全て10度以下で行っています.
ただ,PC(ホスファチジルコリン),PS(ホスファチジルセリン)は
ヘキサンになかなか溶けないので,
60度の超音波浴槽中で溶解させました.
ナス型フラスコとエバポレーターは一応あります.
[参考文献]
(1)Darszon A, Vandenberg CA, Schondeld M, Ellisman MH, Spitzer NC, Montal M,
Reassembly of protein-lipid complexes into large bilayer vesicles:Perspectives for membrane reconstitution.
Proc Natl Acad Sci USA (1980) 77, 239-243
(2)寺田博,吉村哲郎,
ライフサイエンスにおけるリポソーム実験マニュアル
シュプリンガー・フェアラーク東京刊
お礼
お返事ありがとうございます.GUVは最大100μm大です.ブラウン運動というより,溶媒の流動に乗って動いています.スライドガラス上に吸着させられればいいのですが,残念ながらプロテオリポソームを作成する手段を持っていません.固定して観察している研究はいくつかありますが電極を使って成長させる方法を用いています.これならなぜかうまくいっています.今ふと考えたのですが,スライドガラス上にリン脂質薄膜を作っておき,そこにGUV溶液を落とすとうまく行きそうな..気がします.あくまで勘ですが...どうでしょう?