- ベストアンサー
リポソームの製法と質問事項
- リポソームの製法について説明しましたが、うまくいかない状況です。
- 基本的な手順を試みていますが、確信が持てません。
- 論文には書かれていない詳細や設備上の制約があります。
- みんなの回答 (1)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
過去にやっていたもので記憶から遠のいていますが、参考までに。 リン脂質の種類によっては、低温ではリポソームを形成しません。不飽和脂肪酸がひくいほど、低温では形成されにくいです。例えば、14:0PCであれば、確か、20度くらいが臨界ミセル温度になっていたかと思います。このようなリポソームでは25℃以上の条件下でリポソームを作製しないといけないかと思います。 18:2が含まれるPLPCなどでは、やや低めの臨界ミセル濃度ですので、低めの温度でもよいですが、念のため37度で行います。 空気中か窒素還流下の違いですが、脂質によって影響が異なります。アラキドン酸などのビスアリル水素と呼ばれる酸化されやすい水素(二重結合に挟まれた水素)の多い脂肪酸を含むリン脂質では空気中にしばらくおいておくとラジカル反応で酸化が促進されます(遮光や低温下で若干軽減されます)。もし、そのような反応を気にされないようでしたら空気中でもかまいません。 もし、SUVでよいのであれば、最もよい方法がナスフラ/エバポレーター/超音波を用いた薄膜法です。有機溶媒に溶解させたリン脂質を37℃で暖めながらナスフラを斜めにおいて回転しながら真空脱気します。この際、37度でも真空にしているので酸化反応はほとんど起きません。蒸発した有機溶媒はドライアイスなどで冷却し、廃液へ。 数十分くるくる回転(2秒に一回転くらい?)させながら有機溶媒をとばすと、うっすらと白いものが底に見えます。溶媒が完全に除去されたら目的のバッファーを加え、激しくボルテックス。その後、超音波。といった感じです。 シュプリンガーの本を参考に、私もエタノール注入法でLUVを作りました。こちらはうまくいきましたが、送液装置がないとできません。 GUVのために、エーテル法をやりましたが有機溶媒を除去するのに一苦労した経験があります。 また、何かありましたら。
補足
お返事遅れて申し訳ありません. 文献2では5℃くらいで終始実験を行っていたので, 今回はそれに習って実験をしておりました. 低温ではリン脂質は液晶状態にはならないとあったので, そこが気がかりだったのですが... 早速アドバイスを参考に 室温,空気中で実験を行いました. その結果,できました.GUVが. 大きさは数十μmくらいです. 最近では, リン脂質を変える,またはブレンドすることで膜の曲率が変わり, リポソームの調整効率が変化する可能性があるかと思い, とある論文を参考にしながら(文献 3) PC(ホスファチジルコリン,卵黄由来,大豆由来), PE(ホスファチジルエタノールアミン), PS(ホスファチジルセリン), アゾレクチン の単体, およびその組み合わせで試しています. ただし,参考にした論文は凍結融解+電極法を用いています. その結果,PS単体で最も収率が高かったです. ただ,使用した平底フラスコが 完全に同じ形ではなかったため, PSが本当によいのかは断定はできません. 一重膜ができやすいフラスコだったのかも知れません. 私の不勉強ですが, 14:0,18:2,PLPCの意味がわかりません. 少しだけ補足をいただけないでしょうか. 以前,ご回答いただいたSUVの作成をしたあと, 凍結融解させてGUVを作ったのですが, 粒々が凝集したような, ごつごつした塊ができてしまいました. (3)Ken-ichiro Higashi, Shigeo Suzuki, Hiroshi Hujii and Yutaka Kirino, Preparation and Some Properties of Giant Liposomes and Proteoliposomes, J. Biochem (1987) 101 433-440